サークルの憧れの先輩・幸野深雪とサシ飲みすることになった俺。
お酒も進み、最近出来た彼女との性の悩みをつい口に出すと……
「え~、彼女さん厳し~。──私ならなんでもヤらせてあげるのに」
動揺するうちに終電を逃すと、深雪先輩からお泊まりのお誘いが!?
風呂上がり、彼女の余裕げな微笑みに流されるままに一線を超え……
後日、小悪魔なゆるふわ後輩・水橋優羽華からも背徳的な誘惑が!
ドスケベぬちゃドロえっちの名手・lobaハチロクが贈る、完全書き下ろし誘惑ノベル!
一章 先輩はなんでもヤらせてくれるらしい
二章 後輩はお試しでヤらせてくれるらしい
三章 先輩はデート後ホテルに行ってくれるらしい
四章 後輩は先輩から寝取りたがってるらしい
五章 先輩と後輩は3Pをしたいらしい
本編の一部を立読み
一章 先輩はなんでもヤらせてくれるらしい
五月の末、俺は季節外れの春にまみれていた。
「ねぇねぇ、優弥《ゆうや》くん……♡」
生まれたままの姿で同じベッドに横たわるのは、サークルの尊敬する先輩。身も心も美しい人だと思っていたけれど、薄暗い照明を受けた姿は、いつもと違った淫猥な魅力に溢れていた。
「もうちょっと、イチャイチャさせてよ♡」
甘えてくる先輩を抱きしめて、貪るように唇を重ねる。何度も射精したペ×スを労るように擦られて、だらしない快楽に溜め息が漏れた。
つい先日までは想像もしていなかった、夢のような時間。こんなことになったきっかけは、俺にとっては情けない出来事だった……。
◇
五月末、俺は所属している学園祭運営サークルの食事会に足を運んでいた。
周りにいるのは四月に入ってきた新入生たちだ。大学生活も二ヶ月が経つと、みんなだんだんと自分にしっくり合う場所が固まっていく。そうして俺たちのサークルに居着いた新入生たちと、夕食を楽しみに来たのだった。
新入生との食事会といえば、上級生が奢るもの──とはいえ、この場には二年生の俺よりも上の先輩がいた。
「「「「ごちそうさまです!!」」」」
「はい、どういたしまして~」
下級生四人分の飲食代をサラッと出してくれることになったのは、四年生の幸野深雪《こうのみゆき》さん。
彼女は人より就活が早く終わったとかで、四年生にもかかわらず、こうしてサークルに顔を出しまくっている。俺が新入生の頃にもたくさんお世話になったけれど、本当に頭が上がらない先輩だ。
深雪先輩が支払いをする間、新入生の一人が話しかけてきた。
「幸野先輩、めちゃ美人ですよね。モテてたりするんじゃないですか?」
「そうだなあ。実際人気だよ、去年の学園祭はミスコンにも出てたしね」
「マジですか!? すご~……」
ミスコンという言葉に、他の話をしていた新入生たちも振り返る。
実際、深雪先輩はものすごく美人だった。艶々した黒いロングヘアに、睫毛の長い二重まぶたの瞳。優しげな垂れ目の下には泣きぼくろがあり、まさに大和撫子といった雰囲気だ。
服装も四年生らしく大人びていた。トップスは落ち着きと爽やかさを感じさせる、黒色のサマーニットだ。こんなことを口に出したらセクハラだけど……サマーニットの切れ込みからは豊満なおっぱいの谷間が大胆に見えていて、目のやり場に困ってしまう。露出を下げる長袖や、胸元に垂らしたネックレスが、余計にセクシーさを際立たせていた。
ボトムスはこれまた落ち着いたグレーのロングスカート。でも、本人のスタイルの良さがシンプルな格好をリッチに見せている。腰はキュッと細くて、お尻は大きい……正直言って、女性として凄く魅力的な体つきだった。
「モデルみたいですよねー。背も高いし、スタイル良いし、可愛いなぁ」
「うんうん。先輩は可愛いんだよ」
新入生たちも先輩の魅力が分かってきたな、となんだか誇らしい気分になる。まあ、サークルの上級生としては、先輩の魅力に頼ってばかりじゃダメだとも思うけど……。
当の先輩はというと、こっちに戻ってきながら苦笑していた。
「ミスコンねー。めちゃくちゃ勧誘を受けちゃってさあ、友達も推してくれたから出たんだけど、あれはあれで大変だったんだよー」
「へぇ~、ミスコンってそんな忙しいんですか……!?」
「そうそう! あ、でも、今日はこれでお開きにしよっか。続きはまた今度、ねー」
「え~気になる~! 絶対また聞かせてください!」
「うん、もちろん。覚えておくよ」
「絶対ですよ~!」
そんなこんなで食事会は終わり、改めて先輩にお礼を言って解散となった。
今日の店は駅ビルの地下。新入生たちを見送ったら、俺と先輩は一言呟いた。
「「終わった~」」
それから、二人してぷっと吹き出す。完全にハモった。同じことを考えていたようだった。緊張の糸が切れたら、上級生だけの反省トークが始まる。
「ふふふ、優弥くん、けっこう緊張してたでしょ」
「あ、分かります……?」
「分かる分かる! 優弥くんそういうの顔に出やすいからさぁ」
