夜這いへの不安、期待、誘惑、そして淫れに乱れて……
閨の人妻が、深窓の令嬢が、神妙な尼僧が夜の暗闇で、
「ああ、これがいい、もういく、いい、ああっ、あたし、
そこ、そこよ、いくいく、あーん、もういいいい!」
熱い淫水が溢れ、茶臼の腰がぐいぐい持ち上がり……
秘本『夜這い考』の異色な味わいと、名画が贈る刺激!
本編の一部を立読み
――ね、あんた、入れて入れて、早く、入れて、ね、入れて……
男の方は無言のまま、やはり指を微妙に動かしながら女を見ている。
――ねえ、あたしいくいく、いい、いいわよ……。
と女のよがり声が興奮のためか、いちだんと高くなってきた。
「裸になれよ」と男が言った。
「誰か来やしない」と女。
「誰が来るものか、芝居に夢中だ」と男は手早く帯をといた。
尼僧も急に思い出したように素っ裸になった。
素っ裸になった尼僧の姿態は脂がのってつやつやとしていた。旅役者である男は、今まで数多くの女を相手にしたり裸を見てきていたが、こんなに美しい肉体を見るのは初めてだった。
女は座ったままである。腰は細く、陰毛はさほど多くはなかった。白い身体の上に薄く墨をはいたように見えた。戸の隙間から二人を見下ろすような格好となったので、男と女の動きは手にとるように分かる。しばらくして女の裸を楽しむかのように見ていた男が、横抱きにすると女をいきなり倒した。
はじめは指先で陰核を上下にきしきしとこすりあげていたが、女がよがり声を上げ腰をむくむくさせるにつれ、ついに二本の指を根元まで差し入れた。そしてその指をグリグリと回した。
役者の男には××××が微かな音を立てているのが、はっきりと分かった。
「早く、早く」と女がせがんでいる様子は首の動かし方からも察せられた。
やがて、男は硬直したものをおもむろに女の口元へ持っていった。女は薄目を明けてそれを含んだ。そして今度は男が女のものを舐めた。