銀髪ツインテールにゴスロリ服、強気で生意気な後輩・東方すのう。
負けず嫌いなすのうとのゲーム勝負で、催眠術を使ってルールを改変!
嘘を見抜く力と知略で対抗する彼女を、催眠チートで完全征服!
すでに奴隷に堕とした北条こころ、南マイ、西武レインとともに、
クリスマス、初詣、バレンタインを過ごし、身体だけの関係に変化が……
催眠から始まる昏き青春の行方は──特別書き下ろし3編収録!
前話 東西南北 催眠支配者編
第一話 西南 露回転盤編
第二話 西南 重奏同調編
第三話 東方すのう 本拠訪問編
第四話 学園 没落破滅体験編
第五話 学園 妊娠講義編
第六話 南マイ 面接牽引編
第七話 南北 面接規律編
第八話 学園 労働初日編
第九話 東方すのう 同伴凌辱編
第十話 東方すのう 両親反復編
第十一話 南マイ 精子注文編
第十二話 東西南北 贈物交姦編
第十三話 南マイ 告白編
第十四話 南マイ 分岐周回編
第十五話 北条こころ 適材道具編
第十六話 東方すのう 煩悩抽送編
第十七話 学園 淫行集会編
第十八話 西武レイン 告白凌辱編
第十九話 西武レイン 逆強姦編
第二十話 東方すのう 将来凌辱編
第二十一話 北条こころ 性技指導編
第二十二話 東方すのう 情性暴君編
第二十三話 学園 欲物検査編
第二十四話 北条こころ 性的捕食編
第二十五話 祖父の手記
書き下ろし一 東方すのう 完全勝利編
書き下ろし二 西南 聖夜睡姦編
書き下ろし三 東北 聖夜夜這編
本編の一部を立読み
前話 東西南北 催眠支配者編
放課後の空き教室で、女子生徒がスカートをめくりあげる。
下着を俺に見せつけてから、両端を指でひっかけてゆっくりと下ろす。
前かがみになってパンツがふとももを伝い、床に落ちる。
「これで、いいんでしょ」
「ああそうだな、次は……」
「……っ!」
西武レインが、悔しそうに俺を睨みつけてくる。
気の強そうな瞳が潤み、整った顔立ちは普段ならクールな彼女を彩るものだ。
そんな彼女が頬を赤くして辱められる。楽しくて仕方ない。
「早くして、もうずっと収まってないから……」
レインはパンツがないことが気になるのか、内股になって急かしてくる。
俺の催眠によっていつでも発情できるように暗示をかけられていて、今もそうだ。
学園ではクールで人を寄せ付けないほどの美人でも、ここまで堕ちる。
「ならそこの机に手をついて、尻を向けろ」
俺は高圧的に命令する。
レインは一度むっとするが命令に従う。俺でしか発情暗示は解消できないからだ。
「ひゃっ!」
「ははっ、めくっただけだよ」
レインのスカートを捲り上げて、下着のなくなった尻を露わにする。
既にふとももには愛液が伝い、俺が少し触れるだけでレインが背筋を伸ばす。
俺はズボンを脱いで勃起したペニスをそのままレインの尻の上に置いた。
「あっ、それっ……はやくっ、あっつ……ぅ」
「どうして欲しいんだ? 俺はレインが何かして欲しそうだから仕方なくこうしてやってるだけなんだよなぁ」
俺はわざとらしくペニスでレインの尻を叩く。
レインはそのたびにぴくぴくと尻が跳ねて滑稽だ。
ただ睨んでいる瞳はとても綺麗であり怖い。
「……っ! あんたのそのおち×ぽで! あたしの中に精液出してって言ってるの!」
レインは器用に尻を振ってペニスの先端を擦って挑発してきた。
彼女の身体は人並外れた身体能力で、膣内も素晴らしい造形をしている。
ペニスはそれを知っていて、挑発に先走りの汁を垂らす。
「そうだな、我慢しているレインにも悪いし」
「……つぅっ、あぁあっ! 入ってきてっ、あ、く、ぁああああっ!」
ペニスの先端をレインの膣内に潜らせて、カリの辺りまで埋める。