深雪先輩が俺の脇腹を小突く。そう言われるとちょっと恥ずかしいな。
「今日って新入生もみんな女子だったじゃないですか、それでビビッちゃったんですよね」
「なるほどね~。まぁ私も相手が男子だけだったらビビるけどね! そんなもんそんなもん。今日は運が悪かったってことで」
「……いや、先輩のおかげで楽しくご飯食べれたんで、ラッキーですよ!」
先輩が笑い飛ばしてくれたおかげで、俺も緊張が抜けてきた。
俺は緊張しがちで、人を引っ張っていくのは苦手なタイプだ。だから、先輩が俺の性格を分かった上で可愛がってくれているのは本当にありがたかった。
先輩も女子とはいえ、お互い名前で呼び合うのは今や当たり前の感覚だし、もはや並の男友達よりも緊張せずに過ごせる相手だ。
リラックスした様子ではにかむ先輩の姿を見ていたら、こんな素敵な先輩と仲良くなれて本当にラッキーだなって思う。
──それと同時に、心がチクッとした。
「んん? ……優弥くん、今日疲れた?」
先輩は俺の心を読んだみたいに、垂れ目の瞳を心配そうに細めた。
「えっ?」
「や、いましんどそうな顔してたから。そういえば……さっきご飯食べてる最中も、ちょっと辛そうじゃなかった?」
「う……正直言うと、ちょっと辛いことがありまして」
すると先輩は、ポンと手を叩いた。
「よしっ。分かった。じゃあせっかくの金曜日だし、このまま飲みに行こう! 今日は深雪先輩の奢りだよ~!」
「え、いいんですか?」
「後輩がそんな悲しそうな顔してるの、ほっとけないからね。さぁ、飲んで忘れよ~!」
先輩がすらりとした腕を伸ばして、背中をさすりながら後押ししてくる。俺のほうが身長は高いけれど、なんだか落ち込んで猫背になったせいか、今日ばかりは先輩のほうが大きく見えた。こう積極的に優しくされると、やっぱり先輩は凄いなと思う。
「……分かりました。ちょっと恥ずかしいんですけど、飲ませてください!」
そうして俺はお言葉に甘えて、深雪先輩と二軒目に行くことにしたのだ。
行き先は果実酒を専門とするオシャレな居酒屋だった。大人びた先輩に相応しいチョイス。少し別世界に来たような気分だ。
俺たちは酒を飲みながら、ゆっくりお喋りをした。他愛ない雑談や、サークルの噂話、学園祭についての相談……どんどん話が弾んでいく。
そして五度目の乾杯をした頃、アルコールでぼんやりしていると、先輩がテーブルの対面からそっと聞いてきた。
「優弥くん。もしかして、彼女さんと何かあった?」
「うっ……」
「あちゃー、図星かー」
先輩も酒で顔を赤くしながら、同情するように眉を寄せた。
「もう付き合い始めて半年くらいだっけ。ちょいちょい話は聞いてるけどさ、優弥くんも苦労するね」
先輩がグラスを置き、じいっと俺を見つめる。話が気になるのだろうか。こう前傾姿勢になった先輩は、真剣だ。
「うーん……俺が悪いんで、直さないとなあって感じですけどね……」
「いつもそう言ってるけどなー。今度はなにで怒られたの?」
少しためらう。先輩に恋愛相談は今に始まったことじゃないが、内容が内容だけに、話していいものかどうか。
けれど、先輩の心配そうな顔とアルコールに後押しされた。俺はおずおずと喧嘩の原因を話す。
「ええっと……フェラを、頼んだんですよ」
「んっ?」
「フェラチオを頼んだら、ものすごく嫌がられてしまったんです」
「……」
予想外の話だったのか、先輩はしばらく固まり、目をつむった。しかし、その次の言葉はなんだか気合いを入れた様子だった。
「なるほどねぇ。性の悩み、だね」
「あ。すみません、こんな話題で」
「ううん、気にしないで。確かに初耳だから驚いたけど、女の子だから分かることもあると思うし~」
そう言いながら、先輩は俺の横にスッと移動してきた。
「ま、大きな声で話すのはやめとくとして。教えてよ、優弥くんの性事情」
まるで悪友がイタズラをするように、ニヤリと笑いながら囁いてくる。こちらに傾けた体から、ふわっと良い香りがした。
俺はこんな良い香りで美人で優しい先輩に、フェラの相談をするのか。罪悪感と同時に……少し、興奮している自分がいる。
「えっと……何度目かのセックスだったんですけど。彼女が言うには、俺ってチ×ポがデカすぎるらしいんですよ」
「ほぉ」
「だから、フェラしてくれって言っても咥えるのは絶対無理ってなって。前からそういうの、不満だったみたいなんですよ……パイズリ頼もうとしたら、胸が小さいって言って嫌がってたし……」
「うんうん」
「体位とかも、身体に負担かからない体勢がいいとか……言ってる間にヒートアップしてきて、最後はもう急いで服着て帰られちゃいました」
「なるほどねぇ……」
深雪先輩は興味津々という雰囲気で話を聞くと、少し考え込んだ。後輩のチ×ポがデカいだなんて聞いて、彼女はどんなことを思うのだろう?
