10/24 電子版発売

義妹が「私、Mかもしれない。」と相談してきた件

著者:

電子版配信日:2025/10/24

電子版定価:880円(税込)

親の再婚で義妹ができて、突然始まった同棲生活。
小動物のように愛らしい清楚系お嬢様・沙菜。
毎日どきどきしつつ、仲良くなりたいと思っていたある日、
義妹が「私、Mかもしれない」と顔を赤くしながら相談してきた!
沙菜の性癖を見極め、素敵な初体験を迎えるための調教が始まった!
さらに「他の子の処女、奪ってみませんか?」と背徳の誘惑が……

目次

01.義妹が「私、Mかもしれない」と相談してきた件

02.義妹の性癖を暴いて、開発していく件

03.義妹の処女を貰えることになった件

04.義妹の処女と僕の童貞を交換した件

05.義妹のあそこをつるつるにした件

06.義妹に他の子の処女を奪ってみないかと提案された件

07.義妹に処女喪失のお膳立てをされた件

08.義妹の友人の処女を奪ったら懐かれた件

09.義妹の指令でデートしたけど波乱だらけだった件

特別書き下ろし 義妹と初めてのラブホテルで再えっちした件

本編の一部を立読み

01.義妹が「私、Mかもしれない」と相談してきた件



 義妹ができた。三ヶ月前のことだ。
 再婚するという話を父親から聞かされた時は「ふーん」としか思わなかったが新しくできた妹に実際に会ってみた途端に僕の心は新しい義妹に囚われていた。理想の女の子、しかも義妹。これからずっと一つ屋根の下。
 顔合わせで見た瞬間、「それなんてエロゲ?」と、もう心の中では「ひゃっほー!」とどこのガキだ、といわんばかりに飛び上がっていたが、一緒に住むようになって嫌われては敵わないのでできるだけ平静を装って「優しいおにいちゃん」を演じてきた。
 その甲斐あってか、だんだんと義妹も慣れてきたらしく、「お兄さん」と呼んでくれるようになった。まだ恥ずかしいのか多少照れた顔も可愛らしい。
 義妹の名前は沙菜、親の再婚と同時に引っ越し、近くの学園に通っている。
 最初その学校名を聞いた時は驚いた。この辺では有名なお嬢様系の学校だったからだ。
 ミッション系で清楚なイメージ、沙菜の言う限りでは「そんなことないよ?」らしいのだが実際沙菜が清楚系お嬢様の見本みたいな見た目をしているので全然イメージは変わらなかった。
 ツヤのある黒髪は肩甲骨くらいまでの長さで少しだけウェーブが掛かっているがほぼストレートだ。日によってポニーテール、ツーサイドアップ、ハーフアップなどと僕の目も楽しませてくれる。
 少し丸い感じの輪郭に大きな目、思ったより長い睫毛が艶っぽく、ぷっくりした唇はグロスを塗ったみたいにツヤツヤしている。
 その唇から「お兄さん」と呼ばれるたびにどきどきしているのは内緒だ。
 百五十二センチメートルの小さい身体。動く姿が小動物のように愛らしい。実際に家にいる時はちょこまかと動いている。スカートが揺れるたびに僕の心も揺らされていく。中身がちらっとした時なんてもうバクバクだ。ちなみに今日は白だった。
 胸はおおよそCカップくらい。大きくも小さくもない感じだ。たまに湯上がりなどでノーブラで歩く沙菜のTシャツから見えるぽっちが最近の僕のおかずとして大活躍だ。
 そんな沙菜と、仲良くなりたいけどどうすればいいのかわからない状態が三ヶ月、初めて出会ったのが春休みだったのでそろそろ梅雨の季節になる。学校の制服も夏服に移り変わる頃、転機がきた。
「は~い?」
 コンコン、とドアがノックされるので返事をする。
 時計を見ると午後六時、父親と一緒の会社の新しい義母となった沙織さんはまだ帰ってきていないのでこの時間に訪ねて来るのは必然的に沙菜になる。
「はーぃ。どうぞ」と、声を掛けるとドアを開けながらちらっと沙菜が覗いてきた。
「お兄さん、ちょっといいですか」
 仲良くなってきたといってもまだ敬語は取れない。
「いいよ、とりあえず入って」
 入ってきた沙菜はまだ制服だった。白いブラウスにベージュのブレザー、赤のリボンネクタイ、膝上の紺色のプリーツスカートから白のニーソックスが伸びている。
 部屋に入ってきた沙菜はチョコチョコと歩いて座布団に座る。可愛い。僕も話を聞きやすいようにベッドに背を預けた。
「あのですね……ちょっと相談が」
 少し俯いて話す沙菜はなんだか歯切れが悪い。顔もほのかに赤くなっているようだ。恥ずかしいのかもしれない。心の中で初めての相談ひゃっほいと思っている僕は平静を装う。
「うん、いいよ。何でもいって。学校? 友達?」
 恋の相談? とは聞けなかった。聞いたら発狂してしまいそうだし……。
「あの、こんなこと友達にも相談できなくて。ぁ、でもお兄さんになら相談できるのかな? って思って。でも、あの……引かないで聞いてくださいね?」
 理想の義妹の相談で引くことなんてあるもんか! ストーカーされているとか聞いたらストーカー男をぶん殴って型にハメて排除してやる!と心に誓っていたら、
「私、Mかもしれないの」

