「あなたたちみたいなケダモノには絶対負けない」
金曜日の学舎、人妻教師を待っていた六人の青狼。
牝豹のようにしなやかで気高き女体に訪れた絶体絶命の危機。
守るべき女子生徒とともに徹底的に辱められ嬲られつくし、
闘い抗いつづけた香澄の唇から、ついに屈服の喘ぎが……
草飼晃の伝説的大長編──「悪魔の書」ここに降臨!
(文庫換算 627ページ)
(本作は『女教師は六度犯される』(フランス書院ハードXノベルズ)を改題し、再構成したものです)
●もくじ
第一章 狂い始めた学園
1 四匹の青狼
2 絶体絶命
3 遅れてきたヒロイン
4 剥かれた牙
5 乳房披露
第二章 狙われた凛々しい肢体
1 逆襲の時
2 不良たちの逆恨み
3 学園長室で
4 夫の要求
第三章 女教師、野獣の巣へ
1 呼び出しの手紙
2 野獣どもの窖
3 取り上げられるブーツ
4 危険な約束
5 艶麗な肢体
6 とまどう女教師
第四章 突きつけられた強制自慰
1 次なる命令
2 屈辱のショー
3 懊悩と狼狽
4 交換条件
5 はかない反撃
6 交換条件破棄
第五章 哀しすぎる連続口唇奉仕
1 無惨な輪姦
2 多勢に無勢
3 かなわぬ願い
4 哀しい覚悟
5 束縛される腕
6 青獣たちへの畏怖
第六章 おぞましき姦淫授業
1 絶たれた希望
2 六人目の一年生
3 輪姦の始まり
4 香澄の計算
5 開陳される媚肉
6 貞節喪失
第七章 崩壊していく二十八歳の美肉
1 転落の兆し
2 襲いくる波濤
3 淪落していく肉体
4 撒き散らされる精液
5 美尻の宿命
6 指責め
第八章 屈服と哀泣と絶頂と
1 抵抗の果て
2 這いまわる魔手
3 女体姦落
4 完全なる敗北
5 蹂躙される果肉
6 過酷な責め
第九章 輪姦の果ての地獄
1 復讐の淫具
2 甘美なる絶頂
3 瞳の輝き
4 征服の美味
5 終わりのない饗宴
第十章 女教師と六匹の青狼
1 声なき絶頂
2 落花微塵
3 獣性の濁流
4 黒い水底
本編の一部を立読み
「あなたたち。どうなるかわかってるの。こんなことしてどうなるかわかってやっているの……?」
色は抜けるように白く、薄青い血管の線をかすかに何本か透かしている。
きつめのワイヤーで無理やりその張りのよさを押さえこもうとしていたためか、乳房の実りと細い胴との境い目や、そこから背中へ向かう胴体の横の部分に、締めつけられていた跡が赤く残っていた。
やわらかそうな豊乳や肢体にはっきりと記されているその跡が緊縛を連想させて、野獣たちの嗜虐心を刺激してしまっていた。
誰も香澄の質問には答えない。
へへッとパンチパーマが笑った。
「勃ってるじゃねえか、乳首」
確かに、豊かすぎる胸の先の桃色の突起は勃ち上がっていた。ブラジャー越しにねちねちと胸を揉まれたせいだろう。
乳暈は大きいが彩りが薄く、乳房の白い皮膚から自然なグラデーションになっている。ふくらみ方もそこはゆるやかで、肌の色が少し変わっていてこまかなこまかな粒のようなものが点在している程度だ。
その淡さ清楚さに比べて中心のつぼみは色も濃く、しかもプックリとふくらんでその身を勃ち上げている。
(く、くやしい……ッ)
パンチパーマは、ざまあ見ろと言いながら、ざらざらした指腹でそこを挟み、シコシコと擦り上げ始めた。
「ばっ、ばかなことはやめなさ……」
とたんにビリビリと痺れのようなものが胸の奥の方に流れこんできた。香澄はウッとうめいて眉をひそめる。
相撲部屋に先ほどからずっと舐められている足の指からも、いつしか不快感以外のものが腰の芯につたわってきている。
ほとんど自覚もないままに、腕や太ももが小刻みに震え出していた。
こんな男子生徒たちなど別に怖くもなんともない、と気持ちではまだそう思っているのに、身体は勝手にぶるぶるとわななき始めているのだ。
「先生って、セクシーなかたちのくちびるしてるよねえ」
坊主頭サングラスが指で香澄の上くちびるの内側をなぞった。
色の淡い薔薇の花びらのようなそこが、不良の指で荒っぽく擦られる。
「い、いやッ」
香澄は反射的に頭を動かしてその指から逃れようとした。
かなり敏感な性感帯だったのだ。
しかし頬に平手打ちがやってきた。
そいつは怯んだ香澄のあごに手をかけてから、もう一方の手の指でふたたびそこをなぞり始める。
口の中に侵入してくれば噛んで反抗することもできたろうが、相手はそうはしてこなかった。くちびるをめくり返しながら、くちびると歯茎の間に指を差しこんで擦り上げてくるのだ。
