人妻大奥

著者: 八神淳一

本販売日:2011/04/10

電子版配信日:2013/10/11

本定価:713円(税込)

電子版定価:770円(税込)

ISBN:978-4-8296-8117-6

仕えるは美しき人妻三千人! 七代将軍・家継の御

代。「人妻大奥」ではお世継ぎを巡り、天英院派と月

光院派の間で激しい権力争いが繰り広げられていた。

本所の裏長屋で愛する夫と幸せに暮らしていた美緒

は大奥での奉公を命じられる。馴れない性技を覚え、

数々の謀略とおんなの戦いに勝ち抜いていくが……

八神淳一が斬新な視点で描く新説・絵島生島事件!



<もくじ>

第一章 裏長屋の美人妻



第二章 命じられた湯女



第三章 良人(おっと)に詫びながら



第四章 仕掛けられた罠



第五章 夫婦(めおと)の絆



第六章 運命の絵島事件



第七章 詮議の間



第八章 将軍の妻

登場人物

みお(28歳)人妻

ふじの 人妻

えじま(30歳)人妻

ちよ 未亡人

本編の一部を立読み

「あっ、ああっ……ああっ……」

物音一つしない御小座敷に、美緒の甘い喘ぎ声だけが流れている。

それは藤乃のような淫らさはなかったが、耳にする男の躰も女の躰も熱くさせる、なんともそそる艶があった。

実際、青ざめていた絵島の美貌に赤みが差していた。きりりと閉じていた唇が、いつの間にか半開きとなっている。

心の臓が止まりそうな緊張が解けた間部も、熱い眼差しを絵島の横顔に向けている。

「ああっ、ああっ……あんっ……はあっ、あんっ」

突かれるたびに、美緒が甘い喘ぎを洩らしている。

「ああ……なんともいい声で泣くのう、美緒」

「ああ、上様……」

間部は絵島を抱き寄せていた。絵島は嫌がらず、間部の胸元に躰をあずけてきた。甘い匂いがうなじより薫った。

「ああ、ああっ……ああっ……上様……あっ、あんっ」

間部は絵島のあごを摘み、美貌を上向かせた。絵島は間部を見つめ、そしてそっと長い睫毛を伏せた。

「ああ、美緒……」

家継の息が荒くなっている。

間部はたまらず、絵島の唇を奪った。半開きだった絵島の唇が閉じ、ぴくっと、打ち掛けに包まれたやわらかな躰が硬直した。

がすぐに、絵島の唇が開いていった。間部は舌を滑りこませ、絵島の舌にからめていった。

「ああっ、ああっ……」

美緒の喘ぎ声が切羽詰まったものになっている。

「ああ、いい声じゃ、美緒、ああ、いい女陰じゃ、美緒」

「上様……ああ、美緒……美緒……恥をかいてしまいそうです……」

「気をやるというのか、美緒」

「は、はい……」

美緒は濡れた瞳で、本手で突いている家継を見上げた。

「勝手に気をやってはならぬぞ、美緒」

「はい……上様……」

政吉さん、ごめんなさい……ああ、私……ああ、上様の御魔羅で……ああ、気をやりそうなの……ああ、ゆるして、政吉さん。

「ああ、わしがいくまで……ああ、勝手に気をやるのは……ああ、ゆるさぬぞ、美緒」

「は、はいっ……あ、ああっ……上様っ……美緒、美緒……ああ、い、いくっ」

頭が真っ白になり、美緒は家継より先に気をやった。

が、すぐに、家継が、おうっと吠えた。

「あっ……いくいくっ」

上様の飛沫を子宮に感じ、美緒は続けて気をやった。

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