 はい? 頭の中でハテナマークが乱れ飛んだ。
「私、Mかもしれない」なんて沙菜の可愛らしい口から突拍子もない言葉が飛び出てきた。
 M? それってSとかMのM? もうもしかして誰かに調教されちゃったりするわけ? と頭の中をぐるぐるといやな妄想が駆け巡る。
「お、お兄さん? 大丈夫ですか?」
 変な顔でもしていたんだろうか、いや、きっとしてたんだろう。してたに違いない。だって沙菜の顔がとても困っている。
 落ち着け。可愛い沙菜を困らせてはいけない。胸が痛いがとりあえず深呼吸だ。すーはー。深呼吸をすると少し落ち着いた。沙菜の心配そうな顔をしっかり見返す。優しいお兄さんとしてちゃんと沙菜の相談を聞かなくてはと思った。
「急に変なこと言うからびっくりしちゃった。えーと、どういうことか、最初から教えてもらえるかな?」
 ここで実は彼氏に調教されてて……と飛び出てきたらとりあえず身を投げよう、そうしようと心に決めた。
「えっと、あのですね。最初は、加奈んちでAV鑑賞会を開いてたんです」
 ぅん? AV? ちょっと流れが変わってきたかも?
 加奈ちゃんというのは沙菜の友人で同じ学校の子だったはずだ。前に家に遊びに来た時にちらっと見たことがある。百六十センチメートルくらいで茶髪のボブカット。活発そうでなかなか可愛かった。特に注目したのはその大きな胸だ。推定Eカップはあるに違いない。制服の上からでも目立っていた。
「それでですね、今まではずっと普通のAVを見ようの会だったんですけど、ちょっと違う感じのも見ようってなりまして……」
 沙菜の顔がボンッと赤くなる。
「それでそれで?」
 とりあえず彼氏がどうのっていう話ではなさそうだ。
 大体沙菜は学校が終わるとすぐ家に帰ってくるいい子ちゃんだ。土日も大体家にいるか、たまに出かけるにしても女の子の友達と、だと言っていた。うそは言わない子だってお兄ちゃん信じてる!
「あの……えっと、メイドさん調教とか、ペットになって、とか……りょ、凌辱プレイとか……」
 だんだん語尾が擦れてくる。沙菜を見ると顔も耳も真っ赤になっている。
「うん、うん」
 とりあえず頷いておく。こういう時に焦りは禁物だって、友達のリア充が言っていた。ただ沙菜から凌辱とか調教とかいう言葉が出てきて僕もつい興奮してしまった。
 しかし沙菜ももう十分大人な年齢だ。AV鑑賞会とか男子の間でしかやってないと思っていたけれど女子もそんなことやるんだなぁとぼんやり考えた。しかし本格SMじゃないにしてもちょっと路線がずれてるんじゃないだろうか、兄としては心配になる。
「それを見た日からずっと、なんだかそういうのが頭から離れなくて……でもなんていうかイヤじゃなくて……それで他にも、AVとかだけじゃなくてついえっちな漫画とか、本とかでそういう、なんかSMっぽいのをネットで探したりして……」
 沙菜は両手を女の子座りの膝の上でぐっと握り締めている。顔は相変わらず真っ赤だし、言葉はたどたどしいがかなりセンシティブな内容だ。それを僕に相談するくらい信用してくれるようになったというのはとても嬉しい。
「沙菜は、彼氏とかいるの?」
 ちょっと話題を変えつつ聞いてみたかったことを直球で聞いてみる。
「いやっ、いませんよそんなの。いたこともないです」
 より赤くなって俯く姿がもう子犬にしか見えない。沙菜の返事に心の中でほっとする。
「好きな人とか気になってる人は?」
 イヤイヤと首を振るようなしぐさを見せる。膝の上のこぶしがぎゅっと握り締められる。
「あ、あの、まだ好きかどうかわかりませんけど、気になってる人は……います」
 うん、とりあえずそいつを殴ろう。と、思ったけど待てよ、と頭の中で閃いた。