やっぱり俺が悪いのだろうか。男が女性に無理を言うのって世間的にもよくないしな。そう考えると、先輩のことだしズバッと良くないとこを指摘してくれそうだけど──
「それはねぇ、たぶん彼女さんが優弥くんのエッチに合わないんだよ」
「えっ?」
じっと俺を見つめた深雪先輩は、予想していない答えを口にした。
「相性ってあるでしょ。ほら、普段のデートとかでも、なんとなく気が合う合わないってあるよね」
「それは確かに……」
考えてみると、俺たちは普段から『なんとなく考えが合わない』ことが多かったような気がする。
「ほら。顔に出てる。ってことはさ……身体の相性。なんとなく気持ちいいとか、気持ちよくないとかもあると思わない?」
「……」
「……合わないんだね。優弥くんからしても」
深雪先輩は寂しそうに言う。俺も否定できなかった。半年付き合ったしセックスもしてきたけど、正直、俺だっていつも満足できてるとは言いがたい。
「うーん……俺の彼女、セックス自体があまり好きじゃないみたいなんですよね。そこらへんも合わないのかな……」
先輩は納得したように頷いたあと、「じゃあ」と切り出した。
「逆に言ったら、優弥くんはもっと彼女とスケベなことがしたいし、フェラとか騎乗位とか、いろんなプレイに付き合って欲しい……ってことか~」
またニヤリとしながら、横目を向けられる。
ドキッとした。先輩の表情はなんだか艶めかしくて、酒で赤くなっているのか、興奮して赤くなっているのか、上手く読み取れない。
「もっと詳しく聞いてもいい? ……一回するってなったらさ、何回くらいしたい?」
「よ……四回くらいですかね」
「へぇ~。実際それくらいできることってあるの?」
「いや、何回もするのは彼女が嫌がるんで……」
「そうなんだ……」
心臓の鳴る音が速くなっている気がする。これはアルコールのせいだろうか。それとも、先輩が性事情をあからさまに言うせいだろうか。
「ふふっ、彼女さん、厳しいね~」
先輩は俺の心を探るように、上目遣いで話を進める。なぜだろう。お喋りの最中は意識していなかったのに、ニットから覗く豊満な胸や、ネックレスの輝きがやたらと目につく。
そして、俺は何かに突き動かされるように口を開いた。
「先輩だったら……」
「ん?」
「先輩だったら、どうですか? 彼氏とエロいことするのって」
すると、先輩は頬杖を突いて誰も居ない向こう側を見る。ニヤけたような、何か嬉しそうな雰囲気で、目を細めて……。
「そうだな、私なら……」
――私ならなんでもヤらせてあげるのに。
「えっ……」
居酒屋の喧噪の中、かすかに聞こえた先輩の言葉。それは予想だにしない答えで、俺の心を突いた。
つい動揺してしまい、上手く返せずにわずかな間ができた瞬間、
──ピーンポーンパーンポーン……
頭上のスピーカーから大きな効果音が聞こえてきた。
「あ! ゴメン、優弥くん。もうラストオーダーの時間だ。この音がサインなの」
「ラストオーダー……って、え、もうそんな時間なんですか!」
時計を見て焦った。午前零時半。ここの駅から帰宅するための終電は、とうに過ぎていたのだ。
「だよね、終電過ぎちゃってるよねー……ごめんね、いつもは周りの人のも気を付けてるつもりなんだけど、今日は盛り上がりすぎちゃったかも」
先輩はばつが悪そうに言う。だいぶ際どい話をしてたけれど、流石に、お互い少し冷静になった気がする。
「そ、そうですね。まあ大丈夫ですよ、どうせ駅の近くにネットカフェとかありますし……」
そうだ。ネカフェで休みながら心の整理をつけよう。彼女のこと、今日の話のこと……。
でも先輩は、また少し考え込んでから、俺にずいっと顔を近付けてきた。
「──それよりさ、今日うち泊まっていかない? それで明日帰ればいいじゃん」
「えっ!?」
「いいよいいよ、全然。終電逃したのは私のせいだし、責任取らせて~」
「え、えっと、それは彼女が気にするというか……」
心臓が早鐘を打つ。今日の先輩は、やけにグイグイくる。このままついていっていいんだろうか。ついていったら、理性を保てなくなる気がする。
「あははっ、大丈夫だよ、優弥くん」
先輩は俺の迷いを奪い去るように、頬を染めた可愛らしい顔を向けてきた。
「後輩が先輩の家に泊まるだけなんだからさ……別に、やましいことなんてなんにもないでしょ?」
そして……。
俺は流されるがまま、先輩の家についていくことを決めた……。