本販売日:2003/08/23
電子版配信日:2007/11/09
本定価:576円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-1215-6
あなたはわたしをはしたない未亡人だとお思いになる?
きみは僕をいやらしい男だと軽蔑するかい?
ベランダで布団を干す麗しき隣人のスカートに潜り込み、
玄関先で後ろから美肉を貫かれたまま応対に出る。
重なる逢瀬は激しさを増し、綴る手紙は余りに卑猥すぎた。
Love Letter……と呼ぶには切なく、淫らすぎる性の記録。
みさこ(32歳)未亡人
本編の一部を立読み
恥ずかしい。飢えていたのは、わたしのほうなのかしら? 夫と死別して二年、男の人を避けつづけて、たまってしまっていたのかしら? 本当に未亡人のイメージ通り、欲求不満の固まりになって、男のものが欲しくてうずうずしてしまっていたのかしら?……
わたしの身体のなかには、ふしだらな血が流れ、淫らな欲望が潜んでいたのかもしれない。あなたはそれを見抜いていて、隠れていたそれを剥きだしにさせたんでしょう。
もう知らないから……あなたのせいよ。もう、こうしていても、あなたが欲しい!あなたのアレが、あなたの「オチン×ン」が欲しい!
たった一度、交わっただけで、あなたの愛撫を受け、あなたの挿入を受け、あなたに絶頂を味わわせてもらっただけで、もうわたしはあなたを自分から欲するようになってしまった……。
あなたの奥様がうらやましい。いつでもあなたに抱かれて、あなたのものを迎え入れられるんですもの。ずるい!
泥棒猫でも、なんでもいい。あなたを盗んでやる。いいわよね、ときどき、お借りすることくらい、いいわよね。
でも、これから、奥様とどんな顔をしてお会いしたらいいの? あなたのことを、あなたの体を、あなたのアレを、知ってしまったのよ。同じ男のもので愛されている女同士が、どんな顔で会ったらいいの?
もう知らない! 全部、あなたのせいよ!
わたしをこんなふしだらな女にしてしまって! 夫しか知らなかった貞節な未亡人を、こんな淫らな堕落した女にしてしまって!
どうしましょう、恥ずかしい。こんなに正直に、わたしの本音を書いてしまって。嫌われたらどうしよう。こんなふしだらな女は好きじゃないなんて言われたら……。
でも、もう駄目。
今度お会いしたら、きっと、もっとふしだらな真似をしてしまいそう。わたしのほうから襲ってしまうかも……。
ああ、もうなにを書いているのかわからなくなってしまった。恥ずかしい。もうやめます。さようなら。