やけに薄着な後家さん

著者: 青橋由高

本販売日:2023/11/22

電子版配信日:2023/12/01

本定価:825円(税込)

電子版定価:880円(税込)

ISBN:978-4-8296-4697-7

ノースリーブからのぞく二の腕、薄布に透けるブラ線。
引っ越ししたての家でフェロモンを振りまく未亡人。
童貞をからかうように胸を押しつけてくる瑠璃に、
青年の理性は暴発し後家さんの熟膣で中出し初体験を……
近所のシンママにも迫られ、新居は美女の溜まり場に!
甘く翻弄され、優しく包まれ、淫らに溺れる新生活!

目次

第一章 やたらに薄着な37歳の未亡人

   「さすがにこの格好はやり過ぎかしら?」


第二章 隙が多すぎるシングルマザーが現れて

   「あなたのお世話をさせてほしいの」


第三章 なぜか外でも薄着な後家さん

   「亡き夫との思い出の場所で……」

    

第四章 シースルーの洋喪服で

   「もっともっと最高の気分にさせてあげる」

登場人物

るり(36歳)人妻

かおり(35歳)シングルマザー

本編の一部を立読み

第一章 やたらに薄着な37歳の未亡人
   「さすがにこの格好はやり過ぎかしら?」



(おかしい。大学生の一人暮らしって、こんなんじゃないはずだよな? もっとこう、シンプルというか……わびしい感じだよな、普通は?)
 湯上大河は目の前にずらりと並べられた皿を見て、改めて現在の状況の異常さに気付く。
「今日は地元の猟師さんにお魚をいっぱいいただいたんです。お刺身と、煮付けと、唐揚げと、あら煮と、炊き込みご飯。ふふふ、張り切りすぎていっぱい作っちゃったけれど、大河さん、若いから平気ですよね?」
 これらの料理を作ってくれた湯上瑠璃が、にこにこしながら大河の茶碗に炊き込みご飯を大量によそう。
「あ、あの、瑠璃さん?」
「はい? あ、もしかして今晩はお肉のほうがよかったですか?」
 続いて自分の茶碗にもよそい始めた瑠璃が、しゃもじを持つ手を止める。
「いえ、そんな!……ええと、いいんですか、こんな遅くまでうちにいて」
 座卓の前に座った大河は言葉を選びつつ、父方の親族である瑠璃に尋ねた。
「大丈夫ですよ、お義父様とお義母様には、今日もこっちに泊まると伝えてあります。初めての一人暮らし、それもこんな田舎にやって来た大河さんを助けてあげなさいって言われてますし」
 瑠璃は大河の再従兄弟の妻だった。過去形なのは、彼がすでに鬼籍に入っているためだ。つまり瑠璃は未亡人、あるいは後家と呼ばれる境遇にある。
(瑠璃さん、こんなに綺麗で若いのに、なんで湯上の家に残ってるんだろ)
 瑠璃は現在三十七歳。十九歳の大河のほぼ倍の年齢だ。しかし、キャンパスで見かけるどの女子大生よりも美しく、瑞々しく、麗しく大河には思える。
「さ、いただきましょうか」
「そ、そうですね。……うっ」
 食事の支度を終えた瑠璃がエプロンを外したのを見た瞬間、大河は小さく声を発していた。純白のシャツを大きく押し上げる豊かなバストと、その膨らみを支える下着のラインが透けて見えたためだ。
(青だ。スカートと揃えたのかな……ううっ)
 青いブラをじっと見つめたい誘惑を振り切り、どうにか視線を落とした大河は、また声を出しそうになった。透明なガラス天板越しに、僅かに捲れたスカートから覗く、真っ白な太腿が視界に飛び込んできたのだ。
(うう、瑠璃さん、無防備すぎるよっ)
 淡いブルーのレーススカートは膝丈で、そこまで短くはない。が、座るときに捲れたのだろう、今は太腿の半分以上が覗いている。
(瑠璃さんの生脚……太腿……すべすべしてる……!)
 大学には、もっと大胆に脚を晒している女子学生はいる。振り返ってしまうほどの美女もいる。けれど、大河の目や心をここまで奪う異性は、瑠璃だけだった。
「どうですか、今日のご飯は。お口に合いました?」
「も、もちろんです! 美味しいです、凄く! 僕、魚はそれほど得意じゃなかったんですけど、瑠璃さんの料理のおかげで、だ、大好きになりました!」
 料理にかこつけ、子供の頃からの想いを言葉に乗せる。無論、こんなセリフが告白の代わりになるはずもなく、
「ありがとうございます。ここの海で獲れるお魚はどれも美味しいですよね」
 瑠璃は上品に微笑むだけだ。
(ああ、笑った顔もホントに素敵だ……普段は大人っぽくて色っぽくて落ち着いてるけど、笑顔はどこか可愛いんだよなぁ、この人……)
 初恋相手のお姉さんの手料理を、差し向かいで食べる。そんな至福の時間に、さらに嬉しい状況が加わった。
「ふう、ちょっと七味、入れすぎましたね」
 額や首筋に汗を滲ませた瑠璃が、暑そうにシャツのボタンを一つ外したのだ。大河のほうが頭の位置が高いため、開いた胸元から、深い谷間が覗けてしまう。じろじろ見てはまずい、と目を逸らし食事に集中しようとするのだが、
「私は暑がりだから、これからの季節を思うと憂鬱です」
 美貌の後家はシャツをぱたぱたと動かし、この歳になるまで異性との交際経験のない童貞大学生を激しく動揺させてくる。
(はううぅ! 胸の谷間ぁっ!)
 視線を落とせば、先程よりも左右に広げられた太腿も目に入る。かと言って露骨に横を向けば、逆に怪しまれる。大河にしてみれば、嬉しい八方塞がりだった。
「エアコンの温度、下げますか?」
「いいえ、平気ですよ」
 座卓の近くに置いてあったリモコンに伸ばした大河の手に、柔らかなものが重なった。瑠璃の手だった。
「私、エアコンがあまり得意じゃないんです。今より低くしちゃうと、もうダメかも。あ、でも、大河さんが暑いなら……」
 リモコンの上で重なった手を、瑠璃は動かさない。憧れの美熟女の温かさや柔らかさに、大河の顔が見る見るうちに赤くなっていく。
「い、いえ、平気です! 僕、暑いのは平気なほうなんで!」
 慌てて手を引き抜き、ぶんぶんと首を振る。
「それならいいけど……。ごめんなさいね、暑がりのくせにエアコンが苦手なんて、面倒な女で」
「め、面倒だなんて、そんな! 気にしないでくださいっ」
 真っ赤になった顔を隠すため、大河は山盛りにされた炊き込みご飯を一気に掻き込む。鯛の上品な出汁は、しかし、今ばかりは味わう余裕はなかった。

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