レインは発情暗示のせいですぐに絶頂してしまう。
「うぉっ」
そのとたんに、レインの膣口がすぼんでペニスをすすってきた。
むにゅむにゅと、ペニスはヒダのくすぐる感触のまま子宮まで誘われる。
気がつくとペニスは根元までしっかりとレインの膣に入り込んで、奥にキスをした。
「あっあっ……ぁ、ぎ……っ!」
レインは壁に手を突いたまま声を漏らす。愛液を噴き出して涎を垂らした。
普段の冷淡で、女子生徒の憧れみたいな彼女が男のモノによがっている姿だ。
興奮しないわけがない。
「ま、まって、ま、まだうごっ……あぁあ゛ああっ! あっ、あっ、ひ、ごりゅって、こすれてっ、あぁああああっ!」
俺はレインの腰を掴んでピストンを始めた。
動くたびにペニスのカリがぎゅっと膣道に締め付けられて擦られる。
細い指先で何度もくすぐられているような気分だった。
「あっあっ、いって、またい゛っでるがらっ……!」
レインは発情で意識が朦朧としているが、身体はちゃんと精液を搾り取ろうと動いている。
どれだけレイン側が絶頂しても、俺の精液を貰わないと暗示は終わらない。
俺が満足するまで続く快楽の波に、彼女は少しずつ力を失っていく。
「あ゛っ……あぁっ!」
俺は彼女の腰を持って支えてやるが、レインはもう壁に手をつけていない。
大きなオナホールみたいだ。膣内は格別だが。
「そろそろ出るぞ、しっかり受け止めろよ」
レインはまだ意識があるのか、突然俺の腕を掴んできた。
ストロークの間隔が短くなり、ぐちゅぐちゅとうねる膣内が更に締め付ける。
「あっ……あっ……なかっ、なか……ぁああああっ……!」
「うぉっ」
レインが残っていた意識で俺の腕に痣を作ろうと握り締める。
膣内もそれに合わせてペニスがぎゅっと締め付けられて、下半身に意識が集まる。
俺はそんな酔いそうな二つの感触に誘われるように射精していた。
「きゃっ…………ぁっ」
「搾り取られてるみたいだな、精液が上ってくる」
レインの元にようやくきた精液を、膣内が飲むように振動する。
ぐっぐと、ペニスは脈動して精液を流し込んでいく。
「うぉっ、レインの膣が吸い付いてきて」
俺がペニスを引き抜こうとすると、膣内がぎゅっぎゅとひいてくる。
女の性器が男を引き留めようとしがみついてきているみたいだ。
ずず~っと引き剥がすみたいにペニスを引き抜いて、レインがようやく脱力する。
「そんなに引き留められたらもう一度やっても」
「もう、いい……」
レインが意識を取り戻したのか、足を震わせながらも起き上がる。
おぼつかない足取りで用意されているソファーに座り込む。
「はぁっ……ティッシュ……」
「はいはい、レインはほんと気が強いなぁ」
レインが背もたれに寄りかかって自分のま×こに溜まっている精液をかき出す。
「はぁ……あぁ……っ」
そのたびにビクビクと下半身を痙攣させて、見ているだけでも楽しい。
俺の精液自体にも発情するように暗示されている。
たとえ中出しで解消されても気持ちよさはしっかりと受け取ってもらえるのだ。
「……なに?」
「俺のも拭いてくれよ」
「嫌なんだけど」
俺は問答無用で事を終えたペニスをレインの目の前に差し出す。
レインは滅茶苦茶に嫌そうな顔こそするが、しっかりとティッシュで拭いてくれる。
彼女は感情的になっても冷静な本質は変わらない、このペニスのおかげで発情暗示が解消できるからこそ、無下にはしないのだ。
「後片付けするから、出てって」
「ああそうだな、もう一度やる気は」
「一緒にやる?」
「いやいいや」
俺は空き教室を後にする。
レインは発情しているときこそ俺にされるがままだが、終われば敵わない。
それに、去り際レインが足を上げるたび股がヒクヒクと濡れているのはわかって優越感に浸れた。
