妻と娘が寝取られた

　夫とは比較にならない圧迫感だった。二十センチはある肉幹をどこまで埋められたのかは定かでないが、内臓が押し上げられて深く息を継げない。まるで肉の杭で串刺しにされたかのようで、怖くて身体がかたかたと震えてしまう。
　一方でマーキスは双眸を見開き、下品な笑みを満面に湛えて人妻を見下ろす。その右手がスマートフォンを操作しているのだが、いまにも失神しそうな愛純には気付く余裕がない。
『たまんないよ、アズミ。あったかくって、きゅうっと締め付けてきて……。スケベなオマ×コしてるんだね、入り口と奥とで締められるなんてさ。ヒダヒダも深くって、ねっとり絡みつく感じもすごいよ。アンナを産んだなんてウソみたいだ』
「やめ……てぇっ、そんな……」
　大声で結合の感想を喚かれ、人妻はやっと息を継いで羞恥に耳を火照らせる。相変わらず深呼吸はできないが、時が経つにつれ肉体的な辛さは薄れてゆく。娘を産んだせいで膣の収縮性が増したのか、嫌な軋みは感じられなくなる。すると膣内のものに自然と意識が向く。黒人青年のペニスは変わった特徴の集合体だった。
　まずは幹の硬度が夫と異なる。亨の幹は付け根から亀頭冠の直下までがっちりと硬いが、マーキスの幹は全体的に柔らかい。そのお陰か最初こそ異物感が酷かったものの、ひと呼吸継ぐにつれ見る見る膣肉と馴染んでくる。
　そして熱量が異常だ。ぷりっとした弾力に満ちた肉傘から幹に至るまで、燃え盛るかのように熱い。彼が発する熱気が膣肉から全身へと染みて、身体中に大粒の汗が噴き出してくる。特に熱いのは亀頭冠に触れられている子宮口だ。極薄のコンドームではほんの僅かも熱を遮れない。
「うン……っ」
　漆黒の逞しい肉体が背に覆い被さってきてより結合が深まる。彼の分厚い胸板が背中に密着すると罪悪感も強まり、落ち着きかけた呼吸が再加速する。
　二十歳の若者は両手を下から回して胸元へ伸ばしてくる。重力に引かれて優美な砲弾型となっていたＥカップの媚乳を握り締められ、背徳的な交尾姿勢が完成してしまう。漆黒の肉体に絡みつかれた純白の女体が午後の光に眩しい。
『吸い付くみたいな最高の抱き心地だよ。それに甘いイイ匂いがする。オレにとって理想の女性だよアズミは。本気でお嫁さんになってくれない？』
『なに……いって、はぁ、はぁ、はやく……っ、おわらせてッ』
　挿入を果たして気持ちが大きくなっているのか、若者は余裕の笑みを湛えて口説いてくる。右肩越しに唇を狙われ、愛純はぷいと左へ美貌を逃がす。こんなことになってしまったが、夫への愛が揺らぐことはない。いまだって胸が潰れそうなくらいに辛いのだから。
「あ…………っ」
　キスを拒まれたマーキスはぎらりと目を輝かせ、ならばとがら空きになった右首筋へ鼻先をうずめてきた。汗ばんだそこをクンクンと嗅がれ、引き攣る筋に沿って熱い舌を這わされる。恥ずかしさと心地好さとでゾクゾクと背筋が燃えてしまい、人妻はきゅっと朱唇を噛む。これではまるで恋人同士の睦み合いではないか。なんとしても最後まで理性を保って終わりにしなくてはならない。
「ふぅ……っ、く……」
　若い雄の逞しい腰がゆったりと前後に動き出す。右の首筋をベロベロと舐め回し、両の乳房をねっとりと揉み立てながらの抜き差しだ。悔しいが責められるどの部分からも素肌を粟立たせる快感が迸る。息子同然の年下男性に吐息を弾ませられるのは大変な恥辱だった。混濁したままの頭に血がのぼって益々意識が揺らぐ。
（やだ……っ、おくに……あたって……）