本販売日:2001/05/23
電子版配信日:2009/07/31
本定価:545円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-1037-4
「ママ、ぼくを咥えていつものように呑んでみせてよ」
熟れた女体がひざまずき、青い剛直が朱唇に消える。
母への憧れを双子で瓜二つの叔母に癒してもらう日々。
今夜も早紀子の不埒な淫戯に溺れるつもりだった。
しかし、舌を絡め奉仕する熟女の正体は、実の母……。
陽司が迷いこんだのは、双子姉妹が織りなす倒錯の楽園。
さえこ(35歳)実母
さきこ(35歳)叔母・伯母
りか 女子学生
本編の一部を立読み
母が我が子の肉茎を咥える。はたから見ればおぞましい世界であっただろう。常識とか道徳とかいう物差しで測れば、あまりにも世間からかけ離れたものであったに違いない。だが、沙絵子にとってみれば、むずかる乳児に乳を与えるのと同じことで、息子の欲求を満足させてやりたいという見地からすれば充分に納得できるものだった。
この役割は、早紀子がなすべきものではなく、本筋からいっても、母親である自分がやるべきだと強く思った。その役割を果たしていることに、これまでにない喜びを感じた。
そのうえに、性的な歓びも加わった。しかしこれはあくまでも第二義的な付加物であるという認識を抱いた。
とはいえ、その二義的なものの比重は、沙絵子本人が思っている以上に、彼女の肉体に大きな影響を与えていた。それは言い換えれば、快楽の大きさ、深さであった。
悟との夫婦生活が疎遠になっていることで感じることもあったろうが、早紀子から取り戻せるかもしれないという喜びと自信が大きな要因となっていた。
太いペニスを咥えながら、喜びに浸り、実感として受けとめた。それが濃厚な愛液となって膣口に溢れた。むず痒さも尋常ではなかったから、ついつい我れを忘れて両脚をよじり合わせ、股間の筋肉を何度もキュッキュッと締めつけた。
だが、もうとてもそんな通りいっぺんの手段ではおさまりがつかない状況にまで追いこまれていた。孤閨に悶々としてきた女のセックスは、あの充実した長大な一物を求めて、震えっぱなしだった。
官能にのめりこんでいく自分が愛おしかった。できることなら、咥えているものを膣口に迎え入れたかった。
しかし、陽司の息遣いがせわしくなり、まるでセックスするように腰やヒップを振るようになると、一刻も早く満足させてやりたいという母心が生まれ、同時に女としての歓びも感じた。
「あっ、出そう!」
低く唸った陽司が、にわかに全身を硬直させた。
男のそういう姿が、なにを意味するのか、結婚生活が十数年に及ぶ沙絵子にはわかっていた。本能的に肉茎を吸い、支え持った右手で表皮をグッと剥くようにして根元にしごきおろした。
のけ反った陽司の白い喉が、暗がりのなかでもはっきり沙絵子の瞳に灼きついた。
直後、おびただしい量の男のエキスが、口のなかに飛び散った。猛烈な勢いだった。あわててゴクゴクと呑みこんだ。
吐射液は何度も何度も激しい勢いで喉を直撃した。その量の多さが、我が子の欲求の強さであると同時に、歓びの深さだと思うと、一滴たりともこぼしたくなかった。窒息してもかまわなかった。夢中で呑んだ。
これは沙絵子にとって新しい試練であるとともに、未知の世界へのスタートの瞬間でもあった。
陽司のおこりにも似た激震が次第に穏やかになり、やがてすっかりおさまると、口のなかの肉茎も急速に萎縮し、信じられないほど可愛らしくなった。舌先を先端に絡めて、未練げに滲みでる残滓まで綺麗さっぱり舐めきると、涙が溢れた。
母としての充足した涙にほかならなかった。それを息子に知られたくないので、暗がりのなかで涙を拭いた。
バストのあたりにまたがっていた陽司が、欲望を出しつくした満足感と疲労感で、沙絵子と並ぶように横たわった。そのまま眠りそうな気配だったのでそっとしておくことにしたが、正直なところ、沙絵子の亀裂とその周辺はドロ沼のように濡れそぼっていた。このまま陽司が眠ってしまえば、それを見届けてから女性用大浴場へ行って、汚れきった股間を洗い流すつもりだった。
でも……。
それで我慢できそうもない。深夜の大浴場で、ひっそりと慰めるだろうという気がした。いや、そうしなければ、とても眠れそうになかった。