金属性のゾンデキューレットが冷たく光り、汗に濡れた妖艶な肉体に痙攣が走る。診察という名の肛虐地獄。人妻・市村弘子が囚われたのは影の巨魁・横沢の秘密研究所。女体を実験材料に、昼夜を問わず恐ろしい器具を使っての凄絶な浣腸と肛交が繰りひろげられる。そして同じく誘拐されてきた夫の前で暴虐の限りを強いられ、ついには人工授精まで……。悪魔の子を宿してしまった奴隷妻・弘子に休むことは許されない。生命への冒涜すら恐れぬ男達の手で、弘子の運命は?
ひろこ 人妻
えりこ 人妻
本編の一部を立読み
市村弘子……その美しい人妻は、悪魔の生贄として、四つん這いで双臀を高々ともたげた姿勢をとらされ、その上にはたくましいばかりのドーベルマン犬がのしかかっていた。
それを取り囲んで、大広間いっぱいにむせるようなよどんだ空気が充満していた。人間のものとは思えない男たちの淫らでただれた熱気と、酒の匂いである。弘子のまわりに群がっている男たちの顔は、どれも眼がギラギラと血走り、口もとからは欲情の唾液さえ垂らして、まぎれもない狂ったけだものの表情だった。今にもドーベルマンとともに、弘子にとびかからんばかりだ。
「うッ、ううッ……ううむッ」
弘子は恐怖のうめき声をあげていた。泣き叫びたくとも、猿轡をかまされているのだ。悲鳴はくぐもったうめき声にしかならず、舌をかんで死ぬこともかなわない。
(いや、いやあッ、助けて、助けてえッ……こわい、こわいわッ)
弘子は猿轡の下で泣き叫んでいた。獣の犬に犯される……獣姦の恐怖に弘子は、スーッと心臓が縮まり、冷たくなるのを感じた。
もうさんざん凌辱の限りをつくされた弘子であったが、これまでは少なくとも相手は、横沢や蛭川たちであった。それが今は、獣と交わらされようとしている。それも見事なまでにきたえられたドーベルマン犬。
(た、助けてえッ……人間の、人間のすることじゃないわッ)
こんな恐ろしく、非人間的なことがこの世にあって、許されるのだろうか。人間の女でなくなる……弘子は本当の牝にされるのだ。
獣姦など弘子の正常な知識では、およそ考えもつかない行為だった。それだけに恐怖は大きく、全身の血が凍りつかんばかりだ。
「うッ、ううむッ……ううむッ」
弘子は、四つん這いの姿勢に縛られた裸身を、狂ったように揺すってもがいた。
(いや、いやあッ、犬となんて、そんな恐ろしいこと……死んでもいやあッ、いっそ殺して、殺してえッ)