狙われた媚肉(下)

人妻・悪魔の冒涜

著者: 結城彩雨

本販売日:2007/04/10

本定価:1,257円(税込)

ISBN:978-4-8296-7524-3

人妻・市村弘子が囚われたのは影の巨魁・横沢の秘密

研究所。女体を実験材料に、恐ろしい器具を使っての

凄絶な浣腸と肛交が繰りひろげられる。遂には悪魔の

子を宿してしまった奴隷妻には休息すら許されない。

生命への冒涜すら恐れぬ男たちの魔手で狂わされた弘

子の運命は、空前絶後の凌辱地獄へと暴走していく。

(挿画 楡畑雄二)

登場人物

ひろこ 人妻

えみこ 人妻

本編の一部を立読み

市村弘子……その美しい人妻は、悪魔の生贄として、四つん這いで双臀を高々ともたげた姿勢をとらされ、その上にはたくましいばかりのドーベルマン犬がのしかかっていた。

それを取り囲んで、大広間いっぱいにむせるようなよどんだ空気が充満していた。人間のものとは思えない男たちの淫らでただれた熱気と、酒の匂いである。弘子のまわりに群がっている男たちの顔は、どれも眼がギラギラと血走り、口もとからは欲情の唾液さえ垂らして、まぎれもない狂ったけだものの表情だった。今にもドーベルマンとともに、弘子にとびかからんばかりだ。

「うッ、ううッ……ううむッ」

弘子は恐怖のうめき声をあげていた。泣き叫びたくとも、猿轡をかまされているのだ。悲鳴はくぐもったうめき声にしかならず、舌をかんで死ぬこともかなわない。

(いや、いやあッ、助けて、助けてえッ……こわい、こわいわッ)

弘子は猿轡の下で泣き叫んでいた。獣の犬に犯される……獣姦の恐怖に弘子は、スーッと心臓が縮まり、冷たくなるのを感じた。

もうさんざん凌辱の限りをつくされた弘子であったが、これまでは少なくとも相手は、横沢や蛭川たちであった。それが今は、獣と交わらされようとしている。それも見事なまでにきたえられたドーベルマン犬。

(た、助けてえッ……人間の、人間のすることじゃないわッ)

こんな恐ろしく、非人間的なことがこの世にあって、許されるのだろうか。人間の女でなくなる……弘子は本当の牝にされるのだ。

獣姦など弘子の正常な知識では、およそ考えもつかない行為だった。それだけに恐怖は大きく、全身の血が凍りつかんばかりだ。

「うッ、ううむッ……ううむッ」

弘子は、四つん這いの姿勢に縛られた裸身を、狂ったように揺すってもがいた。

(いや、いやあッ、犬となんて、そんな恐ろしいこと……死んでもいやあッ、いっそ殺して、殺してえッ)

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