〝青い光〟──それは世界を淫らに創り変える祝福の洗脳魔術。
異変の調査で向かったリゾート地で黒宮を待っていたのは、
グラドルJD・恋、地雷系女子・凛花、シスター・イリスとの水着ハーレム!
神秘の洞窟で始まる性の儀式、淫靡な祝祭の果て、ついに受胎の福音が!
新キャラに清楚な歌姫・橘柚月が登場&新章書き下ろしを大幅追加。
WEB小説史に残る催眠魔術ノベルの金字塔、狂騒のフィナーレへ!
【第三部 魔法にかけられた世界】
◇プロローグ 女神のみもとの援交
◇堕ちた歌姫、橘柚月
◇始業式の秘め事
◇新人女教師、水谷志乃
◇変化した街で、華やかなデートを
◇間話 夜の聖所、夜の儀礼、夜の訪れ
◇歌姫の目覚め
◇ミスキャンパスにおしおきを
◇催眠リゾート(1)
◇催眠リゾート(2)
◇催眠リゾート(3)
◇催眠リゾート(4)
◇催眠リゾート(5)
◇生命の海、生命のダンス
◇踏み越えた、その一線
◇女神の恩寵、愛の恵み
◇肉を知った女教師、水谷志乃
◇種の芽吹き
◇思春期の聖娼たち
◇姦淫を振りまく女子大生
◇神秘と豊穣の幕間に
◇肉を知る特別授業
◇渦潮を間近にして
◇夜明け前の青い光
◇補遺 女教師と泥酔セックス
ゆづき(21歳)女優・アイドル
しの(24歳)女教師
あかり 女子大生
りんか 女子学生
イリス シスター
れん 女優・アイドル
本編の一部を立読み
◇堕ちた歌姫、橘柚月
普通の女の子は、ある日魔法使いに助けられ、素敵なドレスを着てお城で踊る。
そうしてシンデレラは幸せになりましたとさ、というのが童話のお話だ。
本当の世界では、シンデレラだって魔法の対価を払わないといけない。
そして、女の子が、お城(芸能界)で踊り続けるには、とても強力な魔法が必要だ。
──そして目下のところ。最も強力な魔法を使えると評判の男がいる。
「まるで入れ食いだな」
テレビ局のタレント控え室を出ると、黒宮は思わず呟いていた。
美人リポーターの水科香織、グラビアアイドルの夏木恋、そして夏桜シスターズ。
今をときめくタレントを影からプロデュースし、秘められた才能を開花させていると、各所で噂になっている。
そんな彼に「お近づき」になろうと、魅力的な女性タレントが集まってくるのだ。今日も控え室でモデルを抱き、一息吐いていたところ。
「こちらでしたか、黒宮様」
「げ」
「……その反応で大体わかりますよ。せめてスキャンダルにならないようにお願いします」
黒宮を探していたのは、秘書の水樹だ。
元アイドルの彼女は、今、黒宮周辺のタレントの管理を行っている。彼が出会う端からタレントを食べているのも知っているが、もう感覚が麻痺しつつあった。
「わかったわかった。で、わざわざ探しに来たんだから、大事な用事があるんだろう?」
「そうですね。実は少々、難しい案件がありまして──」
水樹が持ち込んできたのは、伸び悩むタレントの再生依頼だった。
シンガーとしてデビューし、当初こそ売れていたものの、今はすっかり伸び悩んでいるという。
「一度ヒットは飛ばしたが、その後鳴かず飛ばず、か……ヒットしているならいいんじゃないか?」
「むしろ難しいんです。一度ヒットしていますから、露出はあります。歌唱力は確かです。それで売れないというと、それは……」
「なるほどな。それで俺か」
各所にコネを作る。売り込みをする。そういう能力を超えたところ、「人の才能を開花させる」という点において、黒宮に匹敵する人材は皆無と言えた。
問題は、当の本人からして他力本願だと言うことだが。
「それにあの子は、私の後輩なんです。ちょっと、心配してしまうくらいに純粋な子で。このままだと、壊れちゃいそうな危うさがあります」
「おいおい。後輩を売るような真似をしていいのか? きっと美人なんだろう?」
あえて露悪的な言い方をしてみる。
黒宮に見目麗しいタレントを「紹介」しているのだから、その結果は水樹だって、重々に承知しているだろうが、念のためだ。
「はい。彼女の『殻』を破れるのは、きっと、黒宮様だけですから」
こうして、伸び悩む歌姫との面談がセッティングされるのだった。
