07/10 電子版発売

少子化対策で校内マッチングされた相手はS級美少女でした2

著者: SAOMAN

電子版配信日:2026/07/10

電子版定価:880円(税込)

相性マッチングで選ばれた学生の性交渉を義務とする「子宝法」で、
S級美少女・白根小雪、犬吠埼炎夏との子作りを果たした秋彦。
まさかの三度目のマッチ相手は、小雪の妹・静子だった!
姉の生ハメ現場を覗き、性に興味津々なお嬢様の初体験をリード。
さらに超絶エリートの生徒会長・九姫風蘭ともなぜかマッチ!?
シリーズ第2巻、ますます大忙し、国家公認の子作りエッチ!

目次

プロローグ 九姫風蘭の憂鬱

一章 お義兄様と呼ばれよう!

二章 暗雲のWマッチング

三章 コンテストに挑もう!

四章 限界まで高めよう!

五章 応報と解放

六章 狂恋と情炎

七章 同衾と刻印

エピローグ 九姫風蘭の顛末

本編の一部を立読み

プロローグ 九姫風蘭の憂鬱



「あれが──私の運命の人というわけか」
 新入生を迎えた四月、九姫《くき》学園では新一年生の健康診断が行われていた。
 私立だけあってか、公立校の保健室とは一線を画す保健センターというべきものが設置されている。常駐しているのも養護教諭ではなく、れっきとした医師・看護師だ。
 とはいえ、百人以上はいる新入生を検査していくとなると手が足りないため、学園内からも人手を出していた。その一人が九姫風蘭《ふらん》──現生徒会長にして九姫学園理事長の孫だ。
〝教育こそ国家の礎〟という理事長・九姫傳栄《でんえい》の理念のもと、幼少のみぎりからあらゆる分野の知識を叩き込まれ、そしてそれに応じるだけの才覚を持った生粋のエリート。
 勉学は全教科トップが当たり前、競技スポーツでもめざましい活躍を見せ、さらには音楽、アートなど芸術分野にも秀でていた。
 常に自信に満ち、それでいて慢心はしない。まさに全能といえた。
 一年生ながら生徒会長に就任したのも、自然のなりゆきであった。
 生徒に分け隔てなく接し、勉学・部活を問わず生徒が力を伸ばせるよう、相手のレベルに応じてアドバイスを送り、時に情け容赦のない発破をかける。
 彼女の指導によって成長を遂げた者は数知れず。一方で、圧倒的な才に打ちのめされ挫折を強いられた者も多かった。
 そんな彼女を生徒たちは、学園の名と蘭の音をもじって「嵐姫《らんき》様」と畏敬を込めて呼んでいた。
「いてっ」
 いま九姫風蘭の視線は、注射針を突き立てられた腕をこわごわのぞき込む一人の男子に注がれていた。
 春藤秋彦。
 およそ一年後、白根小雪《しらねしずこ》と犬吠埼炎夏《いぬぼうざきほのか》という学園内でもトップクラスの美少女と校内マッチングし、二人とも孕ませる幸運をつかむことになる男子。
 子宝法──若年者に性交渉を義務づけるドラスティックな少子化対策──のモデル校に、九姫学園が指定されることは周知済みだったが、どの生徒も、このときはまだ実感が湧いていないようだった。
 しかし風蘭は別だ。なにせ風蘭は進学する前から、理事長からそのことを聞かされていたのだ。
 第一、この子宝法そのものが、九姫一族が中心となって極秘裏に政府へ売り込んだ代物だった。
 人口減少とそれに伴う国力の弱体化。そこに頭を悩ませていた国にとっては、渡りに船。双方の利害が一致し、子宝法は誕生した。
 同時に、風蘭の運命も半ば確定することとなった。
 子宝法の説明として、AIによる適切な男女マッチングを行うとあった。だが、ほとんどのAIがそうであるように、その仕組みはブラックボックス。さらに開発を委託されたのも、理事長の息がかかった企業だ。
 となれば、マッチングが実はAIではなく、理事長の判断で決まっても驚きはないだろう。
 春藤秋彦のケースもそれに含まれる。
「嬉しい誤算だ、とはお祖父様も仰っていたけれどね」
 視線は外さずに、風蘭は腕を組む。豊満な胸が下から押し上げられ、ワイシャツのボタンが軋む。
 聞く者を魅了するアルトボイスで紡がれる言葉には、明らかに不満の意が乗っていた。
「はい、じゃあしばらく押さえててね」
「あー、はい」
 採血が終わり、春藤が保健センターを後にする。採られた血の入った容器が、保存用の箱に収められた。この後、健康状態やマッチングで使うDNAの調査に使われることになる。
 ただそれだけのものが、風蘭の一族にとっては何物にも代えがたい宝であった。
 もっとも、風蘭自身にとっては、春藤秋彦の血液──その中にあるDNAは忌まわしいことこの上ない代物だった。自らの存在意義を打ち砕く、死刑執行人でさえあった。
一章 お義兄様と呼ばれよう!



