フランス書院文庫アンソロジー 【八匹の生贄】君は奴隷になる運命だから

「く……ンゥッ！　いや……ぁっ」
　まだ誰にも侵入を許したことのない清らかな聖地が、雄の熱り勃った淫棒によって、押し開かれていく。処女肉が太く膨れ上がった剛直によって、メリメリと引き延ばされ、痛みという悲鳴をあげる。
「あ、アァッ！」
　咲依は黒板に両手で縋りつき、苦しげに顔を歪ませた。キスと口淫で、ぽってりと腫れた唇が、切なげに戦慄く。赤い舌を覗かせながら、咲依は引き攣った嬌声を喉奥から漏らした。
「くそ……っ。……食いつかれそうな締まりだな」
　深く呑み込まされた肉楔が、カリ首までずるりと引きずり出されると、ゾクゾクとした痺れが、背中を走り抜けていく。
「ふぁっ」
　思いがけない喪失感に、鼻先から熱い息が漏れる。咲依の反応に気づいた五十嵐は、そのまま蜜塗れの濡襞を、亀頭でグリグリと掻き回し始めた。
「入り口近くが好きなのか？」
　ざらついた襞が、求めるように収縮して、強く亀頭を締めつける。
「ひぃあッ、あ、ふ……っ。いや、……嫌。好きなもの……なんて、な……ンぅ……ン」
　時折、深く突き上げられ、感じやすい花芯が陰嚢に圧迫されて、疼きあがる。
　ふだんは薄い肉びらに隠された感じやすい部分は、もっと弄って欲しいのだと訴えるかのように、硬く尖って震えていた。
「男の味を覚えたら、奥でも、たっぷり感じられるようになる」
　五十嵐は、腰の振り幅を次第に大きくして、狭隘な膣洞を突き回していく。
　尻たぶと腰がぶつかる破裂音が静かな教室に響いていた。そこに、蜜襞を掻き回すグチュグチュという粘着質の音が混じる。接合部分からは、細かに泡立った甘蜜と、純潔の証が掻き出されていく。
「あっ、あっ、あっ。大きいの、突かないで……、ンンぅ、……あ、あぁ」
　咲依の膝はガクガクと痙攣してしまっていた。しかし、強靭な肉茎に力強く突き上げられ、膝を折ることができない。
　熱く太く脈動する肉竿に奥深くまで貫かれ、生理的な涙が零れ落ちる。
「……も……う……。許し……。はぁっ、はぁっ！」
　何度も何度も、激しく突き上げ、容赦なく引きずり出された。
　いやらしくグラインドする五十嵐の腰の動きが、次第にピッチを速めていく。
「ふぅ……っ、もう……、だめっ、だめぇ……っ」
　咲依は、もはや逃げることを諦め、黒板にしがみついたまま、硬く瞼を閉じて首をのけぞらせ、行為の終わりを願っていた。
　生贄にされた瀕死の羊のように、大人しくなった咲依に、五十嵐は息を乱しながら、告げてくる。
「はぁ……っ。処女やレイプは妊娠しやすい。……先生に、このまま出したら、どうなるんだろうな？」
　確かにどこかで、命の危険にさらされると、排卵が促されると、聞いたことがあった。
（このまま続けられたら、身籠ってしまう）
　──しかも、教師の身で、クラス担任をしている生徒の保護者を相手に。
「いやぁ！　……五十嵐さん。……お、お願いっ。抜いて」
　咲依は頭を左右に振り乱しながら、必死に訴える。きっちりとアップにしてあったまとめ髪は、乱暴な動きに堪え切れず、柔らかく波打ちながら、滑り落ちていく。
　黒板に縋りつく咲依の両手に、五十嵐は自分の手を重ねた。そして、左手の薬指に嵌めていた婚約指輪を、引き抜いてしまう。
（仁賀奈「いけにえ女教師」より）