仕えるは美しき人妻三千人! 七代将軍・家継の御
代。「人妻大奥」ではお世継ぎを巡り、天英院派と月
光院派の間で激しい権力争いが繰り広げられていた。
本所の裏長屋で愛する夫と幸せに暮らしていた美緒
は大奥での奉公を命じられる。馴れない性技を覚え、
数々の謀略とおんなの戦いに勝ち抜いていくが……
八神淳一が斬新な視点で描く新説・絵島生島事件!
<もくじ>
第一章 裏長屋の美人妻
第二章 命じられた湯女
第三章 良人(おっと)に詫びながら
第四章 仕掛けられた罠
第五章 夫婦(めおと)の絆
第六章 運命の絵島事件
第七章 詮議の間
第八章 将軍の妻
みお(28歳)人妻
ふじの 人妻
えじま(30歳)人妻
ちよ 未亡人
本編の一部を立読み
「あっ、ああっ……ああっ……」
物音一つしない御小座敷に、美緒の甘い喘ぎ声だけが流れている。
それは藤乃のような淫らさはなかったが、耳にする男の躰も女の躰も熱くさせる、なんともそそる艶があった。
実際、青ざめていた絵島の美貌に赤みが差していた。きりりと閉じていた唇が、いつの間にか半開きとなっている。
心の臓が止まりそうな緊張が解けた間部も、熱い眼差しを絵島の横顔に向けている。
「ああっ、ああっ……あんっ……はあっ、あんっ」
突かれるたびに、美緒が甘い喘ぎを洩らしている。
「ああ……なんともいい声で泣くのう、美緒」
「ああ、上様……」
間部は絵島を抱き寄せていた。絵島は嫌がらず、間部の胸元に躰をあずけてきた。甘い匂いがうなじより薫った。
「ああ、ああっ……ああっ……上様……あっ、あんっ」
間部は絵島のあごを摘み、美貌を上向かせた。絵島は間部を見つめ、そしてそっと長い睫毛を伏せた。
「ああ、美緒……」
家継の息が荒くなっている。
間部はたまらず、絵島の唇を奪った。半開きだった絵島の唇が閉じ、ぴくっと、打ち掛けに包まれたやわらかな躰が硬直した。
がすぐに、絵島の唇が開いていった。間部は舌を滑りこませ、絵島の舌にからめていった。
「ああっ、ああっ……」
美緒の喘ぎ声が切羽詰まったものになっている。
「ああ、いい声じゃ、美緒、ああ、いい女陰じゃ、美緒」
「上様……ああ、美緒……美緒……恥をかいてしまいそうです……」
「気をやるというのか、美緒」
「は、はい……」
美緒は濡れた瞳で、本手で突いている家継を見上げた。
「勝手に気をやってはならぬぞ、美緒」
「はい……上様……」
政吉さん、ごめんなさい……ああ、私……ああ、上様の御魔羅で……ああ、気をやりそうなの……ああ、ゆるして、政吉さん。
「ああ、わしがいくまで……ああ、勝手に気をやるのは……ああ、ゆるさぬぞ、美緒」
「は、はいっ……あ、ああっ……上様っ……美緒、美緒……ああ、い、いくっ」
頭が真っ白になり、美緒は家継より先に気をやった。
が、すぐに、家継が、おうっと吠えた。
「あっ……いくいくっ」
上様の飛沫を子宮に感じ、美緒は続けて気をやった。