01/23 電子版発売

振られた君が好きなんだ2 幼馴染が失恋するたびに慰めエッチを求めてくる

著者: 田中別次元

電子版配信日:2026/01/23

電子版定価:880円(税込)

「ちょっと処女捨てさせてよ。大丈夫、絶対に好きにならないから」
片想い中の幼馴染・舞香の大親友・氷崎麻美から初体験の相談が!
彼氏のために性の練習がしたい、カースト最上位の金髪白ギャル。
俺と舞香のセフレ関係を知った麻美と始まった、禁断の逢瀬。
舞香への未練を断ち切るため、麻美との浮気エッチに溺れていく。
もう後戻りのできない二重関係に──背徳の慰めックスノベル第2巻!

目次

プロローグ とある女の子の話

第一章 別にこれは浮気じゃないでしょ

第二章 免疫

第三章 優しくしないでよ

閑話休題 夜が明けるまで

第四章 プラネタリウム

最終章 ガチのやつ

エピローグ 氷崎麻美という名の物語

本編の一部を立読み

プロローグ とある女の子の話



 俺は、舞香《まいか》と氷崎《ひょうざき》の間に挟まれた状態で正座をしていた。
「ちょっと恭助っ、い、一体どういうことなのよこれっ!?」
 舞香は酷く混乱している様子であった。だが、無理もないだろう。
 氷崎の来訪により、俺が舞香だけでなく、親友である氷崎とも肉体関係を結んでいたことがバレてしまったのだから。
 まるで浮気の現場である。ピリピリと張り詰めた空気の中、そこで、氷崎がベッドに腰かけながら俺の代わりに口を開いた。
「落ち着いて舞香、ちゃんと説明してあげるから」
 舞香はなおも鼻息を荒くしつつ、氷崎の方に視線を移す。
「麻美ちゃん、か、彼氏いるはずでしょっ? それなのに、なんで恭助と……?」
 そう、氷崎には彼氏がいる。それも、俺みたいな何処にでもいるクラスの陰キャとは比べ物にならないほどのハイスペック彼氏が――
 それが、どうしてこのような関係へと至ったのか?
 クラスカースト最上位の金髪美人ギャルである氷崎と、片や、カースト底辺でうだつの上がらない非モテの陰キャである俺が、どうして?
「二人に、一体何があったの?」
 舞香に問われ、氷崎は過去の記憶を遡りながら言葉を紡いでいく。
「ウチが、恭助君と最初にエッチしたのは――」
 舞香はごくっと喉を鳴らして氷崎の説明に耳を傾けていく。
 失恋する度、俺に慰めエッチを求める幼馴染、音野《おとの》舞香。
 そんな彼女の一番の親友である、氷崎麻美《あみ》。
 どうして氷崎とこのような関係になったのか。それは、今から数か月ほど前、氷崎から「ある相談」を持ちかけられたところまで話は遡る――

『吾川君のことを好きになるなんて、100パーあり得ないから』

 これは、とある女の子の話。
 氷崎麻美という名の物語である。

 ・・・

 ……その日、私は窮地に立たされていた。

「それにしても、麻美ちゃんと竜斗ってほんと理想のカップルだよな」
 他校の男女グループとの合コンでカラオケに来ていた時のこと。
 私は、一人の男子と親しげに並んで座っていた。
「いやー、マジで竜斗羨ましいわ。こんな綺麗な彼女さんがいるなんて」
 他校の男子達がニヤついた笑みで語りかけてくる。
「そうそう、俺、最初は麻美ちゃん狙いだったのになぁ」
 そこで、男子の一人が私に近付き、気安く肩に手を回そうとしてきた。
「どう? 麻美ちゃん、今からでも全然遅くないよ? 竜斗と別れて、俺に乗り換える気とかない? 俺マジで麻美ちゃんのこと大切にするよ?」
 唐突なアプローチに、私は困ったような顔で軽く流そうとした。
 すると――

