「今度、わたしの友達ともヤってみないっすか?」
恋人のノアからのお誘いで、複雑になる僕のセフレ関係。
内気だけどエッチに興味がある声優志望の処女・星崎カノン。
彼女の初めては、コスプレ&ラブホハメ撮りで頂くことに!
さらにほろ酔いの元カノ・アイカと再会しそのままホテルへ。
ノアとのクリスマスやバレンタイン、一周年記念も楽しみつつ、
恋人公認のセフレ関係は止まらない! 第2巻限定書き下ろしつき。
1話 カノジョの友人コスプレイヤーと
2話 学園祭、カノジョとトイレで
3話 ハヅキと見返りデート
4話 カノジョとクリスマス
5話 カノジョの親友レイヤー売り子と打ち上げ
6話 元カノと再会
7話 カノジョとバレンタイン
8話 一周年記念、カノジョのもうひとつの処女も貰う
書き下ろし番外編 カノジョと、カノジョの親友と3P
本編の一部を立読み
1話 カノジョの友人コスプレイヤーと
「ねえ、ケーさん。今度、わたしの友達ともヤってみないっすか? 『エステルディビジョン《エスディビ》』のイベント申し込んだじゃないっすか~。で、その子、コスプレが趣味なんで同人誌の資料ってことにして撮影してほしいな~って」
シングルベッドの中、恋人《ノア》が僕の背に抱きつきながら言った。
ノアは、いわゆる同人作家で、オリジナル・二次創作問わず漫画を描いている。僕も少し漫画やイラストを描く。同好の恋人。よくある関係だった。
しかし、普通の恋人とは違う「趣味」が僕たちにはあった。僕の恋人は、たったいま彼女が提案したように、資料《・・》と称して彼氏が他の女性と肉体関係を持つことを許している。
とはいえ、自身の友達を差し出してくるのは、さすがに予想外だった。
「ノアさんは、それ平気なの?」
「わたし、そういうせーへきあるかもしれないんすよね。ケーさんがセフレ《ハヅキ》さんとしてる動画見て、思った。……自分の大好きな人が他の女の人とどんなセックスして、その人たちがどんな顔するのかが知りたいの。大好きな人がわたし以外の女の人を抱いてるときに見せる顔が見たい。そういう意味ではわたしの友達――親友が絶対わたしには見せない顔とかも見たくなっちゃって。その子、声優の学校行ってて、顔も声もいいから、どんなふうになるのかなって思うと、ニヤニヤしちゃうっす」
「ノアさん、結構……変態だよね」
飲みかけのペットボトルをノアに渡す。
「あなたには言われたくない」
言い捨てるような口調だが、声音にはどこか嬉しそうな色が滲んでいた。ノアは、受け取ったペットボトルの残りを飲み干し、微笑んだ。
「……わたしをこんなふうにした責任、取らせるから……逃がさないっすよ? なんてね」
◇ ◇ ◇
……などということがあり、僕はカノジョの二次創作同人漫画の「取材」でホテルを訪れていた。
ノアの作品だから、言うまでもなく成人向けだ。
恋人の友人にゲームのキャラクターのコスプレをしてもらって、それを撮影する。資料という名目だが、実際はノアが恋人《ぼく》と友人がセックスしている様子を見たいだけだ。ノアは、少しばかり趣味がひねくれているところがある。それに付き合う自分もだが。
「――はい、飲み物来たよ」
注文していたウェルカムドリンクが届いたので、テーブルに運ぶ。このホテルは、種類は限られるものの、ワンドリンク無料になっている。備え付けの冷蔵庫にも缶やペットボトルが入っているが、ミネラルウォーター以外は退室時に追加で請求されるシステムだ。
「あ、ありがとう、ございます」
ソファに座る女の子が小さな声で告げた。
彼女の名前はカノン。ノアの友人で、いまは専門学校の声優コースに通っているらしい。
身長は僕より少し低いが、女性の中では高身長だ。170センチあるかないかくらいだろう。ベリーショートの黒髪で、化粧もかなり薄い。コスプレが趣味ということで、髪はウイッグのために短くしているのだろう。化粧も、コスプレ用メイクを施す前の必要最低限の身だしなみといったふうに見える。