◇◇◇
「初めまして。あの……黒宮、恭一さんですか?」
「ああ、そうだよ。橘柚月さんかな?」
「はい。歌手をしています、橘柚月と申します。本日は面談の機会を頂き、どうもありがとうございました」
「いえいえ。こうして色んなタレントさんの力になるのが、俺の仕事ですからね」
綺麗なお辞儀をする女性だった。
プロフィールによれば、年齢は二十一歳。色素の薄い髪を長く伸ばし、華やかなリボンで結んでいる。顔立ちは美しいが、近寄りがたい雰囲気も放つ。白のシャツワンピは露出も隙もなく、全身から気品が滲み出ていた。
面白半分に枕をしていた夏桜シスターズとは違う。
身も心も音楽活動に捧げた、本物の風格がある。
しかも水樹の情報を信じるなら、まだ処女なのだ。この美貌で二十を越えても処女など、黒宮には信じられなかった。
「ありがとうございます。それで、今日の相談なんですが……わたし、活動に限界を感じていて。マネージャーから、アドバイザーさんを紹介してもらったんです」
「俺なんかが助けになればいいんだけどね。音楽は正直、専門外だからな」
「そうなんですか? 夏桜シスターズさん達を見て、わたし、本当にビックリしたんです。正直、以前は普通のアイドルグループだったのに、今はまるで……別人みたいでした。歌声になんだか、神秘的な響きを感じます」
「……」
夏桜シスターズのヒットは、もう業界の語り草になっていた。
このままだと、勝手に「伝説のプロデューサー」みたいなポジションにされかねない。
「俺はちょっとアドバイスしただけだよ。後はあいつらの実力だ」
「いつも、そう仰っているそうですね。でも、だからこそ、期待してしまうんです──その、『ちょっと』のアドバイスで、わたしも、殻を破れるんじゃないか、って」
それはひどく儚く、寂しそうな笑みだった。
きっと自分にはそんな奇跡は起きないと、もう諦めている者の顔だ。
「殻を破る、か。橘さんは、そのためなら、何が出来る?」
「何でもします。わたしにとって、歌は人生そのものなんです。歌なしで生きていくなんて、絶対にできません」
黒宮は軽いジャブを打ったつもり。
遠回りに「枕はありか?」と聞くような、下世話な質問だった。
だが反応は想像より遙かに強烈で、切実だった。真っ直ぐな瞳で、大真面目に伝えられると、どう返していいかわからない。
「うちの事務所は、元々恋愛禁止ですけど……わたし、歌のためなら、人生ぜんぶ捧げてもいいんです。ファンの人に、わたしの歌声が届けば、後はそれで──」
「そ、そうか」
瞳を閉じて、祈るように、謳うように続ける柚月に、黒宮は気圧されてしまった。
どうやら枕営業なんて発想は、欠片も思いついていないようだ。水樹が「心配になるくらい純粋」と評するのもわかる。
これではとても、「じゃあ一緒にホテル行こうか」とか言い出せる雰囲気ではない。
だが、黒宮には。
そんな雰囲気でも、一変させる手段があるのだった。
「なるほど。橘さんの決意はよく理解できたよ──じゃあ、これを見てくれないか」
「え……」
歌姫の瞳が濁り、視線が焦点を失う。
何度も催眠魔術を使ってきた黒宮は、その様子を見て気付いた。どうやら今回は、相当深く催眠が効いているらしい。
(ほほ。巫女が歌を奉ずるは、古の習いよな。妾に仕える歌い手は、何人いてもよいものよ)
頭の中で「あれ」が上機嫌に笑う。
黒宮は苦笑いしながら、女神の意志を受け取った。
(歌のために生を捧げるなら。妾に捧げても良いではないか、のう?)
きっと、豊穣と多産を司る女神にとっては。歌に生を捧げるなど、愚かしい倒錯なのだろう。
彼女もまた、少しばかり、悪戯心を出しているのだ。
その感情は黒宮にも伝染し。
この気品ある歌姫で、少し遊んでやろうと思い立った。
催眠に沈んだ美人の前に立つと、ゆっくりと、言い聞かせるように繰り返すのだ。
「いいかい、橘さん。俺には君の殻を破ることができる。だから俺の言うことは、疑問を抱かず受け入れるんだよ」
「はい……わかり、ました」
こくり、と頷く柚月を見て、ニヤニヤと笑う黒宮。