 今沙菜はとても悩んでいる。自分はMなのかMじゃないのか。もうテンパっている。としかいいようがない。このままうまく誘導して調教してしまえば沙菜はそいつのことなんて忘れて僕のものになるんじゃないか、と。
 なにせ沙菜は理想のアイドルがテレビから出てきたような可愛らしい女の子だ。他の男にやるなんて選択肢は僕にはなかった。
「話を戻そうか、えーと、SMっぽいのっていうか調教もの? そういうのを見て沙菜はすごくドキドキした。他にもいろいろ見た結果、やっぱりすごく興奮した。それで自分はMじゃないのか、と不安に思った。ここまではいい?」
「ぁ、はい、そうです……あってます」
「落ち着いて、別にそんなので僕は沙菜のことを変態だと思ったり嫌いになったりはならないから」
 とりあえずそれっぽいことを言いつつ頭を撫でる。初めて撫でる沙菜のさらさらな髪の感触がとても心地いい。
「ほ、ほんとですか? 大丈夫ですか。こんなこと言ってへんな子って思いませんか」
 バッと顔を上げてまくし立てた後、頭を撫でられていることに気づいてなんだか顔がへにょっとする。
「それで、沙菜はMじゃないか、と思って僕に相談した、ここまではいいんだ」
「は、はぃ」
 ここからだ。ここから先を間違えると大変なことになる。
「沙菜は僕にどうしてもらいたいの? Mじゃないかどうか試してほしいの? それとも……」
 僕はちょっと間を置いて沙菜の目を見ながら続けた。
「調教されたいの?」
 言った途端、心臓がバクバクする。言った内容はどっちに転んでも僕には美味しい。
 Mじゃない、がどういうのかはちょっとわかりづらいけど要はソフトSMっぽいことをして沙菜が興奮しなければいい、ってことにしてそれっぽいことができる。
 きっと沙菜はもうわかっていると思う。そういうのを見て興奮している時点で沙菜はMだ。女性経験がない僕でもなんとなくわかる。どのくらいかはわからないけどドMはなくても微Mくらいはあるかもしれない。
 だって今の沙菜は、恥ずかしい話をして赤くなっているんだと思っていたけれど、そうじゃないことがわかった。明らかに発情している。目が潤んでいるし口も半開きで息もハァハァしている。これからそういうことをされるかもしれない、という想像が明らかに頭の中で巡っていることが簡単に予想できた。
「あの……あのっ……」
 発情してる顔で僕をまっすぐ見た沙菜がゆっくりと口を開く。頑張れ、頑張れ、もうちょいだ。勇気を出すんだ! と、僕は心の中で沙菜にエールを送る。
「ちょ、調教されたいです」
 沙菜の言葉が耳の中でリフレインする。まさか沙菜の口からそんな言葉が飛び出てくるとは思わなかった。というかそっちの選択肢を選ぶとは思わなかった。
「ふーん、沙菜は僕に調教されたいんだ?」
「あぁぁぁっ、や、やっぱりお試しで」
 ハッとしたように沙菜は覚醒して、あわあわと手を振りながら否定する。でも僕は見逃さなかった。
 明らかに調教してくださいって言っていた時に頭が飛んでいた。お試しでも似たようなことはできるし、僕としてはどちらでもいい。
「そうだ……な、まず沙菜がMかどうか確かめてみないとな」
 そう言って立ち上がる。
 沙菜は不安そうな、でも何かを期待するような眼差しで僕を見ていた。
 ゴソゴソと机の引き出しを漁る。鍵の掛けられる引き出しはお宝の倉庫だ。
 そういう系のものはほとんどはPCに入っているけれど一部はメディアで残っている。そこからそういう系統(ほとんどはノーマルのものだが一部はそういうのも含まれている)を選んでみる。AVが二本とエロ本が一冊。エロ小説が一冊。うん、これだけあればいいだろう。
 AVはハードなSMモノとソフトなモノが一本ずつ。露出系のエロ本と快楽でだんだん堕ちていく系の小説だ。
 まとめたそれらを沙菜に渡す。沙菜は「何?」ときょとんとしていたがパッケージを見てまた顔を赤くしていた。
