本販売日:1999/05/23
電子版配信日:2009/12/04
本定価:535円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-0890-6
見ては駄目だ。触れてもいけない。まして抱くなんて……。
全裸で横たわる未帆の美しき裸身を前に苦悶する弟。
憲吾には3年前の相姦で見せた姉の涙が忘れられない。
でも、姉に女の悦びを与え、未帆を守ってやりたかった。
その時、懊悩する肉塊を未帆が自ら握り、脚を開いた。
高校教師と弟……二人の禁忌がまた始まろうとしていた。
みほ(23歳)姉
まなみ(25歳)女教師
本編の一部を立読み
一方の未帆は、目を閉じていたが、押しつけられているペニスが並みなみならぬほど膨張していることを、肌ではっきりと感じ取っていた。
今日の自分をどう憲吾に説明すべきか、さっきからずっと考えていた。けれども、うまく説明するのは困難に思えた。ストレートに説明すれば、これほど簡単なことはない。しかし、それでは憲吾の心がズタズタに傷つくだろうという危惧があった。できることなら、それは避けたい。自然と本人が悟ってくれるのならば、それに越したことはない。しかし、それをまだ十七歳の高校生に求めるのは無理だった。
この子は、私が自堕落にも見える態度でいることを不審に思っているに違いない。そう、それにはちゃんとした理由があるの……。 そうこう考えているうち、憲吾は体を強引に両腿の間へ割りこませてしまった。そして突き刺さるような視線を女体のあちこちに感じた。内腿に添えられた手が両腿を外に向かって押すので、未帆は協力した。
大きく開かれた八の字の両膝の間に、憲吾が平たくなった。ふくらみや鼠蹊部に、生温かい息がかかった。
あの男と変わらない欲望を、この子だって体の内部に秘めている……。
それはまぎれもない事実だった。
だからこそ、あんなことを引き起こしてしまったんだ……。
未帆は数時間前の新城家での酷い扱われ方を思いだして、剛士が自分に敵意を抱くのも無理はないと納得した。
短い時間のうちに、まるで娼婦のように抱かれた後、未帆はこのところ疑問に思っていた剛士の自分に対する行動について問いただした。何度か尾行されていると思ったが、やはり剛士が目的をもってやったことだった。
「先生をレイプするチャンスを狙っていた」
剛士はその理由を、いかにも腹立たしげに語った。そして真菜美が憲吾に放送室で犯されたという言葉に、未帆のほうが驚愕した。嘘だと何度も否定したが、その事実が偶然にも放送室でテープに録音されたと聞くと、反論できなかった。
それと同じように、自分が剛士少年に復讐という形でレイプされたことにも、納得せざるを得なかった。
あの憲吾が……。
信じ難い思いがあったが、かつて自分と姦淫したことを思いだすと、彼が真菜美を二人きりの放送室で、力ずくで犯したというのも事実として受け入れるしかなかった。
せせら笑う剛士の目の前で、冷蔵庫から冷酒を出してたてつづけに二本も空にしたのは、ある目的があったからだ。
剛士に汚されてしまった体だが、憲吾のために捧げよう。剛士と同じように、内部につもりつもっている性に対する欲求を、自分の肉体を提供することで発散させ、絶対に他の女性に向けさせないようにしよう。