本販売日:1993/04/23
電子版配信日:2011/03/11
本定価:535円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-0486-1
我が子のためなら母はどんな犠牲も厭わない。
だが、よもや担任教師が肉体を要求しようとは……。
放課後の教室、欲望も露わに襲いかかる担任は、
若すぎる生徒の母から着衣を引き毟った!
泣き叫んで抗い、必死で股間を隠す貴和子。
夕べ息子がつけた恥丘の愛印は見られたくなかった……
きわこ(36歳)実母
あやみ(23歳)婚約者
本編の一部を立読み
「奥さんの相手をする幸せな男がわかったよ」
工藤がベッドカバーと掛布団を一気にめくった。
「あっ……」
ベッドに散乱する物体を見た貴和子は、思わず悲鳴をあげて後ずさった。視界に飛びこんできたものは、コンドームがかぶさったままの性具や、貴和子が昨夜慎也の手で脱がされたパンティだった。
昨夜展開された慎也との甘美な官能の世界が、脳裏に浮かんで消えた。
「まさか、こんなものを慎也君が一人で使うわけがないし、このパンティは……」
工藤はパンティを掴むと、まるで匂いでも嗅ぐように顔の前で振った。
「奥さんが、学校に来た時にはいていたものだ。つまり、奥さんと慎也君は、昨日、あるいは今朝方、このベッドの上で……」
「やめて!!」
貴和子はパンティを引ったくると、ベッドの上に散らばったものをかき集めようとした。しかし、後ろから工藤に抱きつかれて自由を失った。拒む力など、もうどこにも残っていない。
「ぼくは奥さんだけじゃなく、大事な息子の秘密まで握っている。いや、安心していい。ぼくは常識的な人間だから、他人に言い触らしたりはしない。少なくとも、ぼくと奥さんの間に、親しい友好関係が保たれている間はね」
裏がえせば、絆が切れた時には、何をするかわからないということだ。
貴和子は沈黙を守った。
「ぼくも、いろんな男女関係を見たり聞いたり、経験してきたが、近親相姦というのを現実に目の当たりにしたのは初めてだ」
貴和子にとって今この時間は、地獄に堕ちるよりも苛酷なものであった。うなだれるしかなかった。
「奥さんがビールの用意をしに行っている間に、覗かせてもらったんだよ。それにしても、予想以上の収穫があったのでびっくりしたがね」
敗者は耐えるしかない。貴和子は唇の端を、血が滲むほど噛んだ。これ以上の羞恥と屈辱が、世のなかにあろうとは思われなかった。
カンニングだけならまだしも、二人だけの秘密まで……。
もういかなる要求を持ちだされても、受け入れるしかない。奴隷のようにへりくだって、すべての要求を聞くだけである。
死ぬほどの恥ずかしさのなか、貴和子はまともに工藤の顔を見ることもできずにいた。
「寝ろよ。もちろん、素っ裸になってね」