背丈と髪型だけ見たら男に思えるかもしれないが、細身のデニムパンツに包まれた下半身と胸の膨らみからなるシルエットは女性的そのものだ。
高身長かつスタイル抜群と、自信にも魅力にも溢れていそうな活発な印象を受ける見た目ではあるが、本人は猫背気味で喋り方や態度もおどおどしている。
声優を目指しているとか、コスプレが趣味だとかの話だが、縮こまる彼女の様子を見ていると俄《にわか》に信じ難いところもある。キャリーケースを持ってきたことから、荷物は多そうではあるが。
僕はジンジャーエールのグラスに口をつける。僕が飲んだのを確認してから、カノンも自分の飲み物を手に取った。緊張しているのか、彼女はほとんど一息にレモンティーを飲み干した。
正直な話、僕は社交的なタイプではない。カノンも第一印象では同じだ。年下の女性とのコミュニケーションには不安がある。ましてや数十分前に初めて会った女の子とホテルでする会話など、余計にわからない。
とりあえずでルームサービスのメニュー表をカノンに見せてみる。
「何か頼む?」
「い、いえ……だいじょぶ、です」
カノンは氷だけになったグラスをテーブルに置いた。
「……彼氏さん、な、慣れてるんですね。星見《ほしみ》ちゃんとよく来るんですか?」
星見、というのはノアの苗字だ。
彼女たちはお互い苗字で呼び合っているようだが、そんな距離感でも小学校以来の親友らしい。なぜ名前で呼ばずに苗字なのかというと、ノアは星見、カノンは星崎《ほしざき》と二人は「星」という共通点がある。小学生の頃、面白がって「ほし、ほし」と呼び合ってふざけていた名残なのだという。
にしても、ノアとよくホテルに来るのかと問われると確かにそうではあるけれども、そのまま「はい」とは答えられない事情がある。
「あ、いや、その……」
「あ、知ってます。セフレ、いるんですよね」
ちょっと揶揄《からか》っちゃいました、とカノンはふにゃふにゃと笑った。
「ね、寝取られ? 寝取らせ? っていうんですか? 星見ちゃんも、ケッコーいい趣味してますよね。……か、彼氏さんも、星見ちゃんみたいな可愛いカノジョいるのに、他の女の子と、す、するとか……」
それを言われると、なんともいえない気持ちになる。申し訳なさというか、気まずさというか、恥ずかしさにも似た、単純な言葉では表せない複雑な感情だ。
「……星崎さんは、こういう経験あるの?」
「ふへ? あ……か、かの――、カノンでいいです」
「カノンさんは、セックスしたことあるの」
「……え、えと、経験は……ないです。処女ってやつ、です。……あ、でもバイブとか使ってるから、処女だけど処女じゃないみたいなものなので……その、気にしなくていいです」
カノンは空のグラスの縁をなぞった。その振動で氷が崩れる。
前提から間違えていた。てっきり、それなりに経験があるものだと思っていた。そんな相手とコスプレしてセックスする様子を撮影していいものなのか。
「そうは言っても……でも、なんでこんなことOKしたの?」
「その……こ、コスしたまま、セックスしたい、とずっと思ってたんで……。この先、どうせ彼氏なんてできっこないから。それに……ちょうど、処女卒できそうだったから……星見ちゃんの彼氏なら、まだ安心かなって」
「えっと、大丈夫? ノアさんに無理強いされてない?」
「あ、大丈夫、です。……たしかに、星見ちゃんに、してみないかって言われたときはびっくりしたけど……決めたのは、じ、自分なので……」
顔を上げて、僕を見た。
「そ、それで、撮影の内容なんですけど……」
カノンのほうから撮影の段取りを確認してきた。
ノアの同人漫画の参考にするための撮影なので、ノアが望む大まかな流れがある。彼女たちは二人でシチュエーションなどを話し合ったようだった。
