濡れた金曜日

著者: 夢潤一郎

本販売日:1986/03/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0050-4

着衣を剥かれ、羞恥の限りを強いられる裸身。

ブラウン管の中で微笑んでいた顔が

迫りくる官能に歪み、痙攣する!

ベールの下に隠されたスターたちの

愛と性、貪婪な濡れた金曜日。

登場人物

ゆみ 女優・アイドル

あきこ(22歳)その他

らんこ(32歳)女優・アイドル

みきこ(28歳)その他

せつこ(26歳)女優・アイドル

本編の一部を立読み

「スターに浣腸してあげるってのはどうかしら?」

「浣腸?」

浣腸にはあまり興味のない菊村だが、相手がいまをときめく美人女優になると、話はまた別だ。辱しめる方法としては、これ以上のことはない。

「いいだろう」

「でしょう?」

菊村はほくそ笑みながら、そんなことを思いついた明子の胸のうちが手にとるようにわかった。明子は裕美を絶望的な辱しめに合わせることによって、菊村の裕美への未練を断ち切ろうと思ったにちがいない。

依然として気を失ったまま裕美の茂みにクリームを塗りつけると、菊村は、慎重にカミソリを這わせた。裕美の茂みはデルタ状にきれいに生え、ラビアの周辺はまばらだった。丘の上から、そのまばらな部分まで、菊村は丹念に剃り落とし、剃毛は完了した。

その間も裕美は失神したままだった。

「いやあね、あるべきものがないって、こんなに生々しいの」

茂みを失った裕美のそこを見て、明子は自分のことを想ったらしい。妙に気恥ずかしそうにいう。裕美のそこはのっぺりとして、充血してひらいたラビアとその狭間の粘膜だけがやけに生々しく、露骨に見える。

菊村は、伸ばして開脚させている裕美の脚を縛り直した。膝を縛って両脚をM字型にひらかせたのだ。その腰の下に枕を敷き入れた。

そのとき──。

かすかに呻いた裕美がようやく、意識を回復した。

裕美は一瞬、茫然として、腰を持ち上げた形で開ききった股間に視線を投げかけていたが、剃毛に気づくと驚いて目を瞠った。

「これは……!」

「どうだ? ちょっと露骨だけど、サッパリしていい眺めだろう」

「イヤッ、ひどいっ!」

裕美はいまにも泣き出しそうな表情で、かぶりを振りたてる。

「これでもう、あの望月とかいうディレクターとは別れるんだな」

菊村はオリーブオイルを塗りつけた指を裕美のアヌスに這わせた。華奢な躰つきにしては意外にむっちりと張ったヒップが弾かれたようにくねった。

「イヤッ、そんなとこ、イヤッ、触らないでっ!」

裕美は狼狽しきっていた。

「いままでの男は、俺も含めて誰もここに触らなかったようだな」

必死に硬く噤もうとするアヌスを、菊村はマッサージするように押し揉む。枕の上に乗った裕美の腰が焦れ狂うように悶える。イヤッ、イヤッ、と息せききって拒む声がしだいにうわずった。

菊村はアナルマッサージをやめると浣腸器にセッケン水を吸入した。それを見た裕美は、まさか! というように顔を強張らせた。その顔がみるみるおぞましい表情を浮かべ、うろたえた。

「イヤッ、やめてっ、そんなこと、ゆるしてっ!」

狂ったようにかぶりを振りたてて哀願する。オイルで光るアヌスが必死に喘ぐように収縮している。

「北川裕美のような美人女優ともなると、出すものも出さないんじゃないかというのがファン心理でね。それならここで、試してみようってわけだ」

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