「おい、俺の女に色目使うなよな」

 彼はそう言って、私の身体をやや強引に抱き寄せる。
 その瞬間、その場にいた女子達が揃って黄色い声を上げた。
「あは♡ 竜斗ぉ♡」
 彼の腕の中で、私は自分でも笑いそうになるほど甲高い声を発してしまう。男に媚びへつらうような、何処までも女臭い声だった。
 彼の名は鵜原竜斗《うはらりゅうと》――私の、自慢の彼氏である。
「わ、悪い竜斗。麻美ちゃんがあまりに可愛くて」
 私にアプローチをかけてきた男子は、竜斗の切れ長の瞳に若干たじろいだ様子を見せつつ、素直に私の肩から腕を放した。
「麻美も、俺以外の男を誘惑すんじゃねぇよ、俺、結構嫉妬深いんだからさ」
 竜斗は私の顎に手を添え、くいっと顔を上げさせる。
「ああ竜斗ぉ♡ かっこいいぃ……っ♡」
 かっこいい――これはお世辞でも何でもない、純然たる事実であった。
 きめ細かな肌に、長い睫毛、目の下にあるエッチな泣きボクロ、綺麗な鼻筋、ぷっくりと可愛らしい唇、シャープなフェイスライン……ここまでイケメンという言葉がしっくりくる人もそうそういないだろう。
「大丈夫だよ竜斗ぉ♡ だってウチ、竜斗一筋だしっ♡」
 私は彼の身体に抱き着き、胸元に頬ずりをしてみせる。制服の上からでも分かる引き締まった肉体に、思わず瞳を蕩けさせてしまう。
「なんていうか、マジで完璧なカップリングなんだよな、竜斗と麻美ちゃんって」
 周りの生徒達が羨望の眼差しで私達を見つめていた。傍から見て、どうやら私と竜斗は理想的なカップルと目されているらしい。
 私の方はともかく、確かに皆の言う通り、竜斗は完璧だった。
 学業成績優秀、スポーツ万能、品行方正、絵に描いたような優等生である。
 何より特筆すべきは、彼の完璧なまでに整った容姿だ。凛とした顔立ちに、少年のようなあどけなさを併せ持つその美貌は、街行く全ての女性の心を鷲掴みにするほどであった。
 なんでも、現在竜斗は大きな男性アイドル事務所に所属しているのだとか。しかもその事務所は竜斗の父親が運営しているらしい。つまり、実家の財力も人並以上ということだ。
 高身長で引き締まったボディライン。中性的な顔つきに男らしい体躯。彼は男性のモテる要素を完璧に揃えていたのだ。
 ……天は二物を与えずって、ホントにデタラメな言葉よね。
「忘れんなよ? 麻美は、俺のだからな?」
「……っ♡ ああ、嬉しい♡」
 私と竜斗のイチャつく姿を見て、女子達は羨ましそうに顔を蕩けさせ、男子達は何やら面白くなさそうに憮然としてしまっていた。
 それほどまでに、私と竜斗は仲睦まじく見えているのだろう。
 羨望の眼差しを受け、私は可愛らしい笑顔を作ったまま――