二人がしたい構図をまず撮ってから、あとは流れで――という段取りだ。脚本と呼ぶには大雑把すぎるが、別に動画を売り出すというわけでもない。ある程度の、妥協みたいなものはある。
カノンにしてみれば、僕に対してのお試しでもあるだろう。僕にも多少の演技をすることが求められていた。コスプレしてセックスするなら、そのキャラクターっぽい状況でしてみたいのだという。その意見には同意する。
「――カノンさん、最初の挿入シーンなんだけど、これ……」
ノアの描いたコンテを確認する。そこには、I字バランスで立ったままセックスする絵が描いてあった。コスプレする予定のキャラクターのモーションで、脚を高く上げる動作がある。そういう意味ではキャラらしいポーズではあるが、カノンにそれができるのか。
「あ……それ、ですか。大丈夫、です」
そう言い、カノンは左脚を上げた。すらっとした脚が、軸足とほとんど直線上に掲げられた。
ノアには失礼だが、彼女には絶対できないだろうバランス感覚と身体の柔らかさだ。おそらくハヅキにもできない。
思わず、感嘆の声が零れた。
「え、すご……。体操とかやってたの?」
「まぁ、はい……少し……。中学入るときには辞めちゃったんですけど、柔軟は好きなので。……それに、いろいろポーズ取るのに役立つから……」
「じゃあ、ノアもそれ知ってて、カノンさんにこういうことさせようと」
「あ、いえ……そのポーズで、セックスしてみたいって言ったのは、ボクから、です。……あ、あの、あんまり人には言えないんですけど、このポーズで……ば、バイブ、で、したりしてるので……たまに、鏡の前、とかで……」
ノアの友達は想像以上にすごい子だな、僕たちとは別種の変態かもしれないな、と思ったが言わないでおいた。
◇
カノンが準備している間に、僕はカメラをセッティングする。
撮影といっても、そこまで本格的なものではない。型落ちのスマートフォンを設置してのほとんど定点撮影だ。サブの手持ちカメラもスマートフォンを使う。漫画の資料という名目ゆえに、AVほどのクオリティは求められていないが、さすがに手持ち用にアクションカムかジンバルが欲しくなってくる。スマホカメラの性能は優秀だが、撮影機材としての扱いやすさはカメラに軍配が上がる。
持ち込んだライトを壁に照射し、その反射光で光量を確保しておく。天井照明だけだと影が目立つし、肉眼で見えているよりも暗く写ってしまう。そうなると、映像自体もノイズが増えて汚くなったり、不自然に明度差ができたりして写りが悪くなる。酷いときは、カメラを固定しているはずなのに映像がブレブレになったりする。ハヅキとのハメ撮りでわかったことだ。
始める前は、撮れてさえいればいいと思っていた。しかし、一度やりはじめると、簡単に改善できるところだけでも手を入れたくなる。さすがに本格的なカメラやレンズ、照明機材などは費用的に難しいが。
そうこうしていると、カノンが支度を終えて、ベッドルームに戻ってきた。
目の前に現れたのは、さきほどまでの猫背の女の子ではなく、銀髪猫耳の少女だった。
マジシャンとバニーガールをミックスさせたようなデザインの衣装、銀髪猫耳――スマートフォン向けゲーム「エステルディビジョン」のキャラクター「ジェシカ」の再現だった。設定上はカジノディーラー兼用心棒だ。
銀灰の三つ編みハーフアップのウイッグに、紫色のカラーコンタクト。髪と同系色の猫耳カチューシャ。ハイレグのボトムスに前フリルのブラウス、燕尾ベスト、ニーハイソックス。折り返しカフスのついたアームカバー、フィンガーレスグローブ。ショルダーホルスター。白黒を基調としたデザインに、瞳の紫をはじめとした差し色が映える。
銃剣付きのライフルを槍のように扱うキャラクターだが、さすがに今日の衣装に武器まではない。
動きやすさも考えてか、細かいディテールは簡素化されているものの、ぱっと見る限りではほぼ完璧に再現されていると思える。ゲーム内でも身長が高めなキャラクターだからか、カノンのスタイルとマッチしていて、想像していたよりも実在感がある。
