恋愛弱者の男子大学生VSダル絡みマゾメス女友達

セフレ×2と3P決戦編&温泉旅行編

著者: 寺井外連

電子版配信日:2023/11/10

電子版定価:770円(税込)

陽キャギャル・矢村海月姫と、元高嶺の花のこじらせ女子・粟飯原結理。
ダル絡みしてくる女友達を無事(?)セフレにした俺こと林田(リンリン)。
だが何度も白目を剥かせ敗北アクメさせ、圧倒的なイケチンぶりを見せつけても、
童貞マインドが染みついた俺の心を、アイツらは揺さぶりかき乱しつづける。
まさかこれが「恋」ってやつ!? 大増量書き下ろしの3P温泉旅行編を収録。
恋愛経験ゼロだった俺VSふたりのマゾメス──性春の頂上決戦、ついに決着!

目次

〈マゾメスセフレ×2〉

〈決戦(出来レース)〉

〈矢村のせいだからな〉

〈番外編 温泉旅行〉

登場人物

みつき

ゆり

本編の一部を立読み

〈マゾメスセフレ×2〉



『明日 午前11時 駅に来い』という、果たし状みたいな文面で、俺は呼び出された。
 多くの人が行き交う駅構内のなかにいても、粟飯原《あいはら》さんの姿はひと目でわかる。明らかに、周囲とは違う雰囲気。おしゃれ上級者にしか許さないであろう丸眼鏡の奥には、凡人のことなど一瞥もしないような物憂げな視線。黒のオフショルから覗く肩と鎖骨、すらりと伸びた脚線美。一本芯が通ったような立ち姿。ランウェイを歩くスーパーモデルと遜色ないくらいだ。……黙って立っているだけなら。
「……やっぱり矢村《やむら》さんもついてくるんだ。『一人で来い』って送った方がよかったかも」
 より果たし状みたいな文面だ。ていうかもう果たし状のつもりで送ってそうだな。
「……おかまいなく~~。なにも変なことしなかったらおとなしくしてます~~」
 例によって、今日も俺の腕には矢村海月姫《みつき》がまとわりついていた。もう服で首を隠すことはやめたようで、ここ数日は首に包帯を巻くようになっている。この状態で一緒に歩かれると俺がマジのDV男みたいに見えるからやめてほしい。
「するに決まってんでしょ。それはもうネッチョリと、くんずほぐれつ。身体目当てで呼び出してるんだから」
「……っ!! リンリンっ、なんでこんなヤバい女の言いなりになってるの!!」
 粟飯原さんの返答を聞いて、俺の左腕をより強く抱え込む矢村。スタジャンの厚い生地越しでもわかる乳の感触。
「脅されてるからだよ。お前と同じだ」
 矢村も身体目当てで呼び出してネッチョリとくんずほぐれつしてるだろうが。人のことをとやかく言えた立場ではない。……ヤバい女の言いなりになるべきではないという主張は至極真っ当だが。
「ま、今日は撮影じゃなくてプライベートだから。そこまで身構えなくていいよ。矢村さんもついてくるなら好きにすれば」
「……ビジネスパートナーならプライベートな用事で呼び出さなくてもいいんじゃない?」
「確かに」
「……私、友達いないから。呼び出す相手が林田くんしかいないの」
「え……、な、なんかごめん……」
「普通に性格が終わってるから彼氏も友達もいないんだろ。不幸な目に遭ってるみたいに言うな」
「ロジハラやめて」



 そうして連れてこられたのはカラオケ屋だった。一度誰かと一緒に来てみたかったらしい。そんなことで脅迫して呼び出すな。レンタル友達か俺は。
「~~♪」
 ソファに座ったまま、ほとんど微動だにせず古めのボカロ曲を熱唱する粟飯原さん。中身が垢抜けてなさすぎるだろ。誰ともカラオケ来たことがないだけのことはある。そして、今のところは変なことなどなにもされていない。
「あはっ、粟飯原さん歌うま~~い!」
 矢村は、部屋に入ってからスマホには一瞥もくれず、ノリノリでマラカスを持って、ずっとマイクを持つ人の方を見つめて場を盛り上げていた。これぞ陽キャ。こういう人間だから友達がたくさんいるのである。ちなみに俺が歌っているときは、一つでも音程を外した瞬間に野次を飛ばしてくる。
「そ、そう?♥」
「これ知らない曲だけど、早口のところとか難しそう! 詰まらないで歌ってるのすごいと思う!」
「ふ~~ん……♥ あ、ありがとう……♥」
 クールな表情は崩れ、ニチャニチャした笑いを浮かべている粟飯原さん。めちゃくちゃ矢村に絆されてるじゃねえか。お前が一番チョロいだろ。寂しい大学生活で人に飢えてるパターンだこれ。
「……ちょっとトイレ行ってくる。その調子で仲良くするんだぞ」
「は~~い」



