「あなた、真美ちゃん……淫らな夏子を許して……」脳裏に浮かぶのは、最愛の夫と娘の顔。だが肛門に注入されていく浣腸液のおぞましさに、呑みこまれてしまう理性。唇を噛みしめ責めを必死で耐える媚態は、人妻ならではの色気に満ちていた。28歳の女体を牝にする過酷すぎる女体競売ショウの幕が、今あがった!
(挿画 楡畑雄二)
なつこ(28歳)人妻
まゆこ(20歳)女子大生
ようこ(24歳)秘書
本編の一部を立読み
「亭主にも見せてやりてえくらいだ。浣腸されている時の奥さん、またいちだんと色っぽいぜ」
夏子の胸の内を見抜いたように、氷室と原田はせせら笑った。
ようやくシリンダーは三百五十CCの目盛りのところまで押しこまれた。
原田は氷室と顔を見合わせて携帯電話を取りあげた。番号を押すと、すぐに相手は出た。
「佐藤さんかい。奥さんの夏子に頼まれて電話したんだけどよ」
車の窓の向こうの夫が、受話器を取りあげるのがはっきりと見えた。
さるぐつわをされた夏子の美貌がひきつった。
「奥さんはもうあんたのところへはもどらないそうだ。あんたとのセックスじゃもの足りねえんだとよ」
原田は夏子をニヤニヤと見おろしながら、受話器に向かって言った。
夏子は一瞬、ジワジワと入ってくる薬液のことも、ふくれあがる便意のことも忘れた。
(や、やめてッ……そんなこと、いやあッ)
我れを忘れて泣き叫んだが、うめき声にしかならない。
「俺が誰かって?……だから奥さんに頼まれたと言っただろ。奥さんは何人もの男によってたかって犯られるのが好きなんだとよ。とくにオマ×コと尻の穴に同時に入れられねえと満足できねえんだとよ」
原田はせせら笑うように言った。夏子の夫との電話を夏子に聞かせて楽しんでいる。
受話器の向こうで夏子の夫はなにか叫んでいるようだ。それは車の窓からも見えた。
「とにかくあんたは女房にすてられたんだよ。色情狂の夏子によ」
原田の言葉に夫がまたなにか叫んでいる。まさか家の前にとまったワゴン車のなかに妻がいて、そこから原田が電話をかけているとは夢にも思わない。
「嘘なもんか。今だって奥さんの希望で浣腸してやっているところだぜ。夏子に浣腸して、とさっきからしつこくねだるもんだからよ。まったく、綺麗な顔してあきれるぜ」
原田はせせら笑った。
ひいッと夏子はのどを絞り、片脚吊りの裸身を揉み絞った。
(あなた、あなたッ、嘘ですッ……そんなこと、ああ、嘘よッ)
夏子は泣き叫んだ。
「フフフ、気持ちよさそうに浣腸されている奥さんをあんたに見せてやりてえぜ。今にも気がイキそうだからな」
原田は夏子の夫に向かって言いながら、せせら笑った。
「言っとくが、これは誘拐じゃねえ。警察に届けたって女房に逃げられた恥をさらすだけだ」
もう一度あざ笑って、原田は一方的に電話を切った。
夏子はさるぐつわの下で、わあッと号泣した。黒髪を振りたくり、吊られた片脚をうねらせて、汗まみれの裸身を揉む。
(ひどい……ああ、ひどすぎるわ……こんなことって……ああ、あなたッ……)
氷室はあざ笑い、さらにシリンダーを押した。