『盾の勇者の成り上がり』アネコユサギの、夢の異世界TS転生。
オレこと美少女フィーリアの無償の愛が寝取られ勇者トラストの心を癒やす。
裏切りヒロインを倒し魔王との最終決戦へ。そして待ち構える二度目の「死」。
もっと、あなたのそばにいたかった……あなたを幸せにしてあげたい……。
何度も絶頂を繰り返し、あなたに愛され尽くした感動のルート1エンディング。
ここでしか読めない番外編『聖女改め聖母様の敗北確定ナマイキ妻ごっこ』収録。
(文庫換算255ページ)
目次
第一話 彼女は男を使えない
第二話 明日を迎える一つの方法♀
第三話 魔女
第四話 聖女の剣線
第五話 蕩けた笑みの聖女様♂
第六話 彼女は性具に屈しない♂
第七話 幸せに至る道
第八話 あなたにすべてを捧げます♀
エピローグ あなたは幸せですか?
番外編 聖女改め聖母様の敗北確定ナマイキ妻ごっこ
フィーリア 美少女
本編の一部を立読み
「フィーリア、いいのか?」
いいのか? そう聞いてきたトラストは心配そうな顔をしている。
というのも、これまでオレはトラストと様々なセックスをしてきた。
色々な体位は当たり前、お尻……アナルプレイだってしたことがある。
しかし一つだけ、オレが今まで避けていた性行為があった。
それは……フェラチオ。
要するに口を使って肉棒に奉仕をすることだ。
フェラチオ程度がどうして嫌なのか。
事情を知らない者からすれば性器への中出しすら許しているのに今さらフェラチオ程度と思うかもしれない。
しかし元々男だったオレはこの行為が生理的に無理だった。
だって前世とはいえ、自分の股間についていたことのある性的で汚い……尿や精子の出る器官なんだぞ? 他のどんなことを受け入れられても、これだけは嫌で嫌でしょうがなかった。
「口でするのは嫌だろう?」
「はい。今でもフェラチオは死んでも嫌です」
「それなら無理にしなくてもいいんだぞ?」
実際にフェラチオが嫌いであることを言葉にしたのは初めてだったが、トラストも薄々勘付いていたようで避けてくれていたらしい。
そういう部分で自分が大事にされていたことが嬉しい。
「トラスト様は口でされるのは、嫌ですか?」
「そんな訳がない。むしろやってくれるならやってほしい。けど……」
オレが嫌がることはしたくない、か。
本当、愛されているなぁって思う。
「それならこういうのはどうですか?」
「え?」
「あなたは本当の本当の、本当にがんばりました。だから、わたしはあなたに何かしてあげたいんです」
トラストはがんばった。
がんばった、なんて簡単な言葉で済ませてはいけないくらい、つらいことばかりだった。
それでも戦ったんだ。
どんなに悲しくて苦しい状況でも決して諦めなかった。
「…………」
「これは自惚れになりますが、トラスト様はわたしのこと好きですよね」