 俺を脅して、性行為を強要してくる女が二人に増えた。絶望的な状況である。
「わざわざ風俗に行かなくも、かわいい爆乳ギャルとクールな巨乳美人とセックスできるなんてラッキー」などというのは、ヤれればなんでもいいペニスでものを考えるアホの思考である。行為に俺の意志がほとんど介在しないのだから、風俗店でサービスを受けるのとは真逆と言っていい。おまけにあいつらは揃いも揃ってドマゾだから、謎に被害者ぶる。要求に応えさせられているのは俺の方、誰が被害者なのかよく考えてほしい。
 ……デートしたりセックスしたり、そういう手に入るはずもなかった青春を多少味わえているのは、まあ悪くはない。ただ、だからといっていつまでもあの二人の言いなりというわけにもいかないだろう。飽きるまで遊ばれたあと、動画と一緒に放りだされでもしたらたまったものではない。結局彼女できてないし。
 今日みたいに二人同時に用事を済ませてもらえると楽なので、ぜひとも仲良くやってほしいものだ。
 そんなことを考えながら、俺は11番の部屋のドアを開けた。
「お、リンリンおかえり~~」
 俺に視線を向ける件のヤバ女二人。俺が部屋を出る前とは違い、二人で並んで座っていた。二つのマイクは机の上に置かれ、部屋のモニターには知らないアーティストが知らないニューシングルについてくっちゃべっている映像が流れている。一旦休憩中のようだ。
「林田くん、さっさと座ったら?」
 ぽんぽん、とソファを叩いてみせる粟飯原さん。矢村との間にあるその隙間は、俺の腰がギリギリ収まるぐらいの大きさ。こんな狭いスペース、疲れ果てて乗った電車でもなければ座ろうとは思わない。
「いいよ俺端っこで。そういう習性だから……」
「はやくしてリンリン。脅さないとわかんない?」
「……はい」
 めちゃくちゃ嫌な予感がする。雰囲気が完全にセックスするときの感じだ。俺がいない間になに話してたんだよ。
 ソファに腰掛けた瞬間、粟飯原さんの右脚が俺の左脚に巻きつき、右腕は矢村にホールドされ爆乳を押し当てられた。ここから俺を逃す気が一切ない。案の定である。
「思ったんだけど、リンリンさあ……、セックスで女の子イジめて楽しい……?」
「私なんて処女だったんだけど……。あんなセックス身体に覚えこませていいと思ってるの?」
 耳元に口を寄せ、ぼそぼそと唐突な尋問を始める二人。
「いや、二人とも自分から誘ってるし、自分からイジめられに来てただろ……」
「うわっ、レイプ魔の常套句だ♡」
「自分のセックスに責任を持て♥」
 二人の手が俺の股座へ伸びてきて、チ×ポには触らないようにしつつ、さわさわと鼠蹊部を撫でまわす。
「さ、さすがにここではできないぞ……」
 二人とも明らかに、イジめられるための前フリのモードに入っている。だが、カメラや人の目があるカラオケでコトに及ぶのは危険だ。田舎の性欲猿高校生じゃないんだから。
「なに勘違いしてんの? ここでするわけないじゃん」
「調子乗りすぎ。本来は林田くんが土下座してセックスお願いする立場なんだけど」
「返ってくる罵倒の量が二倍になってる」
 さっきまでは、二人まとめて相手できれば楽だと考えていたが、もしかしてそれは間違いで、むしろヤバ女に結託されるのが最悪の事態なんじゃないか……?
「どういう風の吹き回しなんだこの連携プレー。この前は二人でマウント取り合ってたのに……」
「……粟飯原さんと話し合って、リンリンにやられっぱなしで悔しい者同士で一旦協力することにしたんだよ」
「強敵を倒すためにライバルと共闘する熱い展開、どうせ林田くんも好きでしょ」
「それは全人類好きだろ」
「ごめんちょっとそれわかんないかも」
「というわけで、あたしたち二人でリンリンの女殺しおち×ぽ様やっつけちゃうから!! 決戦は明後日!!」
「それまで林田くんはオナ禁。首とチ×ポ洗って待ってろ。いや、チ×ポは洗わない方がいいか……」
「……二人とも俺に言うこと聞かせられる立場なんだから、普通に俺が責められる側になるプレイを命じればいいんじゃ……」
「そんなんじゃ全然嬉しくない。じゃあ林田くんは負ける気満々の相手に勝って気持ちよくなれる?」
「……う~ん」
 普段の行為を思い出してみると、確かに、征服感というか「こいつを屈服させてやったぞ!」みたいな精神的勝利の喜びはあまり感じていないかもしれない。主体はあくまで矢村か粟飯原さんで、やっぱり俺はただ要望に応えているだけだからな。
「今回は本気の勝負だから♡ リンリンが勝ったら動画消してあげるよ♡」
「私も……、まあ、脅すのはやめてあげる」
「えっ、いいのか」
「そのくらいマジでやんないと、真剣勝負になんないでしょ?♡」
「……負ける前振りためにイキってるわけじゃないってことか」
「そ、そうだよ……♡」
「い、言ったでしょ、リベンジするって♥」
「まあ……、どっちみち俺は断れないんだしやるしかないが……」
「……でも、勝ちとか負けとか言ってる時点で本当はもうおかしいんだよな。普通、セックスに勝敗の概念はない」
「この前まで素人童貞だった人が偉そうにセックス語らないでよ」
「知ったかすんなセックスにわか」
 セックスにわかて。どっちかというと粟飯原さんのほうがにわかだろ。

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