ついに訪れた「メイド真白との初体験」、そして無謀な「帝都遠征」!
本家お嬢様リーティアを子作りのため戦場に伴っていた俺は、
彼女を無事に逃がすべく、敗北下の撤退戦の指揮を執ることに……
「必ず生きて帰ると約束して!」懐妊したツンデレ貴族令嬢の涙が
俺に力を与えてくれる! 孕ませエッチも権謀術数も戦の駆け引きも、
ますます佳境! 唯一の抜きん出て並ぶものなきノクターン最強戦記!
(文庫換算260ページ)
もくじ
【朝の出来事】
【初めての夜①】
【初めての夜②】
【いざ帝国へ】
【開戦】
【帝都遠征中】
【当主様との夜会】
【役目が終わるとき】
【もう一つの役目】
【撤退戦①】
【撤退戦②】
【逃げる準備と甘えるお嬢様】
【甘える彼女と面倒な俺 前編】
【甘える彼女と面倒な俺 後編】
【番外編 心の変化】
リーティア 令嬢
真白 メイド
本編の一部を立読み
「……好きよ」
「え?」
そんな返事がこぼれ落ちた。今、お嬢様が俺のこと好きって言った? というかついにデレたのか? このお嬢様が?
「最初は嫌いだったけど、相談に乗ってくれたり、王都とか今もそうだけどあたしのために頑張ってくれてるのも知ってるし……」
「あの、それって……」
「だからって訳じゃないけど、なんて言うか……うん」
そして恥ずかしそうにしつつも、はにかんだ笑みを浮かべながら、お嬢様は告げてきた。
「好き、あんたが好きよ」
そう、しっかりとした眼差しで見つめてくるお嬢様に対して、今度は俺が答えに窮する。というか今さら素直になられたところで俺は……。
けれどお嬢様の表情は真剣そのもので。というかどこか熱っぽい吐息に、潤んだ瞳やベッドのシーツの下で絡みついた足からかすかに伝わる脈動が、お嬢様の好意に現実味を持たせてくる。
嘘だったと、冗談だったと躱すことはなんとなく違う気がするし、なによりこんなに真剣に真面目に素直に答えてくれたお嬢様に、ちゃんと俺も向き合わないと駄目だろ。
ゴクッと息を呑む音がハッキリと聞こえてくるほどの静寂の後、改めて聞こうとした瞬間。
「……なんて言ったらあんたはどうする?」
「へ?」
にやにやと人の悪い笑みを浮かべながら、そう呟いた。
「あはは、あたしがあんたに好きって言うわけないでしょ。いつもの仕返しよ、ばーか」
「なっ!?」
ハメられた!? というかめちゃくちゃ楽しそうに罵倒してくるんだけど、このお嬢様!?