「とはいえどうするか、帰るにもまだ人は多いだろうし」
放課後の混雑した時間帯を歩くのは少し億劫だ。
学園にいる生徒は催眠テストという答案式の暗示をしたおかげで簡単に操れるが、俺は性的なこと以外で使う気はしなかった。
それに催眠テスト用暗示は俺が直接催眠にかけている四人が対象外になってしまう。
この学校だとレイン、こころ、すのう、
「ブックいたー!」
南マイが、ブックというあだ名の俺を見つけて駆け寄ってくる。
可愛らしいサイドテールを尻尾のように揺らし、人懐っこいくりくりと大きな瞳は目を合わせただけで魅かれてしまいそうだ。
マイはレインと同じ俺のクラスメイトで、直接催眠をかけた二人目の女だ。
「やっぱ帰ってなかったし、一緒にかえろっ!」
基本的にマイと俺はただのクラスメイトだ。
だが催眠によって俺が何度も常識改変して犯し続けた結果、どうしてか距離感が近くなりつつある。
本来はもっと警戒心が強く、誰とでも接しているようでいても壁のある少女だ。
「どしたのブック。つかれま?」
「いいや気分はいいぞ。まあ帰るか」
「いえぃ」
マイは調子のいい笑顔で、肩が触れそうなほど近くを歩いてくる。
俺はそんな様子にムラムラして、こいつで解消するかとも考えてしまう。
たとえば性欲処理は義務とか、学校では下着姿じゃないといけないとか。
「えへへ~」
ただ、マイのちょっと緩んだ顔に毒気を抜かれてやめた。
この学園で俺の拠点でもあるカウンセリングルームに連れ込めばいいのに。
時間潰しもできていいことづくめだが、
「まあ帰るか」
「途中までだけどねーそいえばブックさ、これ見て見て!」
マイが携帯からSNSの画像なんかを見せてきた。
別に何か身のためになるわけでもない。立ち止まって顔を近づけるだけだ。
「へぇ後頭部にハートのブチが付いた犬か、なかなかに頭悪そうで可愛いな」
「……」
「ん、マイ?」
「えっ、あっ、可愛いでしょー! かわいし!」
マイがこっちを見ていた。スッと携帯を引っ込めて歩き出してしまう。
と思ったら立ち止まって俺が追いつくのを待っているからわからん。
催眠暗示の影響で変な誤認でも起きているのかもしれない。
「そういえば他の子とは帰らなかったのか?」
「うん。今日はブックにしてよかった」
玄関に近づくにつれて人混みが増えていく。
とはいえレインと性行為をした時間分ピークは過ぎたみたいだ。
マイもこの時間まで帰らなかったのだから、何か事情でもあるのだろう。
「悪魔ーっ!」
と、そこで俺を悪魔と呼ぶ少女の声がした。
「どうしたすのう。そんなに俺に会いたかったのか?」
「そんなわけないでしょ!」
東方すのうが、玄関の外で俺を待ち構えていた。
人形のように整った顔立ちの可愛らしい少女で、俺の学年と違う黒セーラーにレースのリボンがちょっとゴシックロリータファッションを彷彿とさせる見た目だ。
普段はゴスロリファッションを身にまとう少女は、学校でもそれっぽさがある。
「あーすののんじゃん制服姿かわいー! ちっこい!」
「ま、マイサン!」
どうやらすのうは俺一人を待ち構えていたらしい。マイの明るさにたじたじだ。
すのうは前はもっと暗い奴で不登校だった女だ。
俺が催眠と称して彼女をあの手この手のゲームで性行為をして、ここまで育てた。
「で、俺を待ち望んでいたすのうは何がお望みだ」
「……ハッ! そうよもう昨日わたしのアイス食べちゃったの忘れてるでしょ! 絶対忘れると思ったから見張って買いに行かせることにしたの!」
「……覚えてたな俺は」
「はい嘘ー! わたしはそういうのわかるって言ってるでしょ!」
すのうは洞察力も素晴らしく、人の嘘だったらすぐに看破できる。
