「わたしをこれ以上、見ないでっ、んっ」
S級捜査官・綾香の秘唇に埋め込まれる剛直。
私生活でも深い仲の女バディ・絵里花の眼前で、
しなやかな裸身を震わせ、恥辱の敗北絶頂を……
拘束凌辱、肛虐拷問、電流処刑、徹底輪姦……
肉調教の果て、二匹の牝豹が辿る美牝の運命!
(文庫換算 292ページ)
もくじ
第一章【牢獄】陸奥アパッチ砦
第二章【崩壊】綾香が崩される
第三章【暴虐】絵里花も責められる
第四章【陥落】アヌスを蹂躙される
第五章【大詰】電気処刑器
エピローグ
綾香 女捜査官
絵里花 女捜査官
本編の一部を立読み
突然訪れた空白みたいな十数秒はつかの間の凪、あるいは台風の目のようなものにすぎない。本番の暴風はその直後に襲いかかってくるのだ。
「……うううっむッ! ……うううむううッ……ッッ!」
あの短い静寂は今や綾香のうめき声に完全に破られていた。うめき声は繰り返されるが、しかし、早くも弱いものになっていく。声を絞り出す体力そのものをここまでの三十分近い責めで奪われていたようだ。人一倍スタミナを持っていたはずのS級捜査官の綾香でさえそうなるほどの責めがここまでの三十分間おこなわれていた証しだろう。タンクトップの坊主頭はどこまで我慢強いのか、どうやら綾香が今つづけている絶頂緊縮にもまだ持ちこたえているようだ。綾香の膣の締まりのよさは絵里花の指がよく知っている。あの締めつけに耐えているのなら、こいつは驚異的なまでの耐久力の持ち主ということになる……!
「うへへへ。やべえくれえに締めつけいいけど。おれはまだ出してねえぜ。にしてもたまんねえなあ、おねえちゃんのおま×こ。特に中の方なんか粒立ったぷつぷつが密集していやがるんだよ」
「ゆ……許して……もう、終わらせ、て……くぅううむッ……だ、だ、出していいから……どうか、許して。終わらせて……いいから。出して……うぅうむッ」
とうとう、許して、とまで綾香が口にしていた。出して、とまで口にしていた。信じられない思いでいっぱいになる。あの強い綾香にそこまで言わせるだなんて、どれだけ強い膂力の持ち主なのだろうか。絵里花は戦慄を覚える。あるいは、とも思う。精子生産増大症とかいう病いは遅漏症を併発しているのではないか。それとも思いのままに射精をコントロールできるのだろうか。
「かちこちになった綾香さんのおひなさまの感触、たまらないねえ」
ようやくクリトリスから口を離した痩せぎすの中年女は、今度はあお向けの綾香の髪の鎖を握って引っ張りながらその汗まみれの美顔を見下ろし、詰問する。
「さあて。終わらせて欲しいのなら、アタシと話し合うかい? アタシの提案、聞いておくれかい?」
顔を寄せ、耳元から息を吹き込むようにしながら、どうなんだい? と畳みかける。頭を撫でたり、首すじをひとさし指の先で、つーっとなぞったり、その手をまたおっぱいに伸ばして、乳首をつまんだり。やりたい放題だ。そうされることでいっそう降りてこられなくなってしまうようで、綾香はいまだに痙攣の発作に身を任せて、あごを、肩を、お尻を、膝を、ぶるっぶるっ、ぶるっぶる、と震わせている。硬直しきった腰も無論同様だ。鞭で打たれたり蝋を垂らされたりした痛々しい痕跡などはもう大量の脂汗で目立たなくなっている。
「……くうぅううむっ……から、だ、ま、だ……うぅううむッ……ッ」
「どうなんだい。答えな」
あごをつまみ、自分の方を向かせて女支部長がそう尋ねるのだが、綾香にはまだ口をきく余裕などないようだ。破裂しそうなほどにふくれ上がっている苺果実型乳頭を指で擦られるだけでも、「ひっ、ひっ……!」とうめきは洩らすし、弱々しく身をよじらせもする。腰も背中も寝台から浮かせたままでだ。でもそれだけ。ことばらしいことばは満足に出せないでいるようだ。ただただむなしく、反り返ったままの肢体をひくひくと強痙攣に委ねながら、くやし涙を流しつづけている。
「わたしっ、まだっ……くぅむッ……むふぅむッ!」
噴き上がるうめき声だけがまた勢いを取り戻したように絵里花には見えていた。持続型硬直性絶頂に見舞われた際の綾香が絵里花にも見せたことのあるイキ方だ。声を噴き上げるたびに身体は反り返ったままさらに弾んで、汗のしずくを飛ばす。たしかに綾香は一度イクと長い方ではあったけれど、それにしても、ここまで長くイキつづける綾香など絵里花は見たことがない。もう、かれこれ三十秒あるいは四十秒はイキつづけている。
(そ、そんなに、気持ちいいの、綾香? あたしじゃないのに。男なんかに、あんなに雑そうで乱暴そうな男なんかに深々と抉られて、そんなにつづいちゃってるの……?)
