調教の主導権を握った志田は、標的を再び江里子に定めた。
幸せな若妻から、魔虐の肉実験用の牝に堕とされた26歳。
商店街の主人や近所の主婦たちにまで徹底的に責めつくされ、
おぞましき調教によって肛悦の魔味に翻弄される江里子。
「これ以上、私の身体を乱れさせないで、狂わせないで」
女の誇りと夫への愛さえ剥奪される、ここは究極の魔肛地獄!
(挿画 桐丘裕詩)
えりこ(26歳)人妻
本編の一部を立読み
「ひッ……はやく、車に……」
だが、美容院の前にとまっているはずの志田の車は、どこにも見あたらなかった。
「ああ、そんなッ……車は、車はどこなのッ」
「フフフ、言い忘れたけど、車は向こうの駐車場へ移したんだ。ここじゃ駐車違反になるんだ」
志田はわざとらしく言った。
「ひッ」と江里子は息を呑んだ。駐車場といえばここから百メートルはある。
本能的に美容院へ逃げ帰ろうとするのを、志田はグイと糸を引いて許さなかった。
「駐車場まで行くんだ、江里子さん」
「いや……かんにんして……」
すでに何人かの道行く人に気づかれている。大きな声を出せば、さらに人が集まってくると思うと、まともに声も出ない。
「いやでも行ってもらうぜ、江里子さん」
「こ、こんな姿でなんて……いや、ああ、そんなこと、許して……」
「裸を見られることより、洩らさねえように気をつけることを心配するんだな、フフフ」
志田は糸を引っぱって、江里子を強引に商店街の中心へと引きたてていく。
「あ、あ……ひッ……」
江里子は生きた心地もなく、キリキリと唇をかみしめた。乳首と女芯を絞った糸を引かれては、あらがうことはまったく不可能だった。
長山夫人が江里子の首から厚紙をぶらさげた。画用紙大の大きさで『私は浣腸好きの牝です。川野江里子』と書かれ、その下には江里子の住所まで書かれていた。
すぐに道行く人々が江里子に気づいた。それでなくても美しさのきわ立つ江里子が、一糸まとわぬ全裸をうしろ手に縛られ、商店街を引きたてられてくるのだ。みんな一瞬ギョッとして立ちどまり、ある者はひそひそとささやき合う。
「すごい美人だな。なんていい身体してるんだ。たまらんな」
とまぶしいものでも見るように眼を細める男、幻でも見たようにポカーンと口を開けている学生。そして、
「ねえ、あれ噂の人じゃない。何か書いてあるわ……川野江里子って、やっぱりだわ」
「裸でテニスしたり、犬を相手にいやらしいことをするって噂でしょう。本当だったのね」
「なんてハレンチなの。よくあんなかっこうで歩けるわね。牝っていうだけあってすごい」
好奇と軽蔑の眼でささやき合う主婦たち。江里子が顔見知りの近所の人たちも何人かいた。
そんななかを江里子はゆっくりと引きたてられていく。女芯を縛った糸が、江里子が前かがみになることを許さない。
(ひどい……こんなことって……ああ、死んでしまいたいわ……)
だが、江里子のそんな思いも猛烈な便意に押し流されてしまう。頭のなかがうつろになり、もう自分の置かれている状況さえわからなくなる。
荒れ狂う便意だけが、失神寸前の江里子の意識をジリジリと灼いた。
(ああ、もうだめ……で、出ちゃう、出る……)
江里子は肛門の痙攣を自覚した。
ちょうど商店街の一番にぎやかな場所で、江里子を囲んで人だかりができているのもわからないように、江里子はズルズルとしゃがみこんだ。