「お兄ちゃん……私は大丈夫。きていいよ」
妹の声にうながされて、章吾は体勢をとった。
喪失の刻を待つ、淡い繊毛に囲まれた陰唇。
下唇をギュッと噛みしめて破瓜に耐える少女。
両親を亡くした兄妹は、二人だけで生きてきた。
固く結ばれた絆が、今、禁断の絆へと変わる!
こずえ 妹
なみ(21歳)女子大生
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梢は章吾の脇に横たわると、その手を取って下腹部の秘められた部分に導いた。そして自らの意志で少しずつ両脚の付け根を開いていった。
「おっぱいも、キスして」
「梢……」
あの傲岸な純一がなにをしたのかと思うと、いたたまれなかった。夢中でまさぐった。そうしながら、「純一の奴」と言ってしまった。
その言葉を、梢は敏感な感性で受けとめた。
「私はまだバージンよ。正真正銘のバージン。だから、お兄ちゃん……」
もう言葉はなかった。
章吾と梢の間に厳然と存在した血肉をわけた兄妹という垣根は、この時を境に形式的なものと化した。藁の上に横たわっているのは、一人の男と一人の女だった。
梢は握った。章吾が唸った。このままでは先に終わるのは明白だった。
ずりさがった。温かい手に包まれていたこわばりは、ひと息ついたように跳ねた。
南美の熟れた亀裂とは違った端正な赤い裂け目は、それでも女を主張してほんのりと濡れていた。
優しく口づけした。梢が大きくしなった。舌を下から舐めあげていくと、全身に震えが走った。
これまでの強い思いこみが、梢の肉体に敏感な感性をもたらしていた。だからひどく感じた。信じられないほど感じた。
「お兄ちゃん!」
言葉が出ない代わりに、両手が自然と伸びて、章吾の後頭部を抱えこんでいた。
この時、章吾は妹のすべてがようやく自分の掌中にあることを実感した。
愛の蜜がとめどなく流れると、くまなく吸いたてた。可憐な肉の狭間のどこから濃厚な愛液が溢れてくるのかわからない。しかし独特な香りをともなった生温かい溶液は、確実に章吾の唇を濡らし、顔を濡らした。
梢は深い陶酔のなかで、どうしようもなく震える身体をもてあましていた。自分の意志でコントロールできないほど全身は歓びにあふれていた。それは抑えきれない大きな感情のうねりと重なった。
「お兄ちゃん……私、大丈夫。いいのよ。来ていいの」
その声にうながされて、章吾は体勢をとった。
淡い繊毛に囲まれた陰唇は充血してぽってり膨らみ、さっきより開き気味の粘膜はひくついて、来たるべき刻を待っていた。