「夕食が終わってお風呂に入ったらこれを見て。見たらすぐどういうのがよかったのかちゃんと教えてね」
 にっこりと笑いながら沙菜に言う。
 顔を赤くした沙菜は「あわわわ」と言葉にならない声を発している。
 ここではこう言うべきだろう、と思い「命令、だよ」と、少し強めに声を掛けると沙菜はまたトロンとして「は、はい。お兄様」と返事をした。
 いやいや、どんだけMなんだこの子。呼び方がもうお兄様になってしまった。これだけでも十分素質はあると僕は思った。
 そそくさと部屋を出て行く沙菜に「家族の前ではお兄様って言うなよ」と声を掛けると慌てて「はいっ」と返事が来た。
 パタンとドアが閉じた音を聞いてベッドに寝転がってボーっとする。
 さっきまでの会話を思い出して僕は丸まって身悶えした。
 なんで僕、義妹を調教する方向にもってっちゃってんの? ってかいいの? 僕はただ義妹と仲良くなれたらよかっただけで、持ってるAVなどもほとんどイチャラブ系だ。調教とか興味はあるけれど自分とは縁のないものだと思っていた。
 それが急展開でコレだ。つい調子に乗ってそれ系のAVを渡してしかもそれの感想までレポれとか言ってしまった。だめだろコレ。今まで作ってきた優しいお兄さん像は台無しだ。
「あぁぁぁぁっ」と変な声を出しながらベッドをごろごろすると、目の端に時計が見えた。七時前、そろそろ夕飯の準備をしないと親が帰ってくる。先に風呂入っておくか、と僕は部屋を後にした。
 風呂からあがると沙菜が夕飯の支度をしている。先ほどまでの照れた感じもなくなり、平常通りに見える。
 父親と母親は一緒の会社に勤めているので帰りは大体一緒だ。今日は八時過ぎに帰ると連絡があった。
 父子家庭、母子家庭の時期がお互いあったので僕と沙菜は二人とも料理ができる。といってもやっぱり沙菜の方がうまいので料理は沙菜、後片付けや風呂掃除などは僕の担当になっている。
 両親が帰ってきて四人で食卓を囲む。多少のぎこちなさもここのところ取れてきてだんだんと家族っぽさが出てきた気もする。
 沙菜が今までしてこなかった相談をしに来たのもこういう雰囲気が出てきたからだろうか? 中身はちょっとびっくりする内容だったけれど。
 夕飯が終わると両親は二人で映画を見だした。大体十一時くらいまでリビングにいてそのまま就寝、というのがパターンだ。
 寝室内では新婚なので二人でイチャついているかもしれないけれど僕と沙菜の部屋と寝室の間には一部屋父の書斎があるので声は聞こえない。せっかくなので、と結婚を機に新築を買ったので防音も結構しっかりしている。
 僕は沙菜が自分の部屋にパタパタと入るのを確認して自分の部屋に入る。
 PCを立ち上げて「調教」とか「ソフトSM」とかを検索する。とりあえず何をするにせよ知識が大事だ。大体僕はどうすればいいのかもよくわかってない。
 Mな女の子の思考回路。従順に女の子を躾ける手順、必要な道具など調べてみると驚くほどネットに知識が溢れている。大丈夫かこの国、と本気で心配になってしまうレベルだ。ネットで書かれている内容が本当かどうかはわからないけれど。
 まぁこんなものを見てもうまくいくかどうかなんてわからない。所詮ネットの知識だ、と思いながらも一応頭の中に置いておこう。
 そんなこんなしていたら十一時を過ぎてしまっていた。結構時間の経つのも早い。調べ物ついでにちょいちょいそういう画像サイトを覗いていたのでついち×ぽも勃ってしまっていた。
 コンコンと小さなノックの音。どうぞ、と声を掛けるとガチャリとドアが開いた。
 小さく開いたドアから沙菜が顔を出す。顔はほんのり赤くなっていて恥ずかしそうだ。
「お兄様、今よろしいですか?」
 と可愛く言ってくる。お兄様呼びはもうデフォルトらしい。なんだか嬉しい。