乳首をつまんで弄んでいたパンチパーマは息をいっそう荒くさせながら、豊かな乳房全体を揉み始めた。
ふもとからすくい上げるようにして実りの下半分をまさぐったかと思うと、次にはそのまま乳房の裏側ともいえるその部分をごしごしと擦ってくる。
腋の下から胸へとつづくゆるやかな皮膚のカーブに硬い手のひらを当てて摩擦してくる。
かと思うと乱暴に鷲掴みにもされる。
指が食いこむたびにやわらかい乳房がひしゃげ、離れるとまたプルンと元のきれいな球に戻る。
だがその表面は、うっすらと指のかたちに赤く染まり始めていた。
「お……お願い、許して」
自分でも気づかないうちに、香澄はそんな弱々しい哀願をしてしまっていた。
「はん、さっきのじゃじゃ馬ぶりはどこへ行ったんだよ」
刈り上げ金髪はいまだにしつこく、ショーツの上から香澄の下腹部を責めつづけている。
相手が教師で、しかも学園長先生の妻だということで、口では人妻デビューだとか言いはしても、やはり最後までことを進めてしまうのには躊躇があり、それゆえなかなか下着を剥ぎ取ることができないでいるのかもしれない、と香澄は思った。
それとも執拗な下着越しの愛撫で焦らせるだけ焦らそうとしているのか。
わからなかった。
「オラ、先生。たまらない気持ちになってきてんじゃねえのかよ、オイ」
唾液をぽたぽたとこぼしながら、刈り上げ金髪がそんなことばを浴びせてくる。
「気持ちいいんだろうが、オラ。もっと気持ちよくなりたくてたまんねえんだろ。腰をセクシーに動かしてるじゃんかよオ、先生」
そ、そんな、と香澄は思った。
腰やお尻が動いているのは、なんとかして指や手による暴虐から逃れようという気持ちの表れなのだ。
決して、もどかしくて自分から動いているわけではない。
香澄は自分で自分にそう言い聞かせるのだが。
「くう……うう」
四人がかりでの愛撫などもちろん受けたことはない。
髪やくちびるを、首すじや腋の下を、乳房や乳首を、脇腹を、足の指を、そしていつまでも布地を挟んだままで恥部を責めつづけられると、身体が意思を無視し始めているのを認めざるをえなくなってしまう。
愛情などかけらもこもってはいないのはわかりきっているのだが、それでもなお、四人分の指や舌での責めは強烈だった。
「なんだ、泣いてんのかよ、生意気先公のくせに」
くやしくて歯を食い縛ったが、涙腺のゆるみは食い止められなかった。
気持ちで否定したばかりのはずなのに、確かにはっきりと、もどかしさを自覚してしまっていた。
それをなんとかしたくて身体を揺すると、勝ち誇ったかのように不良生徒たちが揶揄の声を浴びせてくる。
「餓えてたのかよ?」
「おれたちに抱かれたいのかよ?」
(冗談じゃないわよ……っ)
こんな不良生徒どもに負けるものか、と香澄は思う。
婦警時代には違法駐車の取り締まりなど交通関係の仕事が多かったが、女性だということで、暴行の被害を受けた女性の聴取を任されたことも何回かあった。
その時の知識でいうと、大方の暴行犯人は刃物で脅しながら行為に及んでくるようだった。
それは今も同じだ。
ただし香澄が思っていたのとは、後は異なっていた。
香澄が事情聴取した限りにおいては、犯人の男性はたいてい、短時間で犯行を終わらせてその場を立ち去っていた。
自動車の中に強引に引きずりこまれてひと晩あちこち連れまわされながら暴行を受けた女性の場合でも、セックスにおけるいわゆる前戯のようなものは一切なかったと言っていた。
だから香澄はそういうものがすなわち強姦なのだと思っていた。
ところが。
こいつらはそうではない。
自分は一寸刻みに嬲り抜かれようとしている。
ショーツをなかなか剥ぎ取ろうとしないのは、躊躇しているからではない。じっくりとした責めを、こいつらは愉しんでいるのだ。
崩壊させてから貪り尽くそうとしているのだ。
不良生徒たちの粘っこくて冷酷そうな瞳の輝きから、香澄にはそれがわかった。
(こんな奴ら、許せない……)
ただレイプするだけのけだものももちろん許せないが、女性の精神を泥にまみれさせてからじっくりと暴行しようとしているのだとしたら、なおさら許せないと思った。
二十何回も犯行を重ねて、ひょっとしたら一度も訴えられていないのかもしれない、とも思った。
暴行されただけでも恥ずかしくて言い出せない女性は多いだろう。
ましてや感じさせられたなどということが明るみに出る可能性があれば、口をつぐんでしまうのも、いたしかたないかもしれない。
もしそこまで計算してこいつらがこういうことをしているのなら。
(絶対許せないわ……女性の敵よ)