母・美保

著者: 高竜也

本販売日:1985/04/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0004-7

息子の若い肉茎が濡れそばつ媚肉におさまった時、
美保は母であることを忘れて、嬌声をあげた。
突きだした脂ののった双丘をクネクネと揺さぶり、
実の子により深く強い挿入をうながさずにはいられない。
夫のいない寝室で肉罪の快に耽溺する母と子に、
背徳さえのなまやさしく思える悲劇が近づいていた……

登場人物

みほ(38歳)実母

ちか(18歳)女子大生

本編の一部を立読み

お母さん、僕、どうしたらいいんだよ……。母の薄く開いた唇が、早くおやすみなさいといっているようで胸が痛む。やっぱりだめだ、できない……。
いきり立った分身を握りしめて、引きかえそうとした時、何かの気配を感じたのか、美保が目を開けた。
明彦は立ちすくんで美保を見つめた。
美保は、ぼんやりした視界の中に、一人息子の明彦が立っているのに気づいた。
どうしたの?……といおうとして、裸の明彦の下半身を、なにげなく見る。いっぺんに夢うつつの状態から現実の世界に引き戻された。一瞬、息子が気でも狂ったかと思い、半身を起こした。
美保のそれまでの生涯のなかで、これほどのショックと混迷を受けたことがあったろうか< 息子の手に握られている猛々しいものの実体は、まぎれもなく男性そのものではないか。
「明彦……」
あとの言葉がつづかないまま、美保は自分自身が混濁した意識のなかで気が狂れたのではないかとさえ思った。明彦の泣きだしそうな顔が、自分を見おろしている。
「で、どうしたの……その格好……」
やっと口をついて出た言葉が、この急場の解明には何の役にも立たないことぐらい百も承知である。しかし、それ以上の言葉を美保は咄嗟に思い浮かべることはできなかった。
「お母さん」
表情全体から血でも噴きだしかねない形相で、明彦が美保の胸に飛びこんできた。いや、実際には、はるかに体の大きい明彦が抱きついてきたといってよい。
はずみをくらった美保は、そのまま寝るような形で引っくりかえり、明彦の逞しい体を、薄いナイティでくるんだ柔肌で受けとめた。
「何よっ、明彦……どうかして?」
この時、初めて母らしい叱責の声を放った。乳房にのびてきた明彦の手の動きで、息子が何のために部屋へやってきたかを、ようやく理解した美保は、力いっぱい明彦の体を押し戻そうとしたが、盤石のような力で押さえつけられて、それは不可能だった。
「やめて……何をするの、離して……ばかなまねはやめて、明彦!……」
せめて母らしく抗議したつもりだが、いまや一匹の猛々しい獣と化した明彦は、もうがむしゃらにナイティを剥ぎ取り、甘い匂いのむせかえる乳房にとりついて、チュウチュウと音をたてて吸いたてた。
それだけなら仕方がない……。
けれども息子が望んでいることは、そんな生やさしいことではないのだ。一方の手の動きが、それを如実に物語っている。パンティの腰まわりを飾る縁どりレースの中に強引に差し入れてくる手を必死で押しのけようとしたが、それもまったく無駄だった。
「明彦! いけない! いや、やめてちょうだい、そんな怖ろしいこと……いやよ、だめ、だめだったら……わかってるの? あなたのしようしてること……あっ、明彦!……」
太腿に押しつけられてくる怒り狂ったたかまりの硬さが、まるで明彦の意志の堅さでもあるかのように感じられる。けれども、こんな状況が許されるものであるはずがない。ひたすら、明彦をはねのけようと試みたが、びくともせず、空しい労力の浪費が繰りかえされる。
ああ、神様……。

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