本販売日:2025/07/23
電子版配信日:2025/08/01
本定価:935円(税込)
電子版定価:935円(税込)
ISBN:978-4-8296-4813-1
その世界では家族でセックスするのが「普通」だった!
家庭で息子の童貞を奪うのは母の大事な役割。
母子で仲睦まじくラブホに入り、浴室で裸で抱き合う。
眠った夫を放っておき、我が子の寝所に忍び込む。
母と子が、兄と妹が、(時には)母と娘が、禁忌を越え、
本気で男女として愛し合ってしまう狂った日常!
第一章 母が我が子の童貞を奪うのが「当たり前」の世界
第二章 エスカレートする性教育という名の母子交尾
第三章 母とセックスしないと出られない部屋
第四章 禁忌を越え、本気で愛し合ってしまった母子
第五章 堅物女教師の母が隠していた密通願望
第六章 息子に調教されてM性を開発される淫母
本編の一部を立読み
第一章 母が我が子の童貞を奪うのが「当たり前」の世界
(ついに……ついにこの日がきたわよ。あああ……どれだけ待ったことか……。やっと……あの子に性教育ができるんだわ……)
一ツ橋美波は、内容証明郵便の封筒を手に心が宙に浮く気分だった。差出人は、『性教育省××県出張所』と読めた。息子への性教育、要するに童貞を卒業させることを命じる通知だった。
これが届くのを、どれだけ待ち焦がれていたことか。これで、誰にも遠慮することなく、息子に性を教えてあげられる。なんと言ってもそれが義務。従わなければ罰則が下るのだから。
一ツ橋美波は三十八歳。栗毛超ロングの髪が美しい。卵形のフェイスラインと垂れ目でセクシーな双眸は、歳を感じさせない。胸と尻が豊かだが腰が細い、見事なバンキュッボン体型。とても十代の子供がいるとは思えない。
職業は専業主婦。家事万能でご近所付き合いもうまくこなす。SNSで料理のレシピを発信し、大バズりしている有名人でもある。まさしく、妻、母の鑑と評判の存在。
が、その実は重度のムスコン。息子の遙人を溺愛するダダ甘な母親だ。実の息子に、母の愛情を越えた感情を抱いている。
赤ちゃんのときは愛らしいから好き。幼稚園の時分は甘えん坊なのが好き。小学校では生意気なくせに頼ってくるのが好き。そして、今では逞しく男らしく日々成長していくのが好き。
息子の全部を全身全霊で愛する、生粋のムスコン母なのだ。
さらに、肝心の夫がED気味でかなりの間セックスレス。熱く疼く女の芯を満たしてくれる男は、息子しかいない。
(さて……ちゃんと家族会議をしないとね……)
浮ついた気持ちを抑え、美波は今後のことを考える。
確かに、自分は息子に性教育をする義務がある。が、同時にれっきとした夫がいる身でもある。きちんと話し合わなければならない。政府性教育省は、家庭内のことまで責任を持とうとはしない。
息子に性教育をすることは、法的には不倫とは扱われない。が、人の感情は法律でどうこうなるものではない。夫にしてみれば、妻を息子に寝取られることに他ならないのだ。
実際、母子性教育をきっかけに、離婚に至った家庭も少なからずあったという。建前としては、合法な行為を離婚の理由にすることはできない。が、慰謝料を払っても離婚したいという夫はひとりならずいた。なにより、気持ちの冷めた夫婦を続けられるほど人間は強くも器用でもない。
息子の性教育のために、家庭が壊れてもいいとは美波にも思えない。夫としっかりと話し合わなければならないのだ。
「豊広さん、遙ちゃん、話があります」
夕食の片付けが終わった後、美波は神妙な面持ちで切り出す。テーブルの上に、性教育省からの通知を置く。
言葉を選びながら話していく。己と息子はセックスをする義務があること。そうしなければ罰を受けること。母子性教育法に基づく行為は、不倫とは扱われないこと。なにより、自分は夫を愛していることを。
「ついにきたか……」「まあ……わかってたことだよなあ……」
夫の豊広と息子の遙人は、茶を飲みながら渋面になる。予測できていたことだ。息子は規定の年齢に達している。そして、いまだ童貞だ。母親が筆下ろしをする義務がある。