それでも催眠には勝てず罰ゲームで凌辱されているのだが。
「だいたい俺のマンションに居座ってアイスなんかストックするから」
「あれは、こころ姉さんの、住む場所でしょ! 乗っ取り悪魔!」
「すののと一緒にアイス買いに行くなら私も行こっかなー」
「ふふん、どうぞマイサン。悪魔もそれくらいの甲斐性は持ち合わせているでしょうし」
「……きさまら」
「悪魔は自分の落ち度で一度約束したことを反故にするような不徳者――」
「俺はな、約束は基本的に守る」
そこまで言われて引き下がるわけにはいかない。
まあ今回は俺が二人分もアイスを食べた落ち度もあるからな。
「言ったわね! みんなー!」
すのうが物陰に手を振ると、三人の美少女がこちらにわらわら寄ってくる。
あいつが学園でできた友達だ。
不登校の頃と比べればそんな奴らがいることは感慨深さこそあるが。
「きさまら……ぁ」
俺は今の流れでこいつら全員とアイス買いに行くことを考える。
そこからくる嫌な予感は、すのうの得意気な顔を見れば察せるものだ。
*
寝ているときに見る夢は、記憶の整理のためという言がある。
自分の中にある記憶の処理を行ううちに出る映像ということだ。
『お兄ちゃん』
幼い少女が俺を見てひっついてくる。
俺はそこまで悪い気分もせず、手を繋いで歩いた。
今どこを歩いているのかは曖昧だが、向かう先は決まっていた。
『ここには誰もいないね』
その場所は俺たちにとって秘密基地だった。
本当なら他の子も知っていたはずなのに、俺たちしかいない二人きりの場所。
『だからここは俺たちのものだね』
『ふふっ、ねぇ一緒に開けよう。早くしないと時間になっちゃう』
俺はこの事を覚えている。
それなのにどこか曖昧でぼやけて、それなのに心が締め付けられる。
『アイはね、ずっと待ってたんだから』
俺が顔を上げる。
そこにいたのは、俺が知っていた少女の笑顔で――
「ご主人様?」
その声に俺が目を覚ます。
北条こころが、心配そうに俺の顔を覗きこんでいた。
大人びているが、心配そうな瞳はまだ幼さが抜けきっていない。アンバランスではなくいい面が両立したその顔立ちに俺は見とれる。
「どうかいたしましたか、少しお疲れのようですが」
「……帰ってすぐ寝ちまったのか」
俺はマンションに帰って仮眠を取っていた。
こころはそんな俺をずっと見ていたのだろう。安心して微笑んでくれる。
彼女は自他共に認める俺の奴隷だ。
催眠によって全て俺のために生きることが幸せであり喜びになっている。
「私に何かできることはございますか? ご主人様のためになら何なりとお申し付けください」
「そうだな……」
こころは俺が言い終わるよりも先に身体を密着させる。
俺が寝ている上に覆いかぶさって、柔い胸が押し付けられた。
「こうですか? 他にもなにか」
こころは俺に触れることで幸福を感じているのか、頬が上気している。
そこから先に誘導しようとゆっくりと身体全体をこすりつけてきた。
ふんわりと、いい匂いに酔いそうだが、
「とりあえずこれでいい」
「はい……私の身体はいくらでもお使いください。ご主人様専用の抱き枕みたいなものですから……」
俺はその柔らかさに当てられて目を閉じる。
何度も夢に見て、忘れてを繰り返してきたが。
今回の妹を見る夢だけは、忘れなかった。
第一話 西南 露回転盤編
特に真新しい変化もないまま、学校は昼休みに突入する。
俺は机に座ったまま、お昼はいつも通り教室で済ませるつもりだ。
長い休日を貰ったからといって、周りの反応は変わらない。元より、雑談をするような友達がいない以上は当然だろう。
「一緒にたーべよ」
そのせいか、この声が今の俺にはやけに響いた。
