01/23 電子版発売

寝取られてよ小鳥遊さん 俺以外攻略不可能な恋人を親友に抱かせてみた

著者: 懺悔

電子版配信日:2026/01/23

電子版定価:770円(税込)

「小鳥遊さん。俺以外の男に抱かれてください」
凛々しくもその裏に豊満な身体を隠し持つ俺の恋人・小鳥遊さん。
俺の無茶な願いを「鋼太郎の望みなら」と気高く受け入れてくれた。
親友・翔の猛烈な愛撫で、不落の牙城だった彼女から漏れ出す甘い声。
その光景は理性を狂わせるほど残酷で、同時にかつてない興奮を俺に……
懺悔、渾身の書き下ろし! 背徳の果ての絆を描くNTR系純愛物語!

目次

プロローグ 龍と鋼


第一話 背徳の試練


第二話 不落の牙城


第三話 愛のカタチ


エピローグ 絆の極致

本編の一部を立読み


プロローグ 龍と鋼



 名は体を表す。
 有名な言葉である。
 その一例が俺の身近に存在していた。
 小鳥遊龍姫(たかなしたつき)。
 俺が付き合っているカノジョである。
 入学式で目にしたその凛々しい美しさと威風堂々とした物腰に一目ぼれをして、翌日には告白していた。そして振られた。しかしそこから俺は諦めることなく思いの丈を愚直にぶつけ続け、半年後には交際が受け入れられた。
 それから二年、俺と彼女の交際は続く。
 話を元に戻そう。
 名前とその人の本質の関連性だ。
 小鳥遊という苗字は、小鳥が遊ぶほどに平和で鷹が居ない、ということを意味しているらしい。そして龍姫という名前については説明する必要が無いだろう。つまりは龍の姫が鎮座している空間には鷹が寄りつかず、小鳥がさえずっているということだ。
 まさにその字面を体現するような雰囲気を彼女は有している。
 弓道部の部長で、その静謐に秘められた勇ましさたるや、生まれた時代さえ違えば巴御前と並び称されただろう。彼女の放つ矢は龍の咆哮である。
 俺がそんな論説を熱弁すると、彼女は決まってこう返す。
「君も名前通りの人間だ」
「そうかな」
「岩崎鋼太郎(いわさきこうたろう)。その名に恥じぬ強靭な精神を持っている。加えて体躯も立派だ。親御さんには感謝した方が良い」
 無駄に迫力のある巨体はともかく、彼女の言う強靭な精神というものに俺は自覚が無いといった顔を見せると彼女は呆れたように言う。
「君は何度断られても私に恋慕の念をぶつけてきたじゃないか。途中からはその不屈に感服すら覚えていたよ」
「最終的に小鳥遊さんからオーケーを貰えたのは自分でも驚いた」
「絆された、ということになるのかな。君の誠実さをあれだけ定期的に真正面からぶつけられては、私もひとたまりもなかったということだ」
「今思うとしつこくて不快にさせてしまう可能性もあったと反省しているよ」
「君はちゃんとその辺も配慮していたように見えたが。そういった面も含めて好感を抱いたんだ」
 その歯に衣着せぬ物言いに安心する。
 小鳥遊さんは適当なお世辞を口にしたりはしない。
「君に初めて告白されたのがつい昨日のことのようだ」
 そう口にする彼女の言葉に俺が付け加える。
「もうあと半年で、卒業だもんね」
 この二年半はあっという間だった。俺のあまり明晰とはいえない頭脳には、小鳥遊さんとの思い出がはちきれんばかりに詰まっている。
 初めてのデートでは、緊張しすぎて手足が揃って歩いていた。
 初めてのキスでは、緊張しすぎて勢いのあまり前歯を当ててしまった。
 初めてのセックスでは、緊張しすぎて勃起しなかった。とはいえ彼女の名誉の為に補足しておくと、小鳥遊さんの裸体は非常に魅力的である。その顔と同様に透き通るような白い肌。そしてしなやかな四肢に反して、グラマラスな肉付きというギャップは感銘を覚えるほどに官能的だ。
