路線バス【檻の中の乗客】

「は、はい……しますっ……私、お尻を振りますっ……」

頭はぼうっとして、なにがなんだかわからなくなっている。それでも義務感に急きたてられて、加奈は美尻を左右に振りはじめた。肉刀を深々と呑んだ女体を、卑猥にダンスさせていく。

夫にだって、こんな淫態を晒したことは一度もない。仮に求められたとしても、即座に退けるに決まっている。

「おお、すごいぞ、奥さん。やればできるじゃないか。そらそら、もっとイヤらしく振れ」

「ああ……こ、こうかしらっ……あああっ……」

酩酊したように全身を熱くさせながら、尻振りの振幅を大きくする。槇田の歓心を買いたい一心で、淫らな振る舞いを続けていく。

「くそっ。まったく人妻は、いざとなるとやることが大胆だぜ。なんにも知らない亭主はいい面の皮だ。あはははっ……」

「言わないで、言わないでっ」

悲痛に訴えた加奈だが、尻振りはやめない。咥えこんだ刀身が自らの動作のせいだろうか、なんとも悩ましい角度で果肉を苛む。まるで女体を攪拌されているようだ。

「おい、おまえら。見てるか」

槇田が背後の客席に呼びかけた。

「ちょっとした見世物だぜ。バックからぶちこまれた人妻が、悦びすぎてケツを振ってるぞ。おい、奥さん。あんた、年はいくつだ」

肩越しに槇田が問いかけてきた。

「に……二十七、です……」

「聞いたか。二十七歳の人妻だ。この際だ、じっくり見てやりな」

「あああ、皆さん……どうか、見ないでっ……恥ずかしいっ……」

もう刀身はズッポリと肉洞を満たし、グチュグチュと淫猥極まる響きを隠花から奏でたてている。尻振りのせいで果肉はグチャグチャに引っ掻きまわされ、妖しいばかりの性感を女体に湧きあがらせた。

「駄目っ……駄目よ、感じちゃうっ……」

武骨な肉刀が、あまりにも悩ましい。肉洞の粘膜がピリピリと引きつり、妙なる喜悦を生じさせる。加奈が乱れれば乱れるほど、妖美極まりない刺激は官能を揺るがしていくのだ。

「ああ、駄目になっちゃうっ。駄目になっちゃうっ」

加奈はグラグラと頭を振りながら、同時に尻振りの振幅を最大限にした。槇田の掌中にとらえられた乳房も、ブルブルンッと横揺れする。

「おおっ……」

槇田が喉で唸った。

「たまらねえっ。出そうだっ……」

「ひっ」

ゾクッと背筋に悪寒が走った。

「待ってっ。それだけはっ」

「うるせえっ。出すぞ。出してやるっ」

乳房をとらえていた槇田の手が、腰骨に戻った。

加奈の美尻がグイッと引き寄せられる。逞しい刀身のすべてが肉洞に埋没した。

「待ってっ。ああ、待ってええっ」

もがく女体に構わず、槇田は「ううっ」と吼えて吐精する。濁った体液が体内にひろがっていく様を思い浮かべながら加奈は茫然としていた。