マイがニコニコしながら近づいてきて、俺の頭に弁当箱を乗せる。
「ブック? ぶーっく。ブックはお弁当タイプでしょう」
「糸音たちはどうした?」
「今日はブック。ほら、少し前まで休んでばっかりだったし。なにしてたのか知らないけど」
俺が休みの間なにしていたのかは、もちろん誰も知らない。
たとえレインと同じ日程で休みを取っていても、同じ理由とは思わないだろう。
マイはその辺だと、目ざとい気がする。いや、目ざとくなくてもわかるか。
「食事ってのは、静かなのが一番だ」
「あーそういうこと言いまし? いいのかな?」
マイは俺の頭から弁当箱と入れ替えで、何かの紙の束らしきものを置いた。
俺は一度あからさまに眉をひそめてから、上に置かれた冊子を取る。それは紙の束じゃなくて、ノートだった。
「……あ」
「ふふん」
そこで俺は、この不機嫌をいやがおうにも引っ込める。
なんとそれはノート。学校での授業内容を記した、勉学の結晶だ。
「ブックは他にもノート見せてくれる人いまし? もしいなかったら、私の見せてもかまいまなんだけどな~」
「こいつ……」
確かに、二日間の穴を埋めるためにはこのノートは必要だろう。
俺は勉学そのものは自分でするものであって、催眠や能力以前に、自らの意思でやるべきだという理念がある。
暗記は嫌いだが、暗記そのものを否定して、勉学を疎かにしたくはない。
催眠で、無理矢理にでもノートを奪うべきか否か。
「ほれほれ」
「この俺をコケにしやがって」
マイは気が利く。したり顔で俺を見下しているが、この行いは俺への同情か何かである。
俺はうつむいて少し考えるが、ここは俺が譲歩してやってもいい場面だと結論付ける。
「わかった、一緒にお昼を食べよう」
「そうきましか……! おっけおっけ」
マイは俺の顔を覗きこんで笑うと、俺の右手を掴んで離さない。
おそらく逃げられないぞという意思表示だろう。心変わりを許さない所存だ。
「ここで食べるのか?」
「いいばしょがあるのですよ、ささ」
マイは意地悪く歯を見せて笑い、こちらを急かすように引っ張ってきた。
*
やってきたのは、なんとレインのプライベートルームだ。
確かにマイも知っているが、この場所を選ぶとなると、少し状況が変わってくる。
「お邪魔しまー」
「いらっしゃい、マイ」
レインが部屋にある椅子に座ったまま、俺たちを迎えた。
一瞬俺のほうをチラッと眺めて、それだけでレインの表情に変化はない。察していたのか、前々から話してあったのか。
「お二人さんが、偶然にも同じ期間休んでましから。ノート写すなら一緒のほうがいいかなって」
「おう、そうだな」
マイは聡いから、俺とレインが一緒にいたことには気がついているだろう。
いや、でもそんな理由なんて見当もつかないだろうし、俺の自意識過剰なこともある。
どっちにしろ、あまり影響があるわけでもないか。
「ではでは、机を囲みまし」
「もう囲んであるよ」
「勝手に座るからな」
「二人共自分のペースだねぇ」
俺は弁当箱を開いて、とりあえず昼食を始める。ノートを写すにしろこの後だ。
レインは一応マイのことを待っていたが、俺が食べ始めたのを見ると溜息をついて弁当箱を開いた。
マイは俺の行動にとやかく言わず、せっせと俺にならう。
こいつらはなんだかんだで他人のペースを乱さないのも利点だな。こういうときにとやかく言われるのが一番面倒だ。
相手にならうというのは、つまり大勢の利己的なペースに合わせて行動しろと強制されているような気がしてならない。
「二人ともさ、休みはなにしてま?」
「あたしは、前にも言ったけど入院したお爺ちゃんちの留守番」
「旅行」
「旅行って、どこ?」
「南国」
