本販売日:2025/07/23
電子版配信日:2025/08/01
本定価:935円(税込)
電子版定価:935円(税込)
ISBN:978-4-8296-4818-6
ギャルっぽい外見だが処女なのを隠している理央。
満員電車で被害に遭い、犯人を突き出そうとするが、
その中年男に離婚した父の面影を感じて思いとどまる。
父親のいない寂しさを埋めるように魔指に溺れ、
ラブホで純潔を捧げ、背徳の「父娘プレイ」まで……
茶髪の白ギャルと冴えない会社員、純愛の物語。
第一章 白ギャルの美臀を這い回る魔指
第二章 スカート越しに押しつけられる肉棒
第三章 父に似た中年男に許された痴姦行為
第四章 朝の満員電車で上り詰める絶頂
第五章 制服姿で「お父さん」に捧げた純潔
第六章 エスカレートする「父娘交尾」
第七章 美娘の自宅で弄ぶ蒼い肢体
エピローグ 年の差カップル
本編の一部を立読み
第一章 白ギャルの美臀を這い回る魔指
放課後を迎えた学び舎に若者たちの活気が満ちる。重苦しくて退屈な授業から解放されて、どの顔にも笑顔が浮かぶ。部活動に向かう者、帰宅の途に就く者と取る行動は様々だ。そんな中に、明るい色味の頭髪が煌びやかで目立つ一団がいた。所謂ギャルファッションをした若者たちだ。
ブレザーの制服を着崩してアクセサリも付けた彼等は、生真面目な生徒たちからすれば近寄り難い雰囲気を醸し出している。しかし単なる不良生徒の集まりではない。ポジティブな思考を信条とし、平凡になりがちな毎日を面白可笑しく生きようとしているだけだった。
そのグループは男子ふたり女子四人で学年も様々だ。そんな中で一際目を引く存在なのが新入生の城田理央だった。制服を着崩してはいるが不潔感はなく、左の手首に巻かれたピンク色のシフォンシュシュが愛らしい。背中の中程まで伸ばした長い茶髪が風になびくと、コンディショナーの甘い香りがふんわりと流れて異性の頬をだらしなく弛ませる。
憧れだった学園に晴れて入学を果たし、勇気を出してギャルファッションに身を包み友達作りに勤しんだ。お陰で見る見る友達の数は増えて、こうしてギャルグループの一員にもなれた。勉強に遊びにと毎日が忙しくて楽しい。
「理央っち、今日どーする? 街行く?」
「もち行くっしょ! ブラブラすんのもアリだよね」
グループメンバーの同級生女子と連れ立って校門へ向かいながら、理央は眩い笑みを浮かべる。そこへ続々と他のメンバーが合流してきて、ただでさえ目立つ面々に視線が集まる。もちろん、そこには教師陣の目も含まれている。
理央たちの装いは残念ながら教師からは不評だ。髪色を変えるだけならともかく、化粧や付け爪まで施しているのだから。しかしこの学園には成績優秀者であればある程度のお洒落ならお目こぼししてもらえるルールがあった。新入生は入学試験の成績で判断される。理央が進学先にここを選んだ理由のひとつがそんなルールの存在であり、努力の甲斐あってトップの成績で試験をパスできていた。
「なぁ理央、こないだの話考えてくれた? 付き合っちゃおうぜ、オレたち」
駅前商店街を目指す道すがら、所謂ギャル男の上野が声を掛けてくる。彼は最上級生で、身長百八十センチのすらりとしたイケメンだ。その端正な見た目から女子からの人気が高く、恋人には不自由していないらしい。
「えーと……。ゴメンねパイセン、ウチまだそういうのは……。いま充実してるし、新しいコト吸収するのに精一杯なんだよね」