彼女のコスプレ姿を「本物」と評するのは、さすがにオリジナルに対して軽薄すぎる態度だが、それでもコスプレした女の子を目の当たりにすると「これ本物じゃん」などと思わずにはいられない。
「可愛いね」
「……そういうこと、他の女に言うんですか? カノジョいるのに」
「いや、実際可愛いし」
「あ、そぅ……」
カノンは、はにかんで視線を逸らした。
「ねえ、カノンさん。こういう衣装ってやっぱり手作り?」
「はい、大体は。でも、今日のは汚れたり壊れてもいいように、海外サイトの安い出来合いコスをいじったやつなんですけど……」
普段は自分で全部作ったり、シルエットや構造が近い市販品をベースに改造して作るのだと、彼女は言った。
「髪短いのも、ウイッグのためだったり?」
「あ、いえ。……これはボク、髪の毛の量が多くて、伸ばしてると膨らんじゃって鬱陶しいから短くしてるだけ、です」
「そうなんだ。なんだか、変なこと訊いちゃったな」
「いえ……」
何枚かコスプレ写真を見せてくれる。中には、いまコスプレしているキャラクターのものもある。
今日の衣装はチープな海外製品を改造したものだと語っていた。たしかにカメラロール内の本気のコスプレは、目の前の衣装とはクオリティが違うのが簡単に見て取れる。
「すごっ。いま着てるのも充分すごいと思ったけど、全然違うね。今度、こっちの本気のも直で見てみたい。はあ~、すごい。可愛いし、カッコいい……。あんまりこういう言い方はよくないんだろうけど、似合ってる」
「ほ、褒め、ますね……も、もしかして、狙ってます?」
「ノアさんの友達だから悪くは言えないでしょ」
「そ、そうですよね。さっきの可愛いってのはお世辞、ですよね」
「本心だよ」
「ふへ……いやぁ、親友の彼氏に可愛いって言われるの変な気分になりますね」
カノンは気恥ずかしげに前髪を整え、ボディスーツの食い込みを直した。
話題を変えようとしたのか、テーブルに置かれたコンドームの箱を手に取った。
「ゴム、XLとか実物初めて見た……」
「無理そうなら、やめとく?」
「い、いや、最後までやる……だって星見ちゃんはこれ受け入れてるんですよね?」
そう言い、カノンは肩から提げたホルスターにコンドームの個包装を入れた。
「……じゃ、そろそろ、始めましょうか」
◇
「う、嘘……あたしがこんな奴に負けるなんて」
イカサマだってしたのに、と呟く。カノンの演技が始まった。
カジノで大勝ちした客に買われてVIPルームで特別サービスをさせられる、といったシチュエーションらしい。このキャラクターの二次創作ではありがちな状況だが、ありがちゆえに作者ごとの個性が出るともいえる。
さて、カノンの演技は声の調子や雰囲気はコスプレ元のキャラクターにかなり近い。強いて言えば、情が乗りすぎている気もする。本物は、もっと淡々とした感じだ。
とはいえ、さすが声優を目指してスクールに通っているだけあって、素人目には演技が上手だと思う。
カノン改め『ジェシカ』は「はぁ、仕方ない」と気怠そうにソファに座る僕を見た。冷とした視線が、ぞくっとする。
「本日はスペシャルルームをご利用ありがとうございまーす。お相手するジェシカ、でーす」
ぶっきらぼうに告げ、小さく頭を下げた。
僕はソファの座面を軽く叩いて、彼女に座るよう促した。
カノンは渋々といった素振りをして、僕の隣に腰を下ろした。彼女が座るなり、僕は肩に手を置き、身を寄せさせる。
「あ、あのお客様……」
どぎまぎする『ジェシカ』の唇に、自らの唇を押しつける。事前に、強引でSっぽい客の設定でと言われていたから、先手を打った。
カノジョの友達とキスするのは、なんとも言い難い趣がある。ノアと恋人関係になったあとにハヅキ《セフレ》とするキスとも異なる背徳感や後ろ暗さを覚える。