 誰にもバレないように、心底疲れたようにため息をついた。

 ・・・

 傍から見れば、完全に勝ち組である。
 秀才で、アイドル事務所にも所属するようなハイスペックイケメン。そんな彼の恋人になれるなんて、女としてこれ以上の名誉はないはずだ。
 だけど――一つだけ、致命的な問題があった。
 ……。
 トイレでメイクを直し、部屋に戻ろうとする際、人気のない喫煙所から竜斗とその取り巻き達の笑い声が聞こえてきたのだ。
「――でさ、麻美ちゃんとはもうヤった訳?」
 取り巻きの一人が下卑た表情で質問する。それに対し、竜斗は普段の凛とした態度を崩し、何処までも粗野な雰囲気で返した。
「ばーか、簡単に抱いたってつまんねーだろ? 今は焦らしのターンなんだよ。時間をかけて夢中にさせて、向こうから迫ってくるのを待ってんだ」
 竜斗の言葉に、取り巻き達はケラケラと笑い声をあげる。
「ずぶずぶに沼らせて、完全に心から服従させるのがコツなんだよ。ああいう頭もま×こも緩そうな女って、従順になったらマジで何でも言うこと聞くようになるからな」
 竜斗はおもむろに携帯を開き、フォルダ内の動画を大音量で再生する。
 直後、知らない女の強烈な喘ぎ声がフロア中に響き渡った。
『ああ竜斗君ッ♡ お、お願いっ♡ 顔だけは撮らないでッ♡ ああ好きっ♡ 好きぃっ♡ 愛してるッ♡ 竜斗君ッ♡ ああ竜斗君ッ♡♡♡』
 あれはおそらく、竜斗が他所で引っかけた他の女の子のハメ撮り動画である。その悪趣味な動画を見て、男達は品のない声で爆笑してしまう。
「やばっ、よくこんなの撮らしてくれたな?」
「言うこと聞かなきゃ別れるって脅せば、こんなのいくらでも撮らせてもらえるぜ、こいつら馬鹿だから。ほら、例えばこれとか」
 竜斗はその後も動画を皆の前で再生し続ける。動画内に出てくる女子の嬌声がフロア内にけたたましく響き渡る。
「ぎゃはははっ、これマジで傑作だったわっ。頭に自分のパンツ被せてよ、夜中にリード着けて全裸で散歩させてる時のヤツっ」
「えげつね~っ、マジで竜斗の言いなりになってんじゃんっ」
 一通り動画を再生し終わった後、取り巻きの一人が質問を重ねた。
「っていうか竜斗、麻美ちゃん含めて今何人彼女いるんだっけ?」
「さぁな、十人から先は数えてねぇわ」
 彼らのやり取りを聞きながら、私は鼻でため息をついた。
「しっかし良い女だよな、麻美ちゃんって。はぁ、お前の彼女じゃなかったら絶対告ってたのに」
「あ? お前、ああいうビッチ系がタイプな訳?」
 竜斗はそう言って、不気味に微笑む。
「そんなにあの金髪ビッチのま×こが欲しいんだったら、好きに使わせてやってもいいぜ? ただし、当然最初に食うのは俺だけどな」
「うはっ、マジかよ竜斗っ、一生ついていくわ俺っ」
「俺も俺もっ、麻美ちゃんの口でフェラチオされてみてぇっ、竜斗、俺にも輪《まわ》してくれよっ」
 私はほんのりと冷や汗をかいてしまう。
 あんな下品な性欲を向けられて、何も思わない女の子なんていない。
「しっかし、竜斗ってマジで見境ねぇよな、可愛い子だったら誰にでも手ぇつけてよ。はぁ、つくづくイケメンってずりぃよな」
 男子達の何気ない言葉に、竜斗は半笑いで首を振る。
「馬鹿、誰でも良い訳じゃねぇよ、俺にだってこだわりくらいある」
「へぇ、竜斗のこだわりって?」
 竜斗は小さく咳き込みつつ答えた。

「絶対に非処女。処女の相手はマジで無理」

 竜斗の返答に、私はぐっと息を飲んでしまう。
「へぇー、普通、相手が処女だと嬉しいもんだけどな」
「あのなぁ、こちとら何人の女の膜破ってきたと思ってんだよ。処女ってマジで面倒なだけだからな? 痛いっつってすぐピーピー泣くし、セックスし終わったら高確率で依存女になるし、デメリットしかねぇよ」
 竜斗の言葉に、周りの男達は笑って同調する。
「処女って、男の悦ばせ方もろくに知らねぇからイライラするだけなんだよな。最終的にセックスで大事なのはやっぱテクニックってワケ」
 竜斗はそう吐き捨て、侮蔑するかのように鼻を鳴らした。
「その点、麻美は問題なさそうだろ? 見るからにヤり慣れてそうだし」
「あははっ、それは絶対にそうでしょ。あんな見た目で処女だったら、どんだけ性格の方終わってんだよって話だもんなっ」
 彼らは不快極まりない会話をぼちぼち切り上げ、部屋に戻ろうとする。私は慌てて再びトイレの中に逃げ込んでしまう。
「っていうか、もし麻美がセックス下手くそだったら速攻で縁切るわ。その時はお前ら、麻美のこと好きにしていいぜ?」
 そう吐き捨てる竜斗の声は、何処までも冷たかった。
「ひゃははっ、マジで悪党だな竜斗って。そのうち刺されても知らねぇぞ?」
 遠ざかる彼らの会話を背に、私はトイレの鏡に映る自分の姿を見つめ、小刻みに荒い呼吸を繰り返した。
(や、ヤバい……ヤバいよ、そんな、ああ竜斗……っ)
 私、氷崎麻美は窮地に立たされていた。

 私は、未だに処女だったから――

「ど、どうしよう……っ」
 このままでは、竜斗に捨てられてしまう。
 それだけは、絶対に嫌だった。
 竜斗の恋人でいられなくなるなんて、死んでも嫌だった。

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