奴隷夫人（下） 羞恥と羞悶

「初めての時は誰でも痛がる。これは女の宿命なのだ。泣きたければ泣くがいい。痛みを忘れるほど泣くほうがいいかもしれん」

大熊は片手を添えて、屹立した魁偉を邦子の入口に当てがった。ゆっくりと力を加えて先端を押し進める。ラビアが左右からまつわりついてくる。

「ああっ……痛い……あっ！」

生身を裂かれるような痛さに耐えられずに、邦子は悲鳴をあげてずりあがった。それを追って大熊がさらに侵入を果たそうとする。

「ああ、許してください……もういや……痛い……いやいや」

「もっと泣け。もっと大きな声で泣くんだ。あの二人がのぞきにくるだろう。そうしたら、その苦しむ顔を見せておやり」

邦子は夜具から落ちて肩まで乗りだしてしまっている。大熊は邦子を夜具の上に引き戻すと、もう逃げあがれないように頚の下に手を入れて、肩をしっかりと押さえつけた。

「少しでも楽になりたかったら、股を大きく開くんだ」

大熊の先端は、まだ邦子の肉の抵抗にあっている。それをわずかに奥へ伸張しているだけだ。今度ははずみをつけて突きあげた。

「ううっ！ いっ！ いやいや……」

邦子はかぶりを振ってずりあがろうとした。覚悟していた痛さとはまるで違う。とても耐えられない痛さであった。物理的にまったく不可能なことを強いられている思いがあった。このまま強行されたら、身体をこわされてしまうという、本能的な恐怖さえ感じていた。

大熊は逃れようとする邦子を押さえつけ、右手で腰を充分に引きつけると、再び思いきった突きを試みた。

「ギャウ！ い、痛あっ……裂けちゃう……もう、かんにん……」

邦子に悲鳴をあげさせただけだった。邦子の肉片が強靭なためではない。未開拓の道に対して、大熊の体積があまりにも大きかったのである。

大熊はそんなことは百も承知である。承知のうえで女を征服する。その過程で、女が生身を裂かれる苦痛を訴えれば訴えるほど、彼の歓びは倍加した。悶えて泣き叫ぶほど、野性は猛ったのである。大熊はここを先途と攻めつづけた。邦子が恐怖に駆られたほど、息つく間もない強い突きあげの連続であった。

邦子の悲鳴や哀願が耳を聾するほど部屋に響きわたった。

「いやよ、いやっ！ もうだめ……ああ……かんにんです……死んじゃう……あっ！」

地獄絵に見るような阿鼻叫喚が寝室に飛びかった。邦子の哀切な声も切れぎれに飛んだ。

「ギャアッ！……」

遂に邦子の肉片が裂けた。先端がめりこんだ。

「いやいや……取って……痛いっ……裂けちゃいます！」

生理の時にタンポンさえ使ったことのない邦子の未開地に、巨大な灼熱がめりこんでいる。まだ先端のごく一部である。

邦子の固く閉じた瞼が震えている。眉をしかめて今にも泣きだしそうである。