「あ、おきゃくしゃっ……んちゅっ……キスは、らめ……」
抗議する『ジェシカ』の口内に無理やり、舌を捻じ込む。彼女は逃げようにも、僕に肩を押さえられているから、ほとんど身動きできず、口づけを受け入れるしかない。
唇を食《は》み、舌先で歯列をなぞる。お互いの唾液が混ざり、水気を帯びた音が口から発する。一旦は閉じた口が再び開いてくる。すかさず、舌を挿し込み、舌先で彼女の舌を叩く。
観念したのか、『ジェシカ』は自分から舌を絡めだした。
マイクに音が乗るように、わざとらしく、ジュルジュル――、クチュクチュ――と音を立ててキスを続ける。その音が、さらに劣情を煽る。
キスをしながら、彼女の手を取って、僕の股間に導く。ズボンの膨らみに触れさせると、彼女は熱を蓄える雄を撫ではじめた。
カノンは僕の下半身に意識を集中させてしまっているのか、キスへの反応が鈍くなった。
唇を離すと、手の動きも止まった。顔を見ると、カノンは熱のこもった瞳で見つめていた。熱い吐息を漏らす口の端からは唾液が垂れ、ほんのり汗ばんだ頬と額には銀色の糸が張りついている。
「直接触って」
「は、はい……お、お客様、わかりました」
ソファから離れ、僕の前に跪いた。
「では、お客様、脱がせますねー」
僕は腰を浮かせ、ズボンとパンツをカノンに下ろさせた。
屹立した雄棒が姿を現す。無遠慮にも恋人の親友相手に張り詰めている。
カノンは目を見開いて、眼前の男性器を見つめている。
「え……彼氏さんの、その……思ってたのよりデカイ……ですね。星見ちゃんがこのくらいとか言って手でやってたの見て、盛ってるなって思ったけど……あはは……こんなの星見ちゃんの膣《なか》に挿《い》れてるとか……えっと……ガチ……なんですか?」
早くもキャラが崩れている。
キャラクターの名前でカノンを呼ぶ。
「『ジェシカ』?」
「ぁ、すみません……こほん……お客様のおち×ぽとっても逞《たくま》しくて見惚れてしまいましたー」
手袋を外し、ペ×スに手を触れる『ジェシカ』。
「おち×ぽ熱い、これが本物……えと……それじゃ、ご奉仕しまーす」
彼女は手を上下に動かしはじめた。
僕はその様子を主観視点になるようスマートフォンで撮影する。
「どーですかー。シコ……シコ……気持ちいいですか~」
「うん、上手だよ」
カウパーが染み出てくる。カノンの手に粘液がつき、扱《しご》く動作で竿に塗りつけられる。滑りがよくなり、クチクチと音を立てる。
手を動かしながら、カノンが上目遣いでこちらを見てくる。次の指示待ちだ。
「しゃぶって」
「……え、こ、これを、ですか」
「ご奉仕するんでしょ?」
「え、ええ、はい……んあ――」
口を開いて、サイズを確かめるように恐る恐る咥《くわ》えていく。温かな口内に、肉棒が埋まっていく。
カノンは可能な限り、雄竿を口中に飲み込んだ。苦しそうに目を潤ませながら、僕を見上げてくる。スマホのレンズ越しに視線が絡む。
「んぶっ、じゅる、れるっ……ぐぷっ――んむっ、ぢゅるる、んぢゅ、ずるるっ……ぷぁ、おっき……ぐぽっ、ぐぽっ、んぶっ……じゅるる、ぢゅぶっ――」
悩ましい声を漏らしながら、ぎこちなく顔を前後させる。胸元に涎《よだれ》が垂れて、染みを作っている。
片手は僕の太腿に添えて、もう片方の手は僕からは見えないが股間を弄《いじ》っているようだった。
カノンの尻のほうにも、スマホだがカメラが置いてある。きちんと撮れているのであれば、彼女の尻が写っているはずだ。彼女もそれをわかっていてか、尻を突き出し気味にしている。
不慣れそうに、口いっぱいに剛棒を頬張り、整った顔を崩す『ジェシカ《カノン》』。その姿を見下ろしていると、よくない気持ちが首をもたげてくる。
スマホを放り投げて、カノンの頭を掴んで自分のペースで彼女の口を堪能して精液を飲ませたい。そういう狂暴な欲が湧いてきてしまう。