 学園のクーラーがフル稼働を始める七月、ぼくは机に肘をついて上の空になっていた。
 ぽつりと言葉が漏れる。
「最近、セックスしてないなぁ」
 言ってから、なんだかヤリチンみたいな台詞だと思った。
(まあ、あんまり間違っていないかも。学園の誇る美少女二人を同時に恋人にした上に、両方とも妊娠させたんだから)
 といっても、気に病む必要はない。これは、九姫学園の生徒に国家から課せられた義務なんだから。
 校内の男女をAIマッチングし、最初の一人を妊娠するまでセックスを繰り返す。ぼくもそうやって、二人の女子とのセックスにありついたのだ。
 もちろん他の生徒にもマッチングが成立し、セックスを堪能しているのだけれど、それでもぼくみたいな複数マッチングは珍しいようだった。ちょっとした噂になり、なんならズルいと責められていた。
(別にぼくが決めたわけじゃないし、言われても困るんだけどな。ま、さすがに三人目はないでしょ)
 などと思いつつ、いまもスマホをチラ見して、専用マッチングアプリ「ゆいよいアプリ」の通知が何も来ていないことに、少しがっかりする。そんな日々が続いていた。
 一度でも女というものを味わってしまったら、オナニーぐらいじゃムラムラが収まらない。期末テストまで一週間もない時期だったけれど、当然のごとく勉強に身は入らなかった。
 待望の知らせがスマホに届いたのは、テスト(赤点は回避)が返ってきた日の放課後のことだった。
【マッチングしました】
「来た! だーれーかーなー、と」
 鼻歌交じりにアプリを開く。
「あれっ?」
 思わず画面を二度見した。表示された相手の名字は、白根。
(また小雪と? バグったのかな)
 ぼくの恋人の一人、白根小雪と同じだったから、再マッチングなんてありえるのかと疑問が浮かんだ。
 けれどすぐ、それは勘違いとわかった。
「白根──静子《しずこ》」
 以前、白根家を訪れたとき、小雪の向かいの部屋にかかっていたネームプレートに【静子】とあった気がする。プロフィール画面には一年生とあるので、妹ということになる。
 それはそれですごい偶然だ。ただ、姉妹だと遺伝子は似ていると言うし、AI的には必然なのかもしれない。
(ぼくにとっちゃどうでもいいことだけどね。大事なのはこれから)
 急いでメッセージを打ち込み、すぐに結良室(通称セックス室、またはヤリ部屋)の前で会う約束を取り付けた。
 浮かれ気分で早足にセックス室へ向かう。以前は予約待ちになる人気ぶりだったけれど、今日は簡単に取れた。早期にマッチングした人たちはもう仲を深めて、それぞれの家でヤってるんだろう。
 五分ぐらいドアの前で待っていたけれど、相手はまだやってこない。既読はついているから連絡はいっているはず。
 もう一度スマホを確認したところで、急にドアが中から開いて、誰かが顔をのぞかせた。
「お入りになりませんの?」
 と言って、一歩踏み出してくる。
「わっ!? さ、先に来てたんだ……」
 頭一つ分だけ小さい、小柄な少女が姿を現す。切りそろえた前髪の下の、ぱっちりした目が、ぼくを見上げている。
「初めましておにいさま。私が白根静子ですわ」
 穏やかな笑みを浮かべる口元から出たのは、小鳥のさえずりのような声。
 姉の小雪とはまた違った、正統派の美少女だった。
 その顔に目を奪われていたせいで、あいさつの言葉の違和感が脳に染み渡るまで時間を要した。
「……ん? いまお兄様、って」
「ええ、だってお姉様を娶られるおつもりでしょう? でしたら、将来の義理の兄といっても差し支えありませんわよね、お義兄様」
「うん、まぁ確かに……」
 子宝法の義務はあくまで妊娠させることであって、その後の結婚までは必要ない。けれどぼくは愛を育んだ。小雪と将来的に添い遂げる約束をしたのだ。
(ってことは、この子とも親族になるわけだし、義兄呼びは不思議でもない……のか?)
 気になっていたのは、もう一つあった。
「あと白根さん……は紛らわしいか。静子ちゃん、なんでお嬢様言葉なの」
 白根家の両親はどちらも官僚と聞いているので、いいとこのお嬢様と言えなくもない。とはいえ、お嬢様言葉なんてのは、現実に使われることはまれだ。漫画やアニメの中ぐらいだろう。
 と思っていたら、そのものズバリな答えが返ってきた。
「静子は昔から大の漫画好きなもので……子どものときに気に入ったキャラの真似をしていたら、いつの間にか定着してしまいましたの」
「ああ、けっこう作品から影響受けやすいタイプ?」
「そのように思っていただいてよろしいですわ」
 そう言って、ニコニコと機嫌良さそうな笑みを向けてくる。
 ちょっと変わった子だ。姉の小雪が大人びている分、余計に子供っぽさを感じる。
(うーん、まだ早くないかなぁ)
 若干不安がよぎったけれど、久々のセックスという誘惑には勝てない。
 静子ちゃんが先に引っ込んだので、ぼくはその後に続いた。
 いつも通り、オレンジ色の間接照明だけの部屋は薄暗い。だけどそれが、これからセックスをするのだという雰囲気を盛り立てる。
 結良室は一見ホテルと同じ造りだ。ただ、のぞきを防止するためか窓はなく、床も保健室のようだった。聞いたところによると清掃しやすくするためらしい。
 皆がお行儀良くベッドの上でプレイするとは、学校も思っていないのだろう。
「静子、セックスは初体験ですの。どのようなものか、気になって仕方ありませんわ。ささ、早く致しましょう」

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