兄嫁は二十八歳

著者: 高竜也

本販売日:1991/08/23

電子版配信日:2011/11/11

本定価:535円(税込)

電子版定価:660円(税込)

ISBN:978-4-8296-0385-7

六年ぶりに再会した兄嫁の美しさに、大樹は狂わされた。

姦りたい! 美登利さんをぼくの女にしたい!……

執念ともいえる青い欲望が、遂に実を結ぶ時がきた。

家族旅行の最中、兄が急用で帰京したのだ。

兄嫁が眠る部屋に忍びこんだ大樹の分身は、

熱く柔らかく優しい果肉を思い、猛り立っていた……。

登場人物

みどり(28歳)兄嫁

しのぶ(21歳)女子大生

あんり(20歳)女子大生

本編の一部を立読み

「お義姉さん、やっとぼくの指に馴染んだようだね。おつゆがこんなにいっぱい出てきたよ。ほら」

大樹が二本の指を胎内から引き抜いて鼻先へ近づける。さすがに美登利は、いたたまれない恥ずかしさと屈辱感に打ちのめされた。

「気持ちいいんだね。おつゆがちゃんと証明してるもの」

自信たっぷりな義弟の言いように、美登利は、あなたの言う通りなの、気持ちよくってたまらないの、もっとして……と言えたら、どんなに気分がすっきりするだろうと思った。しかし、それは死んでも言ってはならない言葉である。

「こんなことが知れたら、何もかもが壊れてしまうのよ。私とあなただけじゃないわ。この百瀬の家のすべてが……」

「だったら、早いとこすましちゃおうよ」

「ああ……」

美登利は絶望的な声をあげた。けれどもまだ妥協するつもりはなかった。

「お義姉さんがお嫁に来たときは、綺麗な人だとしか思わなかった。でも、ブラジルから帰ってきたときは、正直、胸が痛くなったよ。女として最高の人だと思ったさ。その気持ちが高じたら、もう歯止めがきかなくなってしまったんだ。ぼくは今、悪魔になってる。お義姉さんを抱けるなら、悪魔に魂を売ってもかまわないと思ってる」

「私まで道連れにするのね。あなたは恐ろしい人だわ」

「そうだ! 悪魔なんだから」

大樹は苛々したように叫ぶと、手早くズボンとパンツを脱ぎ捨てた。

もはや逃げる気力は、美登利に残っていなかった。破れたパンティの無惨さは、まるで美登利そのものを象徴しているかのようだった。

気力は残っていなくても、説得すればなんとかなるはずだと思ったとき、大樹の手が露出した下腹を撫でながらずりあがってきた。共布のバンドと、前ボタンをはずされると、ワンピースの前面は左右にはだけ、残っているのはレース地の多いブラジャーだけとなった。

ブラジャーの裾をずらした大樹は、はみだした二つの乳房を愛撫しながら、剛棒を太腿に押しつけ、その存在をことさら知らしめるようにいやらしく腰を振った。

美登利は頑なに心の扉を閉じていた。しかし体のほうは、あちこち撫でまわされるうちに少しずつ反応し、かすかな欲情が女の中心から湧いてきた。

いけないことなのに……。

そう思っても、自分ではもはやコントロールできないところまできていた。肉体だけでなく、冷静でなければならない頭の芯まで痺れてきそうだった。何もかも相手に呑みこまれたら、完全に負けである。

「梅子さんが……来るかもしれないわ」

梅子が歌舞伎座に出かけたことなど露知らない美登利は、彼女を引き合いに出して、大樹の攻撃から逃れようとした。

「だったら早いとこ力を合わせようよ」

大樹の体がずりあがって、美登利のバストのあたりにまたがった。

まさか、この人……。

美登利は、顎の近くでひくつく怒張に恐怖心を抱いて、顔をそむけた。

「しゃぶってくれないか……口でさ」

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