理央は背中の中程まで伸ばしている茶髪をさらりと揺らして首を横に振る。まだ入学したばかりなのに、少女はこうして交際の申し込みをされることが多い。理由は理央の可憐さにある。健康美に満ちた肉体は細身で身長百六十センチ、柔肌は色白できめが細かく雄の視線を吸い寄せずにはおかない。なにより目を引くのが整った美貌で、見詰められたらどんな男でも胸の高鳴りを抑えられなくなるほどだ。
睫毛は付け睫毛に頼る必要がなく長く、大きな瞳は澄みきっている。そしてすっと通った鼻筋に小鼻、形の良い唇、細いおとがいと非の打ち所がない。そんな顔立ちだからか、理央は化粧が薄い。それも第一印象を高評価にするポイントと言えるだろう。
体躯も恵まれている。足は細く長く、ヒップは八十五センチ。日本人離れした美脚には赤のタータンチェックミニスカートと白のルーズソックス、茶のローファーを合わせている。腰回りは悩ましくくびれて五十四センチ、隣に立てば抱き寄せたい衝動に駆られるはずだ。
紺色のブレザーの胸元も魅力たっぷりで、つんと上向いた膨らみはトップ九十二センチのFカップを誇る。制服のネクタイを弛めブラウスの喉元を大きく開けたファッションのせいで、瑞々しい胸の谷間が覗いている。本人は見せ付ける意図はないのだが、相対する男子たちには悩ましい拷問になってしまう。
見詰めてはいけないとは分かっていても、健康な者であればどうしても視線がそこへ向く。そして慌てて目を逸らすも、数秒と経たない内に盗み見る羽目になる。だが女性は異性からのそんな卑しい視線に敏感だ。理央も例外ではなく、下劣な視線を胸元に感じる度に溜め息が漏れる。
「そっか、まぁ入ったばっかだしな。気長に待つよ、オレ」
上野は残念そうに笑いながら眩しそうに少女を見遣る。金髪の彼だが他のメンバー同様に成績は優秀で、彼氏にするには申し分ないだろう。しかし理央にはまともな交際の経験がなかった。煌びやかな見た目とは裏腹に身持ちは堅く、まだ処女なのだ。
厳密に言えば、中学三年になってすぐの頃に初めての彼氏ができてはいた。相手は同級生で、何度断っても食い下がる熱意に負けて仕方なく付き合った形だ。それなりに好意は芽生えたものの、交際はすぐに終わった。交際宣言をして一週間ほど過ぎたある日にいきなりキスされ、更には身体を求められたのだ。生真面目な性格の理央にはそんな彼の行動が受け入れられなかった。最初から身体が目当てだったのだろうと一気に気分が萎え、その日を最後に別れてしまった。
(仕方ないよ。だってそんなの、まだ早いし)
上野に告白されたせいで苦い記憶が蘇ってしまい、乙女はこっそり溜め息を吐く。初めての交際は自分にとって暗黒の記憶だ。流されるままに承諾した自分の情けなさに腹が立つ。ファーストキスは唇同士が軽く触れた程度のものだったが、もっと大切に取っておきたかったと後悔せずにはいられない。してしまったことはもう取り返しが付かないが、もしセックスする時がきたならなんとしても良い思い出にしたかった。だから交際には慎重になる。
少女を交際から遠ざける理由はもうひとつある。理央は物心付いた頃から年上の男性が好みだった。しかも二・三歳差といった軽いものではなく、父親のように大きく歳の離れた男性に心を惹かれる。なぜそんな好みになったのか、それには幼少期に経験した両親の離婚が関係しているかも知れない。一番甘えたい時期に父親がいなかったせいで、無意識的に年上男性を求めてしまうのだろう。
記憶にある限りでは、両親と自分の三人暮らしは楽しかった。借家だが一軒家に住み、このまま幸せな毎日が続くのだと考えていた。しかしいつ頃からか父と母は諍いをすることが増えていった。そして両親の溝は決定的に深くなり、離婚という悲しい結果となってしまった。
