女陰花(めいんか)

著者: 有沢美喜

本販売日:1986/04/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0056-6

婦人科医・朝美、26歳。

朝美の花はよく濡れる美しい女陰花だ。

その女陰花が、男の手で、内診台の上で、

屈辱的にさらされようとは、

朝美は予想だにしなかった……

登場人物

あさみ(26歳)女医

あさよ(19歳)女子学生

しょうこ(24歳)その他

みわ(18歳)その他

さえ(18歳)その他

本編の一部を立読み

自分の中の混乱をどう処理しようにもできずにいる朝美を、縛った包帯を切ると怜二は軽々と抱きあげ、手術室へと連れてゆき、そこに置かれた台に乗せた。そして、

「まさか……」

と思ったことをやってのけたのだ。高々と持ち上げられた両足が保脚器に括りつけられるのを知って、

「いやあッ!」

朝美は思わず悲鳴をあげた。手錠をかけられた両手は頭上のバーに縛りつけられる。

その姿勢を取らされると、女の花は開ききり、それどころか菊の蕾さえ丸見えになってしまうのを誰よりもよく知っているのは、朝美自身なのだ。

「どんな気分だい? 先生?」

怜二が訊く。そして、手当たり次第に器具を並べると、

「はじめるぜ」

むごい言葉を吐いた。

「だが俺は素人だからね。何をどう扱っていいかわからん。教えてくれよ」

これ以上の、辱しめがあるのだろうか?

あるとしたら、どんなことか教えて欲しい。

と、朝美は思った。どこで得た知識か? 内診の仕方を教えろ、と怜二は言うのである。言えるものではない。だが拒むと、

「傷がつくぜ」

メスが持ち上げられる。

「どうするのさ」

再び訊かれて、朝美は目を閉じた。

「指を、入れるの」

「どの指」

「人さし指と中指」

言葉にすることを、そっくりそのまま責めにされるのである。

「中絶の方法は?」

訊かれ、器具を教え、それが自分の秘貝に挿入されたとき、

「ひどい……」

とだけ、朝美は告げた。そして、そのままの形で、怜二が着ているものをかなぐり捨て挑んできたとき、

「堕ちて」

と、朝美は命じた。

「畜生!」

呻いたのは、怜二の方だ。

荒々しい勢いで自分のものを押し入れ、突きまくる。

まったく身動きできない状態でいながら、朝美は秘貝が濡れそぼつのを感じ、それが縛られていることの鈍い痛みと屈辱感と相俟って、息も絶えそうな快感となり押し寄せてくるのを知った。

「犯して。もっと犯して」

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