 とりあえず部屋に招き、鍵を閉めるようにいってベッドの枕の方に座ってもらう。ピンク色の可愛いパジャマだ。手には渡したAVや小説を抱えている。
「どうだった? 感想は? どれがよかったとかあった?」
 対面に座って聞いてみる。とりあえずネットの知識では導く側の態度として「おどおどとしてはだめ。はっきりと言葉に出す、出させる」とか書いてあった。
「あの、これはだめでした。最初の方を見ただけで……」
 とハードなSMのAVを差し出してきた。これは僕も友人に貰ったけどだめだったやつだ。縄で縛って吊り下げ、蝋燭や鞭でかなり痛そうに女性を嬲るやつだ。女優さんの顔が体液でぐちゃぐちゃになっててドン引きだった。可愛い沙菜の身体に傷をつけるなんて僕には考えられない。
 沙菜は別のAVを手に取った。
「これは、すごくどきどきしました。手を縛られて、目隠しをして、あの……いろいろされちゃうところが……」
 二本目はソフトなやつだ。両手を拘束して目隠しをした女の子を刷毛《はけ》とか指とかでいろいろやっちゃう本番なしのもの。入門用としてはいいのかもしれないがヌキとしてはちょっとだけ物足りなかった。ただ沙菜には刺さったらしい。
 沙菜は渡したエロ本を手にとって開いて言葉を続ける。
「こちらは、あの……外でとか、他の人に見られるのはいやですがこういうイヤらしい下着とか、服は興味があります」
 エロ本はコスプレと露出系のものだ。普段おとなしい格好をしているので興味ないかな、と思ったが羞恥系もイケる口らしい。というか他の人にはってことは僕に見せるのはいいってことかな?
「あ、あの……これは……」
 最後の小説を出してくる。さっきまでは恥ずかしいという感じだが今回は耳まで赤い。内容は普通のエロ小説だ。狙われた哀れな子羊ちゃんが無理やり初めてを奪われ、その時の画像をネタに何度もヤられ、だんだん快感堕ちしてイチャラブになるという、落ちも何もない普通のエロ小説だった。
「これは……すごく興奮しました。読んでるだけでドキドキして、こ、こんな風にされたいって」
 こんな風にされたい、来た! 僕としては一番お気に入りだから全然ありなんだけど、それだとなんていうか、Mっぽくない。もしかして沙菜はMじゃない? 童貞で女の子の性癖を判断なんてしたことのない僕には難しかった。
「これが一番気に入ったの?」
「……はぃ」
 沙菜は小さく答えながら頷く。
「でもMだったらほら、二番目のAVとかそういうのがいいんじゃないの?」
「あの、その、二番目のもすごくいいんですけど、あの……」
 いいんだ。じゃない、なんだか歯切れが悪い。
「じゃぁこの小説のどこが気に入ったの?」
「さ、最初の方が特に……」
 思い出したのか目がトロンとしている。最初の方? って確かかなり乱暴な凌辱プレイだった記憶がある。確かめるためにぱらぱらと捲ってみるがやっぱり凌辱プレイだ。少女が拉致されて、ベッドに四つん這いで押し付けられ、後背位で突っ込まれて中出しされる。
 凌辱プレイされたいの? と、口に出しかけて踏みとどまる。いやいやいや、それはないだろう。でも沙菜には犯されたい願望があるのかもしれない。
 本当に知らない人間からされるのはさすがにイヤだろうけれど、僕の前でそう言っているに等しい言葉を出しているのだ。ただそれを直接聞いてしまうのは、なんか違う気がした。そこで僕はちょっと切り口を変えて聞いてみることにした。
「これ読んでオナニー、した?」
 代わりに出てきたのはこんな言葉だった。
 沙菜は、膝の上にあった両手を股間のあたりに当てて俯き、目をぎゅっと瞑りながら答えた。
「オナニー、しました」

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