理央は母親に引き取られ、借家からも引っ越しを余儀なくされた。いまは母親とふたりでアパート暮らしだ。築年数は古いが2LDKで自室もあり、生活に不満はない。別れた父親が真面目に養育費を振り込んでくれているお陰もあり、多くはないがお小遣いももらえている。
だがギャルとなった現在、仲間たちと出掛ける機会が増えた。いずれはお小遣いだけでは立ちゆかなくなるだろう。でもパパ活をするつもりはない。身体を売って得たお金で遊んだところで虚しくなるだけだ。第一、好きでもない相手とのセックスなど有り得ない。理央は未だ処女だけに、刹那的な性交には強い不潔感があった。
「リオっちはいつも明るいよね。一緒にいると楽しくなるよ」
「えへへ、そうかな。けど嬉しいな、そう言ってもらえると」
理央は同学年の女子仲間から褒められて思わず相好を崩す。いつも笑顔を絶やさないようにはしているが、それには元々の快活な性格に依るところが大きいだろうか。弱っている人の力になってあげたい──それが理央の願いであり、ギャルになった決め手だった。
現在少女は母親とのふたり暮らしだが、なにもかも上手く行っている訳ではない。特にそう思えるのが楽しい一家団欒の時間を取れないことだ。父親の姿がないのはやはり寂しい。そして母親の後ろ向きな性格もマイナスに働いていた。彼女は離婚をしてからというもの、なにかにつけて物事を悪い方向に考えがちになってしまったのだ。
会話が弾まないのは団欒の人数が少ないのだから仕方がない面はある。しかしふとした拍子に父親を連想させる話が出ると、母は決まって元夫への恨み節を口にする。ネガティブな言葉には辺りの空気を重くさせる力がある。理央はそんな雰囲気になるのが嫌だった。派手な装いも、努めて明るく振る舞うのも、そんな家庭環境を変えたい一心から生まれたものと言えよう。
だが具体的になにをすれば弱っている人たちの力になれるのか、それはまだ掴めていない。取り敢えずは全力で毎日を過ごして、その中で答を見出してゆくしかないだろう。そんな他人思いの理央だったが、胸中に秘密の寂しさを隠しているのもまた事実だった。
楽しい日々はあっという間に過ぎるものだ。新学期の慌ただしさもいつしか落ち着き、気付けば五月が終わろうとしていた。
その日も理央は通学のため満員電車に挑む。学園は自転車通いでは少々きつい距離にあり、必然的に電車を使うことになった。電車と言えばそれまで遊びに行く時くらいしか利用した試しがなく、寿司詰め状態の車両に乗り込むのも初めてだった。
(はぁ……。もうちょっと空いてたらなぁ……)
朝の駅ホームに滑り込んできた十両編成の電車を眺め、茶髪の乙女は肩を落とす。利用するのは八時の急行で、所謂朝ラッシュの時間帯にあり決まって満員だ。少女が並ぶ待機列は後ろから四両目の一般車両で、編成最後尾の女性専用車両ではない。だがそれは仕方のない選択だった。
快活な理央とは言え、満員電車に付き物の痴漢は怖い。だから最初は女性専用車両に乗ろうとしたのだが、その望みは叶わなかった。自駅に着くまでに満員となっていて、どう頑張っても乗り込めるスペースがないのだ。そのため一般車両に乗らざるを得ず、ただでさえ苦痛な寿司詰め状態に痴漢の恐怖まで加わってしまった。
停車した電車が一斉にドアを開き、待機列に並ぶ客も一斉に動き出す。可憐なギャルもその流れに乗って車内へ美脚を踏み入れる。到着の時点で八割方埋まっていた空間は瞬く間に乗客で満杯となり、ちょっとした地獄が完成する。
「……う……」
周囲から容赦なく圧力が掛かり、若く華奢な女体はみしりと軋む。理央は美貌を顰めて小さく呻き、必死に両足を踏ん張って立ち位置を守る。満員電車での通学を開始して二ヶ月近くが経ったが、寿司詰め状態の不快感にはどうしても慣れない。他人との接触を強制されるのが思春期の少女にはなによりも嫌だった。