 ともかくそんな俺達はもうすぐ卒業を迎える。
 お互いに推薦が決まっているので、受験勉強に勤しむ必要は無い。だからこうして放課後に学校の中庭でのんびりと談笑を楽しんでいた。
 ようやく残暑が終わり、ほんのりと涼しい風が吹くことが多くなっている今日この頃である。
「鋼太郎。君は何かやり残したことは無いか? いくつになっても青春は楽しめるとは言うが、学生のこの時間は唯一無二だと思うぞ」
 小鳥遊さんは水筒から温かいほうじ茶を注ぐと俺に手渡しながらそう言った。俺はお茶を啜りながら考える。
 そして答えた。
「これ以上望むべくもない幸せな時間を過ごさせてもらったよ」
「本当にそうかな?」
「どういう意味だい?」
「君は遠慮がちな人間だ。それも美徳の一つだろう。しかしそれでは私が寂しい時もある」
 俺は黙って小鳥遊さんの言葉に耳を傾けた。彼女の声はとても澄んでおり、清流のさざめきのように心地良い。
「つまりだ、たまには恋人からワガママの一つも言われたいということだ。私のような武骨な人間にも、母性などというものが存在したのだなと自分でも驚いている」
「ワガママと言ってもな。小鳥遊さんにお願いしたいことなんて特に……」
 無い、と言おうとしたら彼女が遮った。
「あるだろう?」
 低く抑えたその声は、龍の姫の凄みを備えている。
 俺はとんと見当がつかずに首を傾げていると、小鳥遊さんはやれやれとため息をつきながら自身の鞄から何やら本を一冊取り出した。
 それを目にした俺は瞳が弾丸のように飛んでいきそうなほどに驚愕する。
「な、何で小鳥遊さんがそんなものを!」
「先日、鋼太郎の部屋でデートをした時に偶然見つけ、隙を見て拝借した」
 それは俺の所有している成人向け同人誌だった。所謂エロ本である。同人誌は電子で手に入れる機会は少ないので、どうしても紙媒体での所有となることが多かった。
 口があんぐりと開いたままの俺を余所に、小鳥遊さんは堂々とした素振りのまま続ける。
「恋人とはいえあくまで他人だ。このようなモノを勝手に持ち出すのはルールに反しているとは思う。しかし私はどうしても見過ごすことが出来なかった。分かるな? 彼氏である君がこんな嗜好を有しているのであれば、私としても看過できなかったのだ」
「……で、どうしたの」
「しっかりと隅々まで目を通し、学習した。この作品以外にも同ジャンルの作品を購読し、私なりに理解を深めたつもりだ」
 そう言いながら彼女が手に持つ俺のお気に入りの同人誌のタイトルは、『寝取られパラダイス』だった。
 小鳥遊さんは続ける。
「独りよがりの考えにならないよう、自分だけの考察だけではなく、インターネットで他者の意見も漁った。この寝取られという性癖は嫉妬、無力感、敗北感、背徳、それらが起因となる。合っているか?」
「……まぁ、概ね」
「ともかくだ、私たちもそれなりに交際期間が長い。性交渉だって何度も交わした。その中で鋼太郎は非常に紳士的だった。私はその在り様に感銘すら覚えたものだ。しかしその実、君は自身の欲望を抑えて私を愛してくれていたのだ。私は敬意を払うよ。そして同時に歯がゆい思いもある。君を満足させてあげられてなかったのだから」
「いやそんな大げさな。そういうのはあくまでフィクションとして楽しんでいるだけだから」
「そうなのか? じゃあ鋼太郎は、その、なんだ……私が寝取られている姿を見て興奮を覚えるわけではないのか?」
 小鳥遊さんは常に大真面目である。
 俺もその疑問に対して真摯に応えなければならない。
「……そうだな」
 頭の中で、小鳥遊さんが他の男に抱かれている姿を妄想した。俺は一瞬で勃起する。
 スラックスの股間が隆起したのを小鳥遊さんは見逃さなかった。
「ふむ。健全なる男子の反応」
