惨劇の舞台は「メゾン・ド・緑が丘」。
瀟洒なマンションに住む人妻たちが、
次々と強姦魔の生贄になっていった!
容姿こそ違え、好奇心の強い身体は
抗いつつも濡れ、腰が微妙に揺れはじめる。
許して、あなた。わたしはいけない妻……
ゆみこ(31歳)秘書
まさよ(28歳)看護婦
ひろこ 人妻
りょうこ(27歳)看護婦
ひとみ 女教師
本編の一部を立読み
「いやいや! 人を、人を呼ぶわよ」
「呼んでもいいぜ。マンションの住人は、お隣さんの出来事には無関心だし、ここは防音壁だ。ちょっとやそっとでは聞こえない」
男はしゃべった。しゃべることで動きにゆるみが生じた。雅代はありったけの力で腕を振りまわした。肘が背後にいる男の胃をしたたかに突いた。
西山は予期しない反撃をくって、歯を食いしばった。激痛が腹部を走り、苦い汁が口腔に逆流した。思わず雅代を離した。雅代は這って蒲団の上から逃げた。自分では脱兎のごとく走ったつもりだが、気持が動転しているのとネグリジェが足にまとわりつき、這ってしまったのだ。
「た、助けて! 誰か! 強姦です……」
玄関へ逃げればなんとかなる。そこで大声で叫ぼう。誰か、誰か来て下さい!……
雅代はみじめな姿で寝室からリビングルームへ逃げた。そこは食卓や椅子が並んで、通路は狭かった。あわててキャビネットの花びんをひっくりかえしてしまう。花が床に散り、水が雅代の下半身を濡らした。
リビングルームを抜ければ、右手は玄関で左は六畳の和室だ。和室の奥にはさして広くないベランダがある。リビングルームの木製ドアにとびついて、引き開けたとき、追ってきた西山に捕まった。
胃を強打され、胃液を吐きながら、西山は怒りのために狂獣と化した。
あえぎながらドアの向こうへとびだす雅代の尻を、思いきり蹴っとばした。
「ギャーッ!」
雅代はドアの回転に沿って身体がぐるりとまわり、あお向けに玄関脇の狭いフロアにひっくりかえった。尾てい骨を蹴られて呼吸がとまり、やたらと鼻水と涎が顎を濡らした。
「なめた真似しやがって……」
西山は崩れた花のようにみじめな姿の雅代の腋の下に手を差しこんで、六畳間へ引きずった。
「おねがい。助けて」
「やらせろ、奥さん」
西山は和室の襖障子を閉め、女を畳に放りだしてから、獲物を賞味しはじめた。
「病院では、落ち着いてできなかったよな。でも奥さんの味は悪くなかった。あれ以来、あんたのことが忘れられないんだ。今日はゆっくりやらせてくれ」
「いやです。何言うんですか。あなた、このマンションの方でしょう。他の住人に知れたら、ここには住めなくなるわよ」
「住めなくなるのは、奥さん、あんたのほうだよ。旦那を送りだしてから、こっそり男を呼びこんで、真っ昼間からお楽しみの夜勤看護婦……まるで絵に画いたようなご乱行だ」
「けだもの!」
「ああ、俺はけだものだよ。女に狂ったけだものだ。さあ、開け。そのビラビラしたネグリジェなんか、ひっぺがしてしまえ」