自分を囲む他の乗客は男性だけで、ほぼスーツを着込んでいる。年齢は様々だがサラリーマンだろう。皆一様にこちらへ背を向けているのが有り難いが、それには理由がある。男たちは女性と相対する形で密着したら痴漢と騒がれるかも知れないと恐れているのだ。
ごとりと電車が動き出し、乗客全員が慣性で後方へ引っ張られる。発車時と停車時に襲ってくるこの現象が最大の苦痛だ。これさえ我慢できれば後はそれほどでもない。周囲の男性客が全員背を向けてくれているお陰で、望まぬ他者との接触もどうにか耐えられる。発車時の猛烈な圧力はすぐに解消して、理央は人垣の只中でやっとひと息吐く。
幸いなことに、こうして男性客に囲まれる一般車両を使っていても未だ痴漢被害には遭っていない。調べたところによると、痴漢は派手な見た目の女性をターゲットにはしないらしい。自己主張の強い装いの女性は総じて気が強い傾向にあり、抵抗される可能性も高くなる。犯行現場は密室で寿司詰め状態なのだから、犯行が発覚すれば逃げ場はない。だから痴漢はいかにも気が弱そうな獲物──地味な見た目の女性ばかりを狙う。どこまでも卑怯な、人として最底辺の輩なのだ。
痴漢の冤罪を恐れる男性が多い一方、進んで性犯罪を行おうとする者もいる。そんな身勝手が世の中の生き辛さを加速させるというのに、なぜ分からないのか。しかし性欲で頭が一杯のけだものにはなにを言っても通じないだろう。こんな場合でも女性は受け身に回らなければならないのかと思うと怒りもひとしおだ。
もし自分が痴漢に遭ったら──人垣に囲まれながら理央はふと想像を巡らせる。まだ処女だけに、おしりや乳房といった性的な部分に触れられた気分はどんなものになるのか分からない。だが無理矢理に触られるのだから不快であることは間違いない。それに恐怖にも襲われるはずだ。
自分はどちらかと言えば気が強い方ではあるが、もしその時がきたらと思うとやはり背筋が寒くなる。でもそこで臆して黙り込んだら性犯罪者の思う壺となる。なんとしても声を上げて周囲に助けを求めなければ、穢された記憶は一生脳裏に残ってしまうだろう。
(大丈夫だって、いままでなんにも起きなかったし)
茶髪のギャルは小さく溜め息を吐いて辺りに気を配ってみる。今朝も車内は地獄の様相を呈しているが、性犯罪者が現れる気配はない。狡猾な彼等のことだ、こちらの派手な装いに気後れして息を潜めているのだろう。それなら必要以上に身構えることはない。要は恐れを感じ取られなければ良いのだ。しかし、その時。
(……ん、え……?)
電車がカーブに差し掛かって右へ大きく揺れた瞬間、右のおしりになにかが触れる。まさか──一瞬で息が詰まるも、電車の揺れが収まると接触感も消える。背後の男性客が揺れでバランスを崩して鞄でもぶつかったのかも知れない。意識を背後に集中させて暫し待ってみると、なにかが再び触れてくることはなかった。
どうやら偶然の接触だったようだ。だが安堵するにはまだ早かった。また電車が揺れた刹那、ミニスカートの上から右の尻肉になにかが触れる。
「…………っ」
今度の接触感は揺れが収まっても消えない。とん、とんと反応を窺うようにしてなにかがぶつかり続けている。そして尻肉がむにゅりと潰れるほどに強く触れられる。平たい部分と幾つかの突起物が感じられて、理央はぎくりと息を呑む。触れているのは鞄のような無機物ではない。微妙な弾力があることから人間の手の甲だと分かる。それに大きさとごつさからして男のものだろう。遂に痴漢が現れたのだ。
(……出たわね、卑怯者っ)