そう思いはじめたところで、カノンはペ×スから口を離してくれた。
「けほっ……お客様のおっきくて、疲れます。……最悪」
思い出したかのように、キャラの演技をした。悪態を吐きながらも、ニヤと媚びるような笑みを作る。
「次はー、胸でしてあげます」
ボタンを外して、乳房を曝《さら》け出させる。薄々思ってはいたが、ノーブラだった。
Jカップあるハヅキのせいで感覚が麻痺しつつあるが、カノンもなかなかに立派な胸を持っている。確かGカップだとか。
ぷっくりと膨らんだ綺麗なピンクの肉蕾がうっすらと紅潮した乳房に浮かんでいる。
カノンは胸の間に肉棒を挟み込み、わざとらしく舌を出し、唾液を垂らした。
蠱惑的な笑みを浮かべ、唾液塗《まみ》れの雄槍と柔肉を擦り合わせはじめた。汁が馴染むと乳圧をかけて、ペ×スを乳肉で掴んだ。んしょ……んふ……と吐息を漏らしながら、扱いてくる。
手コキとフェラチオで焦らされ続けた肉柱は、ぎこちないパイズリの刺激でいとも簡単に射精感を高められていく。初めての相手だという物珍しさも快感を加速させた。
先走り汁が唾液のローションに混じって、滑りがさらによくなる。
「さきっぽから溢れて……えっちなニオイ、濃くなってきましたよぉ?」
「ぁあ、気持ちいい……」
「よかった。一応、今日のために練習したんですよ?」
口から漏れた呟きのような喘ぎにカノンは気をよくしたのか、動きと声を大胆にしてきた。
「んっ、んふっ……おっぱいの中で膨らんで――」
「そろそろ……」
小刻みに雁首《かりくび》を双鞠が擦る。射精させるラストスパートに入った。
「射精《だ》しちゃってくださーい」
「ぅ、くっ――」
堪えようとしたが、コプッ――と溢れ出した。始まってしまった射精に反射的に身体が反応する。竿の根元に力を込めて、底から精液を汲み上げる。ビュクッ、ビュルルッ――と、勢いよく噴水のように白濁液が噴き出す。
「わっ――」
カノンは驚いて、胸から手を離した。
精液が顔と衣装を汚す。前髪にまで汁がかかり、鼻筋から小鼻へ垂れ落ちていく。
「ごめん、汚しちゃったけど大丈夫?」
「…………ぁ、うん。大丈夫。でも、彼氏さんは気にしなくていいですから」
カノンは、心ここにあらずといった様子で、胸や顔にかかった精液を指で掬《すく》い、衣装の黒い部分で拭いた。
「うわ、お客様、射精《だ》しすぎ……。にしても、エッチなニオイ……うふ、もっと興奮しちゃいます」
亀頭を濡らす精液を舐めとり、笑う。
「射精したばかりなのに、大きいまま、ですね」
ショルダーホルスターに収納しておいたコンドームの包装を取り出し、僕に差し出した。
「次は、おま×こ《ここ》でご奉仕、させてください」
カノンは壁に背を預けると、脚を開いて股間を突き出した。キャラクターになりきった営業スマイルを浮かべ、片手でボディスーツの股部分の布をずらした。濡れそぼった秘所と、無毛の恥丘が曝け出される。パイパンの実物を見るのは初めてだ。
僕は受け取った袋を開け、見せつけるように剛直にゴムを被せる。
カノンはその様子をじっと見つめている。ちゃんと避妊具を着けてくれるか確認しているようにも、あるいはこれからの行為に期待しているようにも見える。
彼女の傍らに立って、左の太腿を持ち上げさせた。
秘裂に指を這わせる。湿地帯に指が沈んでいく。温かい感触が指を包み、細かめな浅い襞が絡む。
耳元で囁く。
「こんなに濡らして。期待してる?」
「ち、違う。生理反応だから……」
蜜液を指に纏《まと》わせ、ゆっくりと抜き挿しする。それから少しずつ動きを大きくし、グチュグチュとわざと音を立てて蜜壺をかき混ぜる。
声を堪えるカノン改め『ジェシカ』の穴から溢れた愛液が、軸にした右脚の内腿に垂れてきている。
「いいからっ……は、早くお客様、おち×ぽぶち込んで、勝手に気持ちよくなってください」
「わかったよ。けど無理そうなら、言って」
