クラスの人気者・南川雫は、放課後に一人暮らしの僕の部屋にいつも来る。
すぐにショーツだけ脱ぎ、制服のまま当たり前のように上にまたがって
ショートボブの髪を揺らし、息を弾ませ、僕の耳元で囁く──「何回、する?」
お互いに気持ちは通じ合っているはずだけど、この関係っていったい何?
南川の親友の二見小夜ともセックスする仲になり、ますます複雑に……
「うちらの関係ってさ、セフレ以上、恋人未満……って感じだよね」
投稿サイトで2500万PV突破のNo.1青春劇、遂に電子書籍化! 書き下ろし2編収録!
第一話 部屋来て5秒で
第二話 性欲高い系
第三話 激しくしないで
第四話 磯の白砂
第五話 地味で爆乳
幕間 ピュリング
第六話 口淫、密かに
第七話 裸の付き合い
第八話 ほぼ3P
第九話 小夜時雨
第十話 朝チュン結び
書き下ろし① 覚えたての交尾
書き下ろし② 紅葉合わせ
本編の一部を立読み
第一話 部屋来て5秒で
チャイムもノックもなかった。
がちゃり、と玄関のひらく音がして、ベッドにすわっていた僕、石野清明《いしのせいめい》は、ひろげていた参考書から顔をあげた。
南川雫《みなみかわしずく》が、さも自分の家のように部屋の中へ入ってくる。
「はぁ、マジ暑いわ……」
ただいまを言われても妙だが、挨拶もなかった。ローファーを脱ぎ、部屋へとあがりこむ南川の目が、ベッドで固まっている僕をとらえる。
「ん? なに?」
ちいさく首をかしげる南川。
「あ、いや、当然のように人の家に入ってくるなって」
「いまさら? 石野も鍵あけて待ってんじゃん」
「え、あ、うん」
「ねえ、まだ五月もはじまったばかりだよ? 暑くない? 石野、なんでエアコンつけないの?」
「……僕もいま、帰ってきたから」
実際は電気をできるだけ使わずにいようとしているだけで、すでに帰ってきて三〇分以上は経っている。
「ふうん。なら、つけてもらっていい?」
いいけど。答えて、僕は参考書をベッド脇にある机の上に置いた。代わりに、エアコンのリモコンを手にする。
「……ほんと暑いわ」
言いながら、南川が短い廊下の途中、何度も僕の部屋に来るうちに定位置となった場所にカバンを置く。そして玄関のすぐ脇にある洗面所へと姿を消した。ほんと自分の家のような、習慣化した動きだ。
僕はリモコンでエアコンのスイッチをオンにした。ベランダにつづく窓をしめるために立ちあがる。この部屋に越してきて、初めてつけたエアコンからはすこしだけホコリの匂いがした。
南川と僕は、恵万《けいまん》学園に通っている同級生。
二年生で同じクラスになって、すでに一ヶ月ほど経つけど、しゃべるようになったのはつい最近のこと。
南川はクラスの中心的な人で、分け隔てなく誰とでも気軽に話をする。友達も多く、いつだって周りにはクラスメイトが集まり、笑い声があがる。同じクラスにいながらにして、僕とはまったく違う世界の住人といった感じで、交流なんて金輪際ないはずだったが、いまや放課後になると、部屋に二人きりだ。
手を洗い終えた南川が洗面所から出てきた。
南川の髪は、色素が薄いため、光のあたり具合によっては茶色に見えた。ふわりとしたショートボブで、前髪は短めに切りそろえられている。太めの眉に、ちょっとだけ上をむいたちいさな鼻、いつでも桃色をした唇と頬。南川が、同級生よりもすこし幼く見えるのは、口角をちょっとあげただけでできる笑窪のせいだった。
身長は一六〇センチあるかないか。全体的に細身だけど、胸はそこそこある。スカートから伸びる太ももはほどよい肉付きで、触ったときの心地よい感触が想像できる。派手すぎもせず、だからといって地味な感じもしない、誰が見ても美少女、それが南川だった。
「石野はさ、今日の小テストでけた?」
「数学の?」
ベッドにすわり直していた僕は、尋ね返した。学園では一切会話をしないのに、こうして当たり前にしゃべっている。そうそう、と返事をしながら南川がスマホをテーブルの上に置く。制服のリボンをはずしながら首をかしげた。
「あれけっこう難しくなかった?」
南川がスカートの中に手を入れて、ショーツを脱ぎはじめる。
「そ、そうか?」
「そうでもないか……石野は勉強できるもんね」
足を片方ずつあげると、ショーツを完全に脱いでしまう南川。手で簡単に丸め、床に置いてあったカバンの中へとショーツをしまった。
僕は生唾を飲んだ。
「中間テストも、あの中からけっこう出すって言ってたな」
「ああ、言ってた言ってた……そう考えると、いい予習だったのかな」
制服を崩すことなく着用する南川が、僕がいるほうへとやってくる。化粧っ気はないが、外が暑かったからか、頬は赤らんでいた。
「あ、冷えてきたね」
エアコンから涼しい風が吹いていた。スイッチを押してから間もないため、エアコンも低い唸り声をあげながらフル活動だ。
南川のスカート丈は膝より二〇センチほど上だ。校則ではスカート丈は膝と同じ高さと決まっていた。つまり校則違反だが、南川は学校ではちゃんと校則を守っている。下校時に、スカートのウエスト部分を何度か折り返して、短くしているわけだ。
僕は南川がちかづいてくるのを見ながら、ベッドに体を横たえた。そそくさとベルトをはずし、制服のスラックスとボクサーパンツをずりさげる。ぴょん。おもてに出てきた肉棒は、ぎんぎんに勃起していた。
いきり立った肉棒を一瞥しただけで、南川はとくに表情を変えず、ベッドの上に膝をつき、仰向けになった僕へとにじりよった。流れるような動作で僕の下半身にまたがる。
「ねえ、テスト勉強、ここでやってもいい?」
南川が腰をおろしていく。
「ダメって言っても来るんだろ?」
「そうだけど……あ、んッ。でか……」
肉棒と、南川の膣口が接触した。スカートで見えないが、南川の大事な部分が濡れに濡れているのが、肉棒の先っぽから伝わる。
「それと、勉強も教えてね」
準備は万端のようで、そのまま南川は躊躇いなく腰をおろしていった。ずぷぷ。凸が凹へと入りこんでいく。
「いいけど……」
「はッ、あ……入ったぁ……とくに数学が、よくわかんないんだよね」
言いながら、さらに南川が腰をおろしていった。
「はぁ、あ」
快感に抗うことができず、僕は息を荒くした。
どうした? と、いった感じで南川が顔を覗きこんできた。
「なに? 数学が苦手な人を馬鹿にしてる?」
「してないしてない」
首をふる僕に、南川が白い歯を見せて笑った。
「冗談だよっ。うちの膣が気持ちいいんだよね?」
その通りだった。