私も味わってください お弁当屋さんの母娘

著者: 天童安久徒

本販売日:2025/05/23

電子版配信日:2025/06/06

本定価:957円(税込)

電子版定価:957円(税込)

ISBN:978-4-8296-4801-8

「お店でこんなこと……。乱れちゃダメなのにっ」
カウンター裏で愛液を滴らせ、美尻を突き出す愛由美。
お弁当屋さんの美人店主と、閉店後に密会する仲に。
世話焼きな未亡人のHカップに溺れる至福のひととき。
母との関係を知った娘・美幸は処女を捧げてきて……
仕事で疲れた裕司を癒やす、母娘二人のおもてなし!

目次

プロローグ

第一章 美人店主と秘密の晩酌 お世話焼きたくなっちゃうわ

第二章 夜の常連客 カウンター裏でするなんて…

第三章 看板娘の初体験 ママとはエッチしたんですよね?

第四章 日替わり母娘弁当 今日は私を味わって

第五章 裏メニューの3Pエッチ 娘とどっちがおいしい?

エピローグ

本編の一部を立読み

プロローグ

 裕司は見飽きたアスファルトの道を歩いていた。毎朝通勤に使う、飽き飽きしながらも別の道を探そうとも思わない途中経路のこと。住宅街から大通りへ向かう宙ぶらりんな一車線の道だった。
 新卒から三年経って、春の景色にも心と身体が馴染んできたようだ。
 新鮮な気持ちで桜を見上げられた年頃には、ありがたみなど感じないものである。住宅街の桜並木の下を小走りに駆けてくる少女もまた、頭上を見上げる余裕もなさそうだ。艶やかな長い黒髪を桜の花弁が蝶のように避けていく。新生活への期待にか、素直な光を帯びた瞳が裕司を捉える。いや、ずっと捉えている。
「おはようございます裕司さんっ。すみません、いってらっしゃいっ」
「おはよう。美幸ちゃんもいってらっしゃい。転ばないよう気をつけて」
 距離が縮むにつれて歩調が緩むのが分かった。時間に追い立てられていることも目元の緊張から伝わってくる。軽く手を上げインスタントな見送りを済ませてやった。満面の笑みを花開かせた少女は腰の高さで手を振り返して駆け抜けていく。
「またお店でー!」
 出勤前に寄る弁当屋の一人娘だ。大学生も一年生なら朝一から講義があったはずだなと、駆けていく背中を見送った。自転車で通学していた高校時代は、早朝のレジを手伝っていた。裕司が新卒から三年ということは、顔見知りになって三年ということでもあった。
 住宅街にひっそりと佇む弁当屋が見えてくる。高齢の店主が営んでいた小さなコンビニエンスストアを、居抜きで買ったらしいと聞くが、裕司は昔のことを知らない。
 赤いひさしの下を潜って店に入ると、清掃の行き届いた店内には、ぐるりと弁当が並べられている。今朝もレジには店主の松前愛由美が立っていた。『弁当のまつまえ』という、店名が記されたクリーム色のエプロンは、接客用なのか染み一つない。
「いらっしゃいませ。裕司さん今日もありがとうございます」
 娘の美幸は目を見張るようにして顔中で笑うが、愛由美は柔らかく目を細めて笑う。笑顔が自然な微笑に戻ると、なるほど母娘だと思う。三角巾にまとめた黒髪の艶も、細い首から肩へなだらかに抜ける曲線の雰囲気も、どことなく似ているのだ。
 端正に整えられた眉の下には、人生の素朴な辛酸を知る者の瞳が。最低でも干支の一周程度は歳上のはずだが、愛由美に眩しそうな目で見られてしまえば、裕司の瞳は落ち着きを失う。
 売り場に広げられた弁当の一つを手に取る。
「これ一つお願いします」
 平日に買う弁当は大抵決まっている。日替わりの特製弁当は、品数とボリュームの割に値段も安いのだ。毎朝一つ確保してくれるようになった時期は覚えていない。
「はい。一つお願いします」
 愛由美が手早く弁当を袋にまとめている。形の良い耳の端から後れ毛が覗いて揺れていた。
 美人店主と常連客。このままの関係が続くのだろうと、裕司は思い込んでいた。

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