巨漢に深々と嵌められ奥を責められているというだけではない。女支部長の巧みな愛撫責めが加わっているせいで、より綾香は絶頂感に責め苛まれているのだろう。
たとえそうであったとしても絵里花が今感じている、恋人を眼前で男なんかに奪われていくのを見させられている嫉妬の重さと絶望の深さは変わらない。恋人は絵里花の眼前で肉体を奪われているだけではない。イカされることで矜持まで奪われている。
汗ばんだ肌に筋肉のかたちを浮き上がらせ、息ができなくなったかのようなつらそうな顔を見せながらも、綾香の肢体はあきらかに悦びの痙攣にぶるぶる、ぶるぶる、と打ち震えている。食い込まされた肉棒はおそらくきゅうきゅうと締めつけられていることだろう。
(綾香の身体が男なんかと一つに溶け合ってしまっている……っ)
「うおおお、たまらねえぜっ、ようし、おれもイクぜっ。構わねえっすよね、支部長?」
「もちろんだわ、双龍。アンタの強いザーメンで綾香さんを思いっきり穢しておやり。うふふふ」
ありがてえっとわめくとタンクトップ姿の巨漢はまた綾香の腰骨のあたりをしっかりと掴み直し、一ミリも動かせないように固定し、自分の腰や尻をぶるッぶるッと震わせ始めた。放出を始めたのだ。遅漏というわけではなくやはり意志の力でコントロールできるのだろう。どくッ、どくッという音まで聞こえてきそうなほどに下腹部や腹を震わせている。ビール瓶を思わせるあの巨根が膨張しきったまま綾香の狭い粘膜肉の中で放出を繰り返しているのに違いない……。 「このおねえちゃんもまだイッてやがる。イッてる時のこいつのおま×こ、たまんねえぜっ。ぷつぷつの散らばったこまかいひだがからみついてきやがるし、入口の引き締まりもすげえや……っ!」 たしかに綾香もまだのぼりつめた高いところから降りてこられてはいないようだ。どこか恍惚としたようなまなざしをこの狭い部屋の天井に向けたまま、背すじも腰もまだ浮かせたままで、まるで巨漢の噴出のどくッ、どくッ、という腰や腹の動きのリズムに合わせるかのように、粒立ちの豊かな媚粘膜を備えた下腹部をびくっ、びくっと繰り返して宙に跳ね上げさせ、無念そうに涙を流している。
(ああっ。あたしの綾香が男なんかに、出されてる……穢されてる……!)
それもイカされながら!
絵里花まで泣きたくなってきた。
胸が締めつけられるように痛む。
恋人の身体がただよごされていくというだけもつらいのに、女である自分にはできない射精という動物的な行為を受けることで綾香がどうやら高いところからさらにもう一段階高いところにまで持ち上げられてしまい、なかなか元に戻ってこられなくなっているらしいという事実が、絵里花の胸をきりきりと絞り上げてくる。
それでもようやく。
「……はあっ、はああっ、はあっ……」
望まぬアクメが終わったようだ。
息を切らし始めたかと思うと、浮いていた綾香の背中と腰が突然、力尽きたかのように、ぱたっと寝台の上に落ちた。
巨漢が支えていた手も離れていた。
ただし、まだ挿入はされたまま。だから綾香の汗ばんだ下腹部は巨漢の下腹部に繋がり、引っ張られたかたちでなかば宙に浮いている。 「あ……ま、だ……あ。あ」 勝ち気そうな瞳の持ち主は、強い余韻に見舞われているようだった。 額や頬はもちろんのこと、それどころか全身を脂汗で濡れ光らせ、肩を、お腹を、腰を、太ももをいまだ遠ざかりきらずに滞留しつづけているらしい性の愉悦を噛みしめるかのごとく、ひくひく、ひくひく、とおののかせている。 巨漢の逸物を深々と咥え込まされたままの陰肉のとば口は締まりのよさをアピールするかのようにぴったりと相手に張りつき、しかもしなしなと痙攣めいた震えをまだつづけている。膣口だけではないのだろう。粘膜輪の中身も同じようにわななきつづけているに違いない。その証拠に巨漢がいやに気持ちよさそうな顔を見せている。
「う……あ。あ。まだ。まだ」
まだ、まだ、と綾香がことばを洩らすたびにその腰が、見ていて痛々しさすら覚えるほどに、びくっ、と何かの発作を起こしたみたいに震え、瞬間、跳ね上がる。と同時に、えもいわれぬ快感に見舞われているとしか思えないとろけた表情を、これも一瞬だがたしかに見せるのだ。
(ああ……あんな顔……あたし、見たことあったかしら……?)
これまで綾香とつき合ってきて、自分は一度でも綾香からあんな顔を引き出せたことがあっただろうか……?
(綾香。男に穢されたのに、どうして、あんな顔を……あたしより、そんな奴の方がいいの……? そんな奴に貫かれた方が綾香はいい気持ちになるの……?)
奪われたという失意と喪失感は、いつの間にか恋人に対する不信感や怒りに姿を変えつつあった。 巨漢はまだ深く埋め込ませたままでいる。
女支部長が綾香の女子の宝珠から口を離したのをいいことに、またごしゅごしゅと傍若無人に動かし始めた。
「ううっ。なんだ、こいつ。少し動かしてやるだけでも、いやに素直に、ヒクヒク締めつけてきやがって。こりゃたまんね、おれまた、イクわ」
絵里花がひそかに抱いていた遅漏疑惑を払拭するかのように巨漢はまた気持ちよさそうな顔になり、おぅ、おぅ、とうなり始める。まるで綾香の「あ。あ。まだ。まだ」ということばに合わせるみたいにして噴出させているようだった。これには、つかの間覚えてしまった綾香への不信感や怒りもたちまち霧消して、
(だめ! そんなに何度も、あたしの綾香をよごさないでよお……!)
と考えずにはいられなくなる。
大男は、しかし、そんな絵里花の願いを無視するかのようになおも数回、ぶるんぶるんと腰を震わせた。