「曖昧~じゃあ何が楽しかった?」
「動物園」
特に意味はなくとも、マイに全部話す気にはなれなかった。
だいたい、最初から説明をするのも億劫である。食事中にすることじゃない。
レインもその類なのか訂正も説明もせず、澄ました顔でお茶を飲んでいる。
ただその割りには、チラチラとこちらを窺っている。レインからしてみると、かなり気になる話題らしい。
ああそうか、レインはマイと俺が関係を持ってると思っているから、気を使っているのか。
そう考えるとちょっと楽しくなってきた。
「そうだな、実はついていく形で行ったようなものでな。俺も海外は初めてだったからそいつがいてくれて助かったよ」
「へぇ~誰なの?」
「マイも知ってるはずだな」
おっ、レインの表情がみるみると固まっていく。箸を動かす手が止まっている。
「ねぇ、誰か教えてよー」
「とりあえず食べ終わってから」
「教えてよ」
今日のマイはちょっとだけ表情が硬いな。目が笑っていない。
俺の一人食事を邪魔した報いだろう。もどかしい会話にイラついている、といったところか。
「ねぇマイ」
「レイレイちょっと待って、ブックに聞いてるから」
そんな二人の反応を見ていると、段々と俺もこの会話に面白さを見出してくる。
「ああ、そうだ『あそこは楽しいよ』『敗北は君のもの』」
俺はその気分のいい状態で催眠キーワードを唱えた。
とたんにマイとレインは催眠状態に陥り、ピリピリとした空気が嘘みたいに止む。虚ろな目をしたまま、持っていた箸を落としてしまった。
どうやらマイは、俺から情報を聞き出したいらしい。特に理由もなく、会話の種にでもしたいのだろう。
レインは、教えたらまた自分とマイの関係に何か悪いことが起きるのかもしれないと考えている。
「まあ尋問したいならさせてやろうじゃないか」
俺からしてみれば、どうでもいい話だが、遊びがいのある彼女たちのために、二人の意思を尊重していこう。
*
俺は一通りの催眠暗示を終えて、二人を催眠状態から解放する。
二人の瞳にしっかりとした意識が戻ってくる。体に力が篭り、目を覚ました。
最初に動いたのはマイだ。
「ねブック、ち×ぽ出してよ」
「ん、なんでだ?」
「このままだと埒が明かなしだし、もう順当に話してもらうために、レイレイと勝負するからさ」
寝起き早々にマイは暗示の話題を出してきた。そういう流れに誘導したから当然かもしれないが。
互いの意思がぶつかり合ったことを認知させて、それを正々堂々と後腐れなく白黒つける方法を、俺は提示したのだ。
「……そうね、マイの言ってることしかないかも」
レインも、腹を括ったのか小道具である俺のことを睨みつける。頬を赤らめていて、今からすることは勝負とはいえ恥ずかしいことと自覚しているらしい。
マイはそんな感じをひとかけらも見せずに、俺のズボンをいきなりずり下ろした。ファスナーを下ろすのにも慣れすぎている。
ペニスが衆目に晒される。既にそそり立って、飛び出したと同時にマイの頬を叩いた。
「ひゃおっと、じゃ、ロシアンルーレットで勝負しま」
「うん、わかった」
レインもマイと同じ位置に、俺のペニスの目の前にしゃがみこむ。
二人してマジマジと、こちらのふとももに手を置いてそそり立つそれを見上げていた。
マイが一度だけ、喉を鳴らして唾を飲む。
「ルールは、わかりま?」
「射精させたら負け」
まあ、普通のロシアンルーレットと同じルールだ。ただ銃弾が精液になるだけ。
互いに十秒までは必ずフェラをしなければならない。そこからはいつ離してもいいが、次の人間が咥えるまでに射精されたら負けというルールだ。
「じゃあ、あたしからやるから」
レインは勢いと踏ん切りが早い。問答無用で大口を開けてペニスを頬張った。
