本販売日:1993/06/23
電子版配信日:2011/02/04
本定価:535円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-0498-4
真面目すぎる夫とでは体験できなかった
倒錯した性への憧憬が、人妻・美帆を小悪魔に。
あなた、ごめんなさい、一度だけ私を見逃して……
薬で眠る夫の傍らで黒い衣裳を脱ぎ、
別の男に熟れた裸身を、欲情した女を晒す。
激しい快楽のなか、人妻は一夜だけ悪女になった。
みお(28歳)人妻
まゆこ(32歳)人妻
あやこ(28歳)人妻
ちぐさ(30歳)人妻
みほ(28歳)人妻
本編の一部を立読み
「好きなようにおしゃぶりしてごらん」
恐る恐るという感じで人妻はペニスにしなやかな指をからめてくると、欲情しきった顔つきで息を乱しながら、硬直の先から根元までなぞるようにして撫でる。そして、たまらなくなったようすで美しい花びらのような唇を寄せてくると、口に含んだ。
チロチロと舌を戯れさせるようにして亀頭を舐め回していたかと思うと、ますます興奮を煽られたようすで顔で前後に振りながら、口腔全体を使って肉茎をしごく。
テクニックとしてはぎこちない。が、かえってそれが初々しく、むしろ柴崎を刺戟した。
興奮ということでは、美帆のほうが柴崎以上だった。硬直を咥えて揺れる顔が興奮に酔いしれて凄艶な表情を浮かべ、首の支えを失ってぐらついている。
柴崎は、美帆を抱き起こした。
「夫の親友を誘惑するなんて、いけない奥さんだ」
「ええ、わたし、わるい妻なの」
思いつめた燃えるような眼で見返されて、柴崎のほうがたじろいだ。美帆の手がチャイナドレスの下腹部に突き当たっているペニスをまさぐって、指をからめてきた。
「二人とも、今西を裏切ることになる」
「じゃあ、どうすればいいの?」
こんどはからむような眼差しと口調で問われて、柴崎は言葉につまった。この場におよんで、いまさらなにを分別臭いことをいってるんだ、据膳じゃないか、と自分をけしかける気持と、今西に対する罪悪感が胸の中で激しくせめぎあっていた。
「柴崎さん、わたしのこと、きらいなのね」
うつ向いて、かすれた声で美帆がいう。
「そんな……正直いうと、あの『淑妻淫乱』という小説の奈津子は、美帆さんをイメージして書いたんだ。さらにいえば、奈津子が浮気する相手の男は俺自身で、俺の願望を込めて、美帆さんのことを想いながら書いたものなんだよ」
「小説の通りになったのね。おねがい、わたしを奈津子にして……」
うつ向いたまま、ときめきのこもった、喘ぐような声でいって、人妻の手がジンワリとペニスを握り締めてくる。
柴崎は美帆を抱き締めると、今西に対する罪悪感を振り払うように荒々しく唇を重ねた。舌を差し入れていくと、美帆のほうもねっとりと舌をからめてきて、せつなげな鼻声を洩らす。
チャイナドレスの脇のスリットから手を入れ、太腿を撫で上げていくと、直接肌に手が触れた。
驚いた柴崎は、同時に欲望を煽られて、ドレスの裾を引き上げた。思わず息を呑むセクシーな下半身が現われた。熟れきった腰から美しい脚を飾っているのは、黒いガーターベルトにビキニショーツ、それに肌色のストッキングだった。