本販売日:2024/12/23
電子版配信日:2025/01/10
本定価:825円(税込)
電子版定価:880円(税込)
ISBN:978-4-8296-4771-4
お隣の一軒家に引っ越してきたシングルマザーの聡美。
開けっ放しの窓から見えるタンクトップ&ショートパンツ姿。
無防備な32歳の私生活に目の遣り場に困りつつ股間を昂らせる巧馬。
(今夜もまた覗くだけなの?)隣人の切ない想いを知る由もなく……
更には逆隣の人妻・彩香も豊満バストがこぼれるキャミ姿で、
窓越しの誘惑を……薄着で挑発しあう淫らなお隣さん!
第一章 「今夜も覗くだけなんですか?」
隣の薄着なシンママ【窓際の露出】
第二章 「ここまでするつもりじゃなかったのに」
隣の幼なじみ妻【薄着で密着誘惑】
第三章 「私だけ、恥をかかせないでください」
初めての3P【はじまりは淫装で】
第四章 「勇気を出して、私たちをもっと見て」
混浴露天【加速するハーレム生活】
エピローグ
本編の一部を立読み
第一章 「今夜も覗くだけなんですか?」
隣の薄着なシンママ【窓際の露出】
「ふう、これでひとまず、全部終わったかな」
能崎巧馬は掃除機を畳に置くと、額に滲んだ汗を手の甲で拭った。丸一日を清掃と片づけに費やした今、すっかり汗だくだ。
「あ、窓、閉めっぱなしだったか。どうりで暑いと思った」
引き違いの窓を全開にするが、湿った風はそれほど涼しくない。
「次は、庭もやらないとなぁ。塀も壊れたままだし」
巧馬が住むこの地域を大きな地震が襲ったのは二ヶ月前だ。家族や友人知人に死者や重傷者こそいなかったものの、祖父母の代から住んでいる、この古い一軒家にはそれなりの被害が出た。崩れたブロック塀もその一つだ。
(そもそもあの塀って、うちの敷地内なのか? それとも、お隣さんとの共有? 一度、ちゃんと確認しないと)
ほどよく田舎のこの地域では、近隣住人との繋がりは強い。近所の人たちは全員、顔見知りと言っていい。唯一の例外が、地震の一ヶ月前に引っ越してきたばかりの隣家、橋間家の二人だった。
「……よし、お隣さんのところに行ってみるか。でも、まずは汗流さないと」
休日の半分を費やして地震の後始末をしていたせいで、身体や服は埃まみれだ。まずはシャワーを浴び、着替えるべきと考える。
「せっかくだし、塀のこと以外にも、色々話せたらいいなぁ」
身だしなみを整えようとしたのには、別の理由もあった。隣に住んでいるうちの一人、聡美である。
(聡美さんとはまだ挨拶程度しか話せてないし、これをきっかけに、もうちょっとご近所付き合いしたい)
聡美は小学三年生の息子の貫太を持つ三十二歳のシングルマザーで、保育士をしていた。
(考えてみれば、今の僕と同じ歳で貫太くんを産んだのか)
二十三歳で童貞の巧馬にとっては、結婚も子育ても、まるで想像がつかない。ただ、慣れない土地での子供との二人暮らしが楽ではないだろうとは、容易に推察できる。なにか力になれないかとは、以前からずっと考えていたのだ。
「町内会の班長として、新しい住民の手助けをするのは当然だし。決して、聡美さんが美人だからお近づきになりたいとか思ってないし!」
己の下心を自覚している巧馬は、誰が聞いているわけでもないのに、敢えて声に出して弁明をしつつ、浴室で汗を流す。
(大丈夫。ただお隣さんに、壊れたブロック塀について話し合いをするだけ。そのときついでに、生活で困ってるところがないかとか、軽く聞くだけ)
髪を乾かし、着替えを済ませた巧馬は、早速隣家へと向かった。橋間親子が暮らすのは、能崎家ほどではないが、年季の入った二階建ての一軒家だ。
「ごめんくださーい、隣の能崎でーす」
玄関のチャイムを鳴らし、少し大きめの声で呼びかける。すると、
「はーい」
すぐにドアが開けられ、シャツとジーンズの上にエプロンをかけた聡美が現れた。優しげな、少しだけ垂れた目にじっと見つめられると、それだけで巧馬はどきどきしてしまう。
「こ、こんにちは。実は、庭の崩れた塀について相談できたらと思いまして」
「ああ、そうでしたか。よろしければ、上がってください」
玄関で軽く話せれば御の字と思っていた巧馬にとっては、ありがたい申し出だった。礼を言って靴を脱ぎ、上がらせてもらう。
「あ、夕食の支度中でしたか。すみません、お忙しいところをお邪魔して」
「こちらこそこんなに散らかってて、申し訳ありません」
通された居間には、息子の貫太の持ち物らしきものがそこここに置かれ、生活感があった。その貫太は、友達の家に遊びに行っているらしい。
「いえ、小学生の男の子がいたら、こんなもんですよ。……いただきます」
出された麦茶を飲みつつ、ちゃぶ台を挟んで向かい合った聡美を改めて見る。明るい栗色のショートカットと優しげな瞳、そしてエプロンとシャツの上からでもわかるほど豊かなバスト。そのどれもが、巧馬には魅力的に映る。
「早速なんですが、あの塀って、うちとこちら、どっちの敷地内にあるかって、わかります? 実は、僕もよく知らなくて」
「いえ、そういうのは全然わからないんです。園長先生に聞いてみないと」
「そっか。ここって、園長先