春美と千夏と…
本販売日:2002/05/23
電子版配信日:2009/05/22
本定価:545円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-1110-4
愛らしき22歳、千夏が望んだのは兄による破瓜。
淑やかな24歳、春美の願いも兄に処女を捧げること。
裸で寝室へ忍び、いたいけな誘いを仕掛ける二人の妹。
汚れなき清艶な秘唇を前に、理性で必死に押しとどめた、
尚人が禁忌を冒す意を固めたのは欲望と妹の言葉だった。
「結婚するなら、お兄さんに抱かれてからがいいの」
はるみ(24歳)妹
ちなつ(22歳)妹
かなえ(26歳)女医
まいこ(39歳)人妻
ゆり 女子学生
本編の一部を立読み
「お兄ちゃん……して!」
もどかしそうに叫ぶなり、千夏は四つん這いになって尚人を見た。
妖しく潤んだ瞳の奥に、言い知れぬ哀しみが漂っていた。
もし俺たちの間に性的な関係がなかったら……。
そのことが尚人の頭をよぎった。
いつまでもずっと、まともな兄妹でいられたのではないか。それとも脱皮できない虫のように、いつまでもうじうじともがき苦しんでいたのだろうか。いつかは離ればなれになるとしても、もっと自然の流れのままに任せておくべきだったという声が、頭の片隅で聞こえる反面、少なくとも藤崎家の兄妹にとってはこれが自然の流れなのだという声もした。
「お兄さん。約束したでしょ。なにも考えないって」
尚人は、千夏の勘の鋭さに舌を巻いた。
背後にまわってヒップの双丘の合わせ目を見た。皺々のアヌスのすぼまりは、さらけだされたことを羞じるように小刻みに震え、パックリ前に向かって割れた分厚い陰唇の合わせ目からは、濡れそぼった肉襞のひとつひとつが、生きた貝さながらに蠢いていた。
可愛い妹が展開する淫らな構図は、たちまち尚人から兄という仮面を引き剥いで、抑えきれない欲望を抱く一人の男に変身させた。
可愛い妹……。
それが今、羽ばたこうとしていた。永遠に手の届かない誰かの庇護の下に入ろうとしていることに人生を感じた。
もう触れることのない濡れた下半身の唇に手を触れると、すっかり成熟したヒップが揺れ、喘ぐようにひくつく亀裂から多量の潤滑油が噴きこぼれた。
唇を押しつけずにいられなかった。
いかにも心地よさそうな喜びの声が、澱んだ空気を切り裂いた。
千夏は隠しようもなくうねってしまう下半身を、ぐいぐいと尚人の顔面に押しつけた。すでにいっさいの思考力が欠如して、欲求だけを追う貪欲な女になっていた。
快感を追う仕草は強烈で、その淫らさに、尚人はかえって自分のもとを離れていく妹の気概、覚悟のほどを痛いくらいに感じた。まさしくこれは決別の宴だった。
「きて……きて、早く……お兄さん、すべてを忘れさせて」
中腰に構えた尚人は、握りしめた肉棒を肛門間近のひくつく秘孔にあてがった。それだけで感じるのか、千夏は柔軟に背中を反らして、大きく張りだしたヒップを左右に振った。
タイミングよく尚人が突きだすと、女の肉襞は待ちかねていたように奥へ奥へと誘った。