マイは抗議する暇もなく、そのフェラをするレインの姿をおっかなびっくりで眺める。
「じゅるっ……ず……」
「な、なんか変な音がしま」
当然というべきか、十秒じゃ終わらない。すぐにでも終わらせるために、俺を射精寸前まで持っていくつもりらしい。
レインの舌は相変わらず上手い。ペニスの中に流れる血流そのものを舐めるように、舌が這う。俺の血行を知り尽くした人間が、どこをどうすれば破裂するか把握しているみたいだった。
表情も必死で、どうしても休日のことを詮索されたくないのだろう。
そんな必死なレインを上から見下ろすというのは、なんとも心地のいいものだ。
「……いいよ」
レインは口を離す、俺が長々と思考している間もずっと、ペニスに奉仕し続けていた。口元から唾液が糸を引いている。
おかげでペニスはびくびくと震え始めて、マイの目の前に差し出される。
「おっけ」
マイもやたら真剣な表情で口を開ける。
二人とも、その必死さが可愛らしい。どうでもいいことに真剣になるというのは、いつの時代だって愛嬌があるのだ。
「あむ……んんっ……んー」
マイはレインほどの能力はない。だが劣るわけじゃない。
口全体を使ってペニスを奉仕する。頬の裏側で先端を擦ると、ペニスにやたらとくすぐったい感触が伝わってきた。
そして上から見ているこちらと目を合わせると、にっこりと笑顔を返してくれる。技術的なもの以外のところでしっかりとした奉仕ができている。
しかもこいつは、先ほどの状態ではまだ射精しないのをしっかりとわかっていた。無自覚に犯しているのに、こういう知恵はマイ自身のなかでしっかりと根付いてしまったようだ。
「ふぇい……次レイレイ」
「……」
ペニスは既に先走りの汁が溢れ始めている。これでもマイはそれなりの量を吸っていった。
つまりは、射精寸前のペニスが、レインの鼻の先にあるのだ。
レインは知識的な勝負所に聡い。つまりは、この状況でどうすればいいのか迷っているのだろう。
「レイレイ遅い」
「……わかってる。あー……」
少しでも遅らせようとしているのか、口を開けてペニスを入れるも、頬張らない。
レインの温かい吐息だけが、ペニスに刺激を与えていた。
「はいずるーし!」
「ほばっ……!」
流石にルール違反と踏んだのか、マイがレインの頭を押して無理にでも咥えさせる。
ペニスがレインの舌を強く喉に押し込んだ。ざらざらとした舌の感触を押し潰し、先走りの汁を舌と喉にこすりつけていく。
次の瞬間には、ペニスが限界を迎えて、精液を吐き出してしまった。
「んぐっ……ぶっ、んんんんんんっ!」
レインは自分の敗北をかみ締めながら、制御できない濁流に息を詰まらせる。
マイは敗北を揺るがすまいと、嗜虐的な瞳でレインの頭を押さえつける。
俺は我慢することもなく、マーキングでもするようにレインの喉奥へ精液を流し込む。
「ぶっ、ぶぶっ……! んー!」
レインは涙目になりながらも、精液のにおいで発情してきている。こんな状態で喜ぶとは、なんとも優しい暗示を入れてしまったものだ。
マイもほっこりとした笑顔で勝利をかみ締めている。こういうところは、俺に似ている気がする。
「はいかーち! 私の勝利ま!」
「そうだな、これはレインの負けだろうな」
「ごほっ……けほっ……まっ」
マイは両手を広げて、俺の首元に絡みつく。
俺は椅子ふんぞり返ったまま、二人の肉便器共を王様のような気分で眺めてやる。
「さて、勝者には相応の賞品が必要だな」
とはいえ、マイの知りたい情報をこのまま渡すのも少し不安がある。
もちろん、その対策は暗示で練りこんであるし、これからが本当の勝負だ。
俺は重い腰を上げて彼女の前に立ちはだかった。