が、大喜びで受け入れられる話ではない。豊広からすれば、妻と息子が不倫をすることを甘受せよということ。遙人には、初めて抱く女が実の母という話。気持ちよく受ける気にはどうしてもなれないのだ。
「遙人、お前はどうかな……?」
「いや……母さんはいい女だし……うれしいけど……」
父と息子が顔を見合わせる。当然だ。これから浮気の被害者と加害者になるのだから。法律で決まっているからどうという問題ではない。
(やっぱり豊広さんは受け入れてくれないかな……? 最悪離婚になっても……それは仕方ないけど……。って……私……そんなこと……)
自分が一瞬思ったことに、美波は怖くなる。息子のために、夫と破局してもやむを得ないと一瞬考えていたことに。それではいけない。法に従って遙人に性を教えながら、豊広ともうまくやって行かなければ。
「話はわかった。だが……ひとつ条件を付けさせてくれるか?」
豊広が顎に拳を当てながら切り出す。
「なんですか? できる限り受け入れる覚悟はあります……」
美波は真面目な顔で応じる。当然の話だ。夫に息子との不倫を認めろと言っているのだから。
「そう……。美波と遙人のセックスを……録音・録画させて欲しいんだ……。それを……俺に見せて欲しい」
豊広がとんでもない提案を出す。美波と遙人は、一瞬なにを言われているのかわからなかった。
「録音録画……。それって……」
美波は卵形の美貌を真っ赤にする。要するに、己と息子のセックスを記録し、それを夫に見せろという話なのだ。恥ずかしくないわけがない。
(遙人とシてるところを録音録画……。それを……豊広さんに見られるっていうの……? それは……恥ずかしい……)
よもや、男女で交わるところを撮影録音されるとは思わなかった。が、ある意味で夫を裏切る行為でもある。条件を出されるのは当たり前というのも、納得できない話ではない。
「いいんじゃないかな……? それくらいは……」
それまで沈黙していた遙人が、積極的に口を挟む。このままでは話が前に進まない。当事者である己が決意を示すべきと。
「遙ちゃん……わかったわ……。そうしましょう……」
美母はついに折れる。法に従って息子と愛し合う代わりに、その姿を録音録画して、夫に見せる。背徳にして屈辱的な所業を受け入れてしまう。
「誤解しないで欲しいんだが……。俺は君たちを恨むつもりはないよ……。実行しなければ……法律違反になるんだからな……」
豊広は、諦めと寛容が入り混じった表情を浮かべる。もう逆らう気はない。が、愛する妻がどのように寝取られたかは、見たいと。
「わかりました……。記録の方法を指示して……」「僕も……異議なしだよ……。父さん……ごめん……」
母子は、これ以上ないほどの悲しい顔で言う。どう言い訳しようが、夫と父に対する裏切りに違いはない。自分たちはこれからそれをする。それを記録して見せることは、せめてもの誠意なのだ。
それに、豊広は大手電機会社の技術職。カメラと録画録音に関しては誰よりもスペシャリストだ。
(ああ……あなた……豊広さん……。ごめんなさい……。私これから息子と……遙ちゃんとセックスします……。ごめんなさい……私は……遙ちゃんの母親だから……童貞をもらってあげないと……いけないの……)
美波は夫に心から詫びた。別に彼に不満があったわけではない。ただ、己は息子の遙人が大好きで仕方ない。筆下ろしをしてあげるのは、義務であると同時に己自身の意思なのだ。
改めて、息子を見やる。母親似で顎が華奢で顔が小さい。どちらかと言えば女顔。百六十五センチの背丈と柔らかい猫っ毛、細い身体と相まって、一見して性別がどちらかわからない。いわゆるジェンダーレス男子だ。
(かっこいいとかイケメンて感じじゃなく……。きれいでかわいい、あるいはセクシーっていうのがしっくりくるのよねえ……)
小さいころから下手な女の子より可愛かった。学芸会では、必ずお姫様や魔女の役をやらされていた。
同性からはやっかまれる一方、異性たちからはマスコット的な存在だった。それでいて、成長して男らしさも兼ね備えつつある。この歳になれば彼女のひとりもできているだろうと思っていた。が、良くも悪くも当てが外れた。
母親の身で、ついときめいてしまう。美しいジェンダーレス男子な息子に抱かれるのが、楽しみで仕方ないのだ。