本販売日:2026/02/20
電子版配信日:2026/03/06
本定価:935円(税込)
電子版定価:935円(税込)
ISBN:978-4-8296-4857-5
「いっぱい出るね。お腹の中、熱くなってきちゃった」
俺に跨がり男根を搾るように柔腰を揺らす美月。
唯一の女友達が人妻になり、俺の家でお手伝いさんに!
高校時代にほのかな恋心を抱きつづけていた彼女と、
まさか、甘く淫らな主従関係を結ぶことになるなんて。
売上ナンバー1作家・懺悔が贈る至高の官能小説!
プロローグ 俺の友達
第一話 性欲処理は家政婦の業務の一環です
第二話 生の性交渉がもたらす快楽は甚大です
第三話 メイド服姿でのセックスは最高です
最終話 人妻の女友達との子作りは禁断です
エピローグ あたしの旦那様
本編の一部を立読み
プロローグ 俺の友達
高校生になっても結局学校での居心地の悪さは中学の時と何も変わることはなかった。
人と関わりを持つのが苦手な俺は、休み時間も教室の隅っこで独りの空想に浸っている。
ノートや教科書に自分の好きな漫画のキャラを落書きしながら、そのキャラと二人で冒険をするのだ。
孤独には慣れている。物心ついた頃から両親との関係も希薄だった。愛されていないわけではないと思う。単純に彼らは仕事が忙しいのだ。おかげで俺の家はかなりの資産家らしい。何の不自由も無い生活をさせてくれているだけでも感謝である。
クラスメイトが友達と談笑している光景に目を向けると、少しだけ胸がざわめく。
きっとそれはコンプレックスなのだろう。
しかし俺は声を大にして、友達が欲しいと願う勇気が無かった。
大丈夫。
友達という存在に羨望こそすれ、現状を憂いているわけではない。俺はけして不幸ではないのだ。
俺はひたすら落書きに没頭していく。
今描いているのは特に最近お気に入りの漫画に出てくる女性だ。世の中に蔓延る巨悪を影から始末していく現代の忍びである。年齢は公表されていないが二十代だろう。眼鏡に黒い長髪。知的さを醸し出している整然とした物言いに惹かれている。
彼女との疑似恋愛を脳裏に浮かべると筆が滑らかに走った。
絵を描いている時は、何も考えずに済んで楽である。もしかしたら、自分は寂しいのではないかという疑問を持つことも無い。
「ぎゃっはっはっ」
隣からは女子の集団の笑い声が聞こえてくると集中が途切れた。その喧騒はお世辞にも品性があるとは言えない。
いわゆるギャルと分類される集団で、心のどこかで見下している。きっと彼女達は陽気で軽薄な男が好きで、俺のような陰気なオタクは笑いものにしているに違いない。
馬鹿にされる前に馬鹿にしてプライドを守る。自意識だけは一人前だ。我ながら下らない防衛本能である。
まぁそんな人種ともこの高校生活で関わることもなく、学校を卒業したら一生交わることもないのだ。
俺はもう一度妄想の世界へと飛び込もうとする。
そんな俺の肩を、細く長い指が突いた。
「ねぇ。それってさ、『忍者ハッタリちゃん』に出てくる秋雨じゃない?」
他人に触れられることはおろか、声を掛けられることもろくに経験してこなかった俺はその場で飛び上がりそうになる。
顔を横に向けると、馬鹿騒ぎしていたギャルの集団の一人が横に立っていた。彼女の名は確か、雨宮美月。
ネコ科の動物を連想させる可憐な、それでいて大人びた顔つき。アーモンド形の大きな瞳はどこか人懐っこい。あとやたらとまつ毛が長い。スカートがやけに短く、爪にはネイルアートが施されていた。
「そ、そうだけど」
発声もままならない俺に、彼女は覆いかぶさるように接近する。頬と頬がくっつきそうだ。
後ろで束ねた毛量の多い髪の毛は赤っぽい明るい色をしており、そこから放たれるシャンプーの香りが鼻腔をくすぐった。そこにほんのりと香水も混じる。その芳香はけして派手過ぎずに、程よい甘さを感じた。
「好きなの? てか絵上手くない?」
あまりに距離が近く、俺は思わず心身ともに硬直する。
「ん? どした? おーい」
彼女の呼び掛けに俺の思考回路が何とか再開する。
「あ、ああ……うん。秋雨、好き……絵は、上手くない、と思う」
片言になった。
「え~。絶対上手いって。てかさ、秋雨も良いけどあたしは小雪が一番好きなんだよね」
小雪とは俺の好きな秋雨の相棒的なキャラである。
「へ、へぇ……無口なところがクールで良いよね……」
「そうそう。お喋りなあたしと全然違うっていうか。ああいう女の子に憧れるんだよね。親からはお前は口から生まれたからいつもやかましいんだって小言言われてる」
そう言ってケラケラと笑う。
彼女の笑顔は、俺の中に沈殿していた何かを洗い流すかのように豪快かつ爽やかだった。
「えっと、ところで君は何君だっけ?」
「あ、あの、七海、拓郎」
彼女は俺にさっと手を差し出す。
「あたし、雨宮美月。よろしく」
「よ、よろしく」
恐る恐るとその手を握る。初めて握る女の子の手はしっとりとしていて、何だか感動した。
何度か彼女の方から握った手をぶんぶんと軽く振ってから離す。
「ナナっちさぁ」
「え、ナナ……え?」
「ん? 今決めたあだ名。気に入らない?」
「いや、別に……大丈夫」
「じゃあ……雨宮さんで」
「やば。超普通。ウケる」
本当に愉快そうに手を叩いて笑う。きっと箸が転んでも楽しいのだろう。
「でさ、ナナっちさ、小雪描ける?」
「あ、うん、多分」
「本当? じゃあ描いてくれたらめっちゃ嬉しいかも」
「わ、分かった」
俺はずっと会話の支配権を握られっぱなしだった。雨宮美月はその名の通り月のように美しく、それが余計に俺をドギマギとさせた。しかし彼女は月というよりかは太陽を連想させる。
ともかく雨宮さんは黙ってじっと俺の挙動を見つめた。
「あ、あの……」
「ん? 気にしないで。ほらほら」
「いや、ちょっと……そんな見られてると……」
「何々。ナナっち声小さいよ」
そう言いながら彼女は気さくに俺の背中を叩いた。
「……恥ずかしい、かもしんない」
「そうなの? じゃあまた声掛けるね」