「……くっ……俺としたことが、不甲斐ない」
「恥じることは無い。人には性癖というものは付きまとうものだ。臭い物に蓋をするのではなく、そんな己と向き合うことが大切だと思う」
「小鳥遊さん……」
 改めて、器の大きい彼女の凛々しさに惚れ直す。
「それで、実際のところどうなんだ? 君が強く望むなら、私としてもそれを叶えてあげたいとは思う」
「……小鳥遊さんは、他の男に抱かれても良いの?」
 その問いに、彼女は腕を組みながら目を閉じて即答した。
「無論、想像しただけで悪寒と苦々しさで満たされる。君以外の男性に肌を晒すことも筆舌に尽くしがたい。私はね、君が思っている以上に君に惚れこんでいる。私の相手はもう君以外に考えられない。気が早いとは思うが、将来君と築く家庭も考えていたりする」
 その答えに俺は安堵する。
「参考までに聞かせてもらって良いかな」
「二十五歳までにお互いの職を安定し、貯金もそこそこ貯めたところで結婚。子どもは二人。男の子と女の子が一人ずつ。どうだ?」
「良いと思う」
 小鳥遊さんは息を吐くと、懐かしむように空を見上げた。
「全く。初めて君から告白された時は、こうまで心を奪われるとは思わなかった。いつからだろうな。君の愚直さを愛しいと思ったのは」
 中庭に優しい風が吹く。
 俺は彼女の装飾の無い言葉を受けて、己も誠意を見せるべきだと全てを曝け出す覚悟を決めた。
「分かった。正直に言う。俺は確かに寝取られという性癖を持っている。そして他の男に抱かれる小鳥遊さんを想像して興奮したのも確かだ。それでも、君が嫌がることを強要したくはない」
 彼女は目を瞑ったまま、満足気にうんうんと頷く。
「それでこそ岩崎鋼太郎だ」
「だから俺の性癖なんて気にする必要は無い」
「いや、それは違うだろう。私はな、君を愛しているんだ。岩崎鋼太郎を幸せにしたい。それが私の至上の喜びだ」
 頑固一徹な顔つきである。こうなった時の小鳥遊さんは手強い。龍のように恐れを知らず、覇者として振る舞う。
 彼女は続けた。
「ただでさえ君は私に対して心からの要望をあまり口にしない。それがとても寂しい」
 小鳥遊さんの俺を想う気持ちが強く伝わってくる。彼女は伊達や酔狂で言葉を発する人間ではない。
 もう、『覚悟』を決めているのだ。
「……それじゃあ、俺の夢を叶えてくれるっていうのかい?」
 小鳥遊さんは胸を張って堂々と答える。
「それが私の生き甲斐だ」
 俺は両手で顔を覆い、押し黙って考え込む。
 彼女の決意は堅い。
 しかし俺はどうだろうか。
 たとえそれが俺の性癖だとしても、現実に恋人が他の男に抱かれて正気でいられるだろうか。
 興奮を上回る絶望が容易に想像できた。
 それでも、こんな機会はきっと無いだろう。
 抑えきれない好奇心と臆した心が葛藤している俺の前に、小鳥遊さんが仁王立ちでそびえたつ。なんたる風格。
「鋼太郎よ。一つだけ断言しておく。私の身体が他の男に好き勝手されようが、心が寝取られることは絶対に無い。百パーセントだ。私の心に、君以外の男が入り込む余地は無い」
 そこまで一息に言い切ると、彼女は一呼吸置いて穏やかな笑みを浮かべた。
「なので、正直なところ寝取られ好きの鋼太郎にとってはつまらない結果になると思う。それは前以て理解しておいてほしい」
 ここまで言われて悩んでいては男がすたる。
 小鳥遊龍姫の彼氏として、俺は奮起せねばならない。
 俺は立ち上がり、彼女に頭を下げた。
「小鳥遊さん。俺以外の男に抱かれてください」
「承知した。大船に乗った気で見届けてくれ」
 こうして俺と小鳥遊さんの、寝取らせプレイが始まったのである。

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