ぺにじょ 生えちゃった女の子

著者: 瀑龍

電子版配信日:2021/01/08

電子版定価:660円(税込)

(どうして!? 私に男の子の××が生えてくるなんて)
ごく普通の女子×生・佳奈の秘密は「性器の男性化」。
元の身体に戻るため、学校の先輩・冬子や、
美人女医の桐生唯先生に悩みを打ち明けるも、
なぜか治療法は、セックスで相手をイカせるしかない!?
佳奈の不条理すぎるエッチライフの結末は……。
(フランス書院文庫換算 250P)

●見出し

一章 性変デート
二章 先輩からの射精検査
三章 逆転バスルーム
四章 女の子センズリで生えちゃうっ!
五章 白衣の屈辱精液検査
六章 ペニスまみれの複数プレイ
七章 凌辱トイレット
八章 嬲姦! 二穴ダブル挿入
九章 愛と勇気とぽっかりアヌス

登場人物

かな 女子学生

ふゆこ 女子学生

ゆい 女医

本編の一部を立読み

「行かなくちゃ」
 佳奈は急いで和也の家を出た。近所の家から見られているような気がして、しばらく素知らぬ振りで歩き、曲がり角で振り返った。和也が部屋の窓から手を振るのが見えた。
 日暮れまで一時間ほどある。佳奈の家まではバスなら二十分ほど。けれど佳奈は歩いて帰ることにした。小説や漫画や映画で見た、恋人と結ばれた後の帰り道、という時間を楽しみたかったのだ。
 商店街を歩く。すれ違う人が、全員佳奈のことを見ているような気がしてしまう。恥ずかしいような、誇らしいような気がして口元がほころぶのを抑えきれない。あくびをこらえる振りをして、片手で唇を覆った。
「あ、やだ……」
 唇の周りに、乾いた和也のエキスの香りが残っていたのだ。バッグから手鏡を出した。和也からの誕生日プレゼントだ。唇の見た目は変わらない。デートのために背伸びして施したメイクも、すっかり落ちてしまっている。
(なんだか、エッチしたての顔してるみたい)
 すぐ先にファストフードの看板があった。他のチェーンより値段は少し高いが、トイレが広く、洗面台には椅子もあることで、女性には人気の店だ。
 紅茶の注文だけを先に済ませ、佳奈はトイレに向かった。ハンカチを湿らせ、唇を拭く。和也のペニスの感触や、荒々しい汗の匂いを思い出して、鏡の前で赤面してしまった。
 と同時に、もう一つの欲求が増していることに気付いた。
(彼の家でトイレなんか借りられないし。ずっと我慢してたから)
 個室のドアを開けた。この店のトイレはきれいで広い。バッグを棚に置き、ワンピースをたくしあげる。今日のデートのためにおろした、黒地にピンクの水玉のショーツを膝まで下ろし……。
(ん?)
 違和感を感じた。
「ほぇ?」
 間の抜けた声が出てしまった。
 下着を脱いだその中には、薄めの黒い茂み。そこまでは見慣れた景色だ。
 ところが、その下から何かが突き出していた。肌色の、まるで小さめのソーセージのようなもの。それがぷらん、と垂れ下がっているのだ。
「ええっ!」
 佳奈の悲鳴が、トイレに響いた。
 そこにあるのは、どう見ても男性のペニスだったのだ。
(いやいやいや、そんなばかな)
 それは子供の頃にプールや温泉で見た、少年のそれによく似ていた。朝顔の蕾のように先が細く、根元から太い部分まではつるりとしているのに、先端の皮は少し縮れている。それどころか、つるりとした小さなバナナの下には、小さな膨らみまで並んでいる。
 気が動転して、何が起こっているのか分からない。先端をつまむと、確かに触られている感覚があった。強く引っ張ると、小さな痛みを感じた。
(何なの? 生えてるよ、これ)
 最初に思いついたのは、和也とのセックスによる後遺症だった。激しい動きや、身体の変化で、クリトリスが腫れててしまったのかと。しかし、出血もなければ痛みもない。まるで自然に、そこにあるのだ。
 立っていられず、そのままトイレに座った。突然現れた器官を引っ張り、持ち上げ、そして気付いた。
(無いっ!)
 あってはいけない器官があるだけではない。
 つい十数分前までそこにあり、和也に愛され、そして驚くほどの快感を与えてくれた器官が。ないのだ。和也のペニスを受け入れたはずの扉と、その奥に続く洞窟はなく、代わりに小さく皺を刻んだ、こりこりしたものが並んでいる。完全に男の下半身になっている。
 夢や幻覚であって欲しかった。しかし何度確認してもそれは現実。
(病気? それとも、和也が激しくしすぎたから?)
 これまで、自分の指でそこを慰めても、先ほどのセックスのような強烈な快感は得られなかった。早熟で、好奇心の塊のような佳奈は、小学生の頃から、下着に包まれた部分に刺激を与えて、軽いオーガズムを得ていた。高校生になった頃には、仰向けになって片手の指をV字にして露出した真珠を、濡らした絵筆や、時には電動歯ブラシを使うと、全身を強い快感が貫くことも憶えた。
 しかし、今日のように、気を失うほどのオーガズムは初めてだった。
(とにかく、なんとかしないと……。まずは誰かに相談して)
 最初に思いついたのは和也の顔。けれど、自分のこんなグロテスクな姿を見せるわけにはいかない。
 病院に行こうにも、何科に行くべきかすら分からない。そもそも、婦人科や泌尿器科というのは、健康な高校二年に佳奈には想像もつかない場所なのだ。
(そうだ。冬子先輩がいる)
 同じ高校の先輩で、佳奈にとって『エッチの先生』である大学生の冬子のことを思い出したのだ。『男の子にウケる服装』、『最初のキスの受け止め方』を教えてくれた。『身体の関係になりそうな日は、デート前には水分を控えて、トイレは禁止』というアドバイスも冬子から受けたものだ。
(冬子先輩しか、いない。こんなエッチな相談は他の人にはできないし)
 トイレの個室で、下着を下ろしたままの姿で携帯電話を取り出し、震える指でメールを送る。
『先輩のアドバイスで彼とうまくはいきましたが、なんか大きなカラダの問題が発生です。これから行ってもいいですか?』
 なんと表現していいか分からない。自分で読み返しても、謎のメールになってしまった。
 画面に送信完了の表示が点いてから数分。携帯電話が震え『冬子先輩』とメール着信の表示が光った。
『多少なりとも役に立ったみたいで良かった。大きな問題という思わせぶりな表現で私の気を引くとは、非処女の余裕かな。今日は自宅にいるよ』
 詳しく伝えていないから当然だが、のんきなメールが返って来た。とにかく誰かに相談したい。さしあたって、冬子以外には思いつかなかった。そして、こんな身体になってしまったことを和也にだけは知られたくない。
 携帯をしまい、下着を上げる。黒い生地の裏側に、大きな沁みがあった。和也が下着を脱がさずに、さんざん指で弄んだせいだ。溢れた蜜が乾いて、生々しい匂いを放っていた。
(どうして私がこんな目に? エッチすぎたせいで、こんな身体になっちゃったの?)
 唇を噛んでトイレを出る。化粧どころか、本来の用事も済ませなかった。股間に生えた器官のショックは尿意すら消えるほどだったのだ。

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