ふたりの武家妻【美しき操】

著者: 北川右京

本販売日:2011/08/10

電子版配信日:2015/02/27

本定価:713円(税込)

電子版定価:770円(税込)

ISBN:978-4-8296-8121-3

剣術指南役の座をかけて試合に挑むふたりの浪人。

物陰から夫の必勝を祈る美鈴。勝利の末、城勤めの

日々を得たはずが、妻を待ち受けていたのは邪悪な

老中が仕組む淫らな罠だった。一方、敗れた武士の

妻・伊予にも哀しき運命が。奥座敷で、肉牢で、ど

れだけ辱められようとも、屈することなく「女の誇

り」を守り抜く、武家妻たちの凛とした生きざま!



<もくじ>

第一章 武家妻・美鈴と伊予



第二章 仕組まれた剣術試合



第三章 不貞の証拠



第四章 奪われた操



第五章 幽閉された武家妻



第六章 屈辱の拷問



第七章 非情なる命令



第八章 果たされた仇討ち

登場人物

みすず 人妻

いよ 人妻

あやの(34歳)人妻

本編の一部を立読み

「ど、どうぞ……ご、ご覧になって……くださいませ」

火のような屈辱の中、美鈴は稲垣におもねるように、か細い声でそう言った。

「わしに手をかけさせるというのか」

「申し訳ございませんっ、稲垣様……」

頭を下げると、美鈴は両手を剥き出しの恥部へと下げていった。そしてぴっちりと閉じている花唇に、白くて細い指を添えていく。

が、なかなか開けない。開けるわけがない。指が恥辱に震えている。

「どうした、美鈴どの。夫を仕官させたいのであろう」

なんという男なのだろうか。江戸家老という地位を利用して、女を食い物にするとは……武士として風上にも置けない男だ。

仕官するということは、このような下劣な男に仕えることを意味している。それで、夫は幸せなのだろうか。

「わしを怒らせるつもりかのう、美鈴どの」

「いいえ、そのようなことは……」

美鈴はぐっと唇を噛みしめ、縦の切れ込みを自らの指でくつろげはじめた。

女の粘膜がのぞいた途端、そこに、矢のような視線を感じた。

「いやっ……」

美鈴はすぐに花唇を閉じてしまう。

「広げたままでいるんだ、美鈴どの」

「は、はい……」

美鈴は再び、自らの指で割れ目をくつろげていく。

すると、桃色の花園があらわれた。色だけ見ると、とても人の妻とは思えない清廉さを感じさせた。

「これはなんとも美しい媚肉だ。浜崎どのが大切に扱っておられるのがわかるのう」

煙管を消し、稲垣が身を乗り出してきた。ぐぐっと顔を寄せてくる。

「あ、ああ……恥ずかしいです……ああ、そのようなところ……ああ……」

媚肉にじかに、稲垣の荒い息を感じた。

仕官と引き替えに、躰を望まれていると知った時、小半刻ほど、人形になればいいのだ、と思っていた。

が、現実は違っていた。そんな甘いものではなかった。

「もっと広げるのだ」

もちろん、夫の前で、自ら割れ目を開いて見せたことなどない。恐らく一生ないだろう。

はやく終わって……はやく嵐が通り過ぎて……。

美鈴は恥辱に耐えつつ、花園をあらわにさせている。

そこに、稲垣が顔を埋めてきた。

「あっ、なにを……ああ、なにをなさいますっ、稲垣様っ」

ぞろりと媚肉を舐められ、美鈴は目眩を覚えた。息をしているのさえ信じられない。

股間にしゃぶりつく稲垣を膝蹴りにして、ここから立ち去るべきであった。武家の女としての最後の矜持は守るべきであった。

が、夫の笑顔が浮かんだ。夫を悲しませたくない。夫は武士なのだ。朝顔の世話をする姿など、見たくない。

「ああ、うまいぞ。なんてうまい媚肉なのだ」

稲垣は喜々とした顔で、美鈴の媚肉を貪っている。

「あ、ああ……おやめください……どうか、おやめください……」

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