「……気を遣わなくていいですよ。処女相手とか思わなくていい、です。もっと横暴なお客さんを気取ってください」
「ああ、わかった」
左脚をさらに上げさせ、I字バランスの姿勢にする。さきほど見せてもらったときとは違って、壁に手をついて身体を支えている。
改めて見ると、行為中は結合部が丸見えになって、画面映えしそうな体位ではある。普段は決してしない体位に興奮半分、不安半分だ。それに加えて、おもちゃで遊んでいるとはいうが処女には変わりないから、そういう部分も落ち着かない材料ではある。
挿入部が写るようにして、蜜口に雄槍をあてがう。
「っ……こんな体勢で、なんて」
小声で挿入する旨を伝えながら、キツくも柔らかい感触にペ×スを潜り込ませていく。
「っ……ん、んんっ……ぁあっ挿《はい》ってきたぁ。……お客様の、おち×ぽっ、おっきくてかた……ぁん、あたしのおま×こ押し広げられてるっ」
カノンが目の端に涙を浮かべながらも、コスプレ元のキャラクターに近い声色で、挿入の感覚へ感嘆の声をあげる。
最奥に行きつくと、彼女は腰をピクンと小さく震わせた。
コンドーム越しでも、肉棒が溶けてしまいそうなほどに熱い。おもちゃを挿《い》れ慣れているとのことだったが、そのせいか蜜壺が強すぎるくらいの力加減で、ぐっ、ぐっと雄杭を掴んでくる。
「やっば……これ本物すごっ……え、XLはさすがに……お腹苦しい。……星見ちゃんみたいな子に、こんなのぶち込むとか……か、彼氏さん、もしかして鬼畜?」
抑えた素の声で僕に言ってくる。
「やっぱり、やめる?」
「だ、大丈夫。……最後までやって、ください。せっかくの処女卒、撮ってもらってるんですから」
「わかった……じゃあ、動くよ」
「っ……ぁふっ、あっ、んんっ、ん、んっ――」
腰を引き、ゆっくりと突き入れる。思った以上に、深くまで挿入できる。
「あ゛うっ……おち×ぽっ、おっきぃ……ぉ、奥、当たって……ん、ふか、ぃ」
奥をこねるように小突く。カノンの腰が小さく跳ねる。
「どうっ、ですか……あ、あた、しのおま×こ……」
「ああ、気持ちいいよ」
ノアやハヅキとは別の新しい女性、初対面の女の子とのセックス。新鮮に感じているからか、カノンの膣は痛さを覚えるほどの締めつけだが、それでもかなり気持ちよく思える。
「そーですか。……はぅ、それは、んっ、よかった……あ、あたしも、ぁ、んぐ……ぁ、おっ、お客様のおち×ぽ……んっ、きもちいですよー……もっと、あたしのおまん……おま×こでっ、気持ちっ、よくなって……さっさとぴゅっぴゅっしてくだ――ぁぅっ、くださーぃ」
声色に熱と湿気が混じってきた。
上半身では衣装の装飾品がカチャカチャと音を立て、股間ではじゅぶじゅぶと水音が鳴っている。
「はぅ、きもちぃ……本物のおちんち……おち×ぽしゅごっ……」
溢れた愛蜜が軸足のニーハイソックスを濡らしていく。ソックスの黒色が濃くなる。その範囲が下へと広がっていくと、汚れと同調するかのように掲げた脚が下りてきて、ポーズを維持できなくなっていく。
僕は下がってきた腿を支えた。片脚を上げた立ちバックの体勢になった。さきほどよりは突き入れやすい体位だ。AVや漫画でよく見る。
彼女の体幹やバランス感が優れているからか、あるいは身長が近いからか、腰を振りやすい。姿勢が変わり、挿入感も変わった。
それはカノンも同じようで、嬌声のトーンが上がった。
「あんっ、これ……んん゛っ、責められるのやばっ、これだめっ、ぁう゛っ、だめなとこあたって……ぃっ――」
カノンは消え入りそうな声で「イく」と呟き、ガクガクと腰を震わせた。
さすがに危ないと思って、腰振りを止め、支えていた片脚を床に下ろす。いわゆるオーソドックスな立ちバックの体勢にさせる。
中断した僕に、『ジェシカ』が訊ねる。
「お、お客しゃまぁ……射精、しましたかぁ」
「まだだよ。なに先にイってるの?」
「はい……もうしわけっ――あ゛うっ、いきなりっ」
僕はS心を出してみた。腰を掴んで、股間を打ちつける。さきほどの片脚を上げた状態よりも安定感があるから動きやすい。どこまで強く突いてもいいか探りながら、ピストン運動を続ける。
「お゛っ、え゛うっ……ん゛ん゛っ……もっ、もっとパンッ、パンッって、必死に腰振って……せ、せーし出してっ……ぁあ゛っ、い゛っ」
カノンは耐えつつも演技しようと努めている。しかし、濁点混じりの喘ぎ声が増えてくる。カノンは初体験だから知らないだろうが、後背位で奥を突けばこうした声が出るのは当然の反応だ。可愛い声が台無しだが、それはそれで興奮する。
「さっきまでの可愛い声はどうしたの?」
「え゛う゛っ、お゛っ……お、おきゃくしゃまっ、ん゛……むりっ、これ……お゛っ……むりっ、むりっ、ぃっ……え゛っ、ぅう゛っ……えんぎ、なんて……お゛、ぉう゛っ、きもちっ、よしゅぎて――」
カノンの開きっぱなしの口からは喘ぎとともに涎がボタボタと垂れ落ちて、蜜壺からも同じように淫蜜が滴り落ちている。肉孔も、最初のほうの緊張が解けてきたのか、柔らかくなってきて、僕のペ×スに馴染んできている。
自分とのセックスで女性が快楽を覚えている。そのことに昏《くら》い悦びが駆け巡る。カノジョの親友ともなればなおのことだ。お互いに、ある意味ではノアにセックスさせられている立場だ。そのはずだったが、のめり込んでいる。行為を始める前に抱いていた罪悪感や遠慮が溶けていく。
「いいよ、イって。こっちもそろそろ射精《で》そう」
「は、はいっ……お゛、お、おきゃくしゃま、いつでも、らひてっ、くだっ、ひゃ――」
パン、パン、バチュ、バチュと盛大に音を立てて腰をぶつける。頂上まで駆け上っていく。
「射精《い》くっ」
突き刺し、解き放つ。
僕の言葉と、射精開始を告げる肉棒のわななきに、カノンは腰を震わせながら肉孔を窄《すぼ》めてくる。そして、声にならないほどの掠《かす》れた叫びをあげた。
ガクガクと震えるカノンの腰をしっかりと掴んで、僕もビクビクと腰を震わせながら彼女の奥深くで精を吐き出す。
射精が終わり、カノンから離れると、支えを失った彼女はふらふらと壁に寄りかかった。
急いでスマホのレンズを向けると、カノンは荒い息を整えながら、照れくさそうに笑った。
「はぁ、はぁ……はぁ……き、気持ちよかった、です」
「よ、よかった」
嘘か真かわからないが、僕はひとまず安堵した。とりあえず、一回は事が済んだ。
「ちゃんと、撮っててくださいよ」
カノンは壁から背を離すと、僕の前に跪《ひざまず》いた。精液の重みで垂れ下がった、いまにも外れてしまいそうなコンドームの先端部の膨らみを掌に乗せた。
「いっぱい射精《で》ましたね――ふふ、ホントに言っちゃった」
ニマニマと口の端を緩ませ、コンドームをペ×スから取り去ると、その使用済みコンドームを顔の横に持ち上げ、揺らした。黄色がかったコンドームの素材に、中の白濁液が透ける。それから、袋を逆さにして、中の液体を胸に垂らした。双鞠の曲線に沿って、精液が衣装に染み込んだり、谷間に流れ込んだりしている。むわっと、漂白剤に似た独特な臭気が立ち昇る。
「どう? エッチでしょ。ボク、こういうの好きなんです。女の子が精液でドロドロになるの。実際に自分でしてみると、気持ちいいですね……さっきのパイズリで顔にかかったのも……ほ、本当に興奮しました……」
カノンは伏し目がちに言った。
たしかにエロいとは思う。ただ、僕の視点は彼女とは違う。己の愛液に塗れた使用済みコンドームを女性が持って、中身を確かめている様子が好きなのだ。それを改めて認識した。生セックスもいいが、ゴムありセックスの事後感もいい。
加えて、中身を女性が垂らすというのもよいと思った。思った以上にぐっときた。
今度、ノアにも使用済みコンドームから精液を零してもらおう。
そう考えていると、肉棒は萎えきらずに立ち上がってきた。