(何もこんな場所で……バレても知られないから)
満員電車、ぬかるみ始めた小穴をまさぐる隣人の指。
切れ長の双眸を妖しく潤ませ、麻衣は声を押し殺す。
指戯に耐える美人OLの耳元に淫靡な声がささやく。
「待ってな、指の次は本物を入れて狂わせてあげる」
27歳、24歳、17歳……三姉妹を虜にする痴漢調教!
しずか(27歳)看護婦
まい(24歳)OL
みき 女子学生
本編の一部を立読み
(なっ……何なの!?)
慌てて熱塊の正体を確かめようとする麻衣だったが、衣服の上から突きつけられたこわばりの感触には心当たりがあった。
ほっそりとくびれたウエストが、太腿のラインにつながるあたりに密着してきたのは、ズボンの下にあっても猛々しさを隠そうとしない男の下半身――。
(こ、こんなところで、不謹慎だわ……)
周囲に大勢の人がいるにもかかわらず、欲情の証を押しつけてきた慎二の無神経さに、麻衣は眉を顰めたくなった。その一方で、自分の身体の側面にグイグイと食い込んでくる肉柱の存在感が、次第に無視できなくなってくる。
(あぁ、慎二くんのおちん×ん……)
雨の埠頭に停められた車の中で、麻衣がその身に慎二のペニスを受け入れてから、もうじき一週間が経とうとしている。
あの時、自分の女を隅々まで満たした男根のたくましさを思い出すと、お腹の奥にある子宮がざわざわと騒ぎ出し、ブラウスの下の肌身には、冷や汗とは別の汗が浮かびはじめる。
(駄目よ、麻衣……あの時のことは忘れなければ)
麻衣は、思わぬ場所で発情の兆候を示そうとする我が身に驚き、脳裏によみがえりかけた恥辱の記憶を振り払おうとした。
ところが、彼女のそんな動揺を見透かしたように、股間にあてがわれていた慎二の指が動きはじめ、唇から艶めいた吐息を漏らしてしまう。
「アァ……あンッ」
慎二の指の腹が、パンストの上から円を描くように押し揉んだのは、われめの上端で包皮に身を隠しているクリトリスだ。
無遠慮な男は、パンティとナイロンのストッキング――二重の薄布ごしであることを見越してか、敏感な肉芽に強めの圧迫を加えてくる。
「はぁぁ、アッ……」
ベッドの上でやさしく愛撫されるのとは、傾向の異なる粗野な触り方に、麻衣の下腹部にむず痒くなるような感覚が生じた。同時に、パンプスを踏みしめていた両膝がカクカクと笑いはじめ、自力で立ち続けるのが難しくなる。
(こ、こんなことって……)
ラッシュの電車内で痴漢されるという異常な状況にありながら、性的にポジティブな反応を示そうとする自分の肉体に、麻衣はとまどっていた。
自分でも信じられないことだが、このままでは慎二の指がもたらす性感に耐えかね、股間を濡らしてしまうのは時間の問題だ。
その時、ぷっくりと充血しつつある麻衣の陰核を、男の指が下着の上からモールス信号でも打つように叩いた。
トン、トンッ……。
その予期せぬ刺激に、麻衣は、白い喉もとを晒して身を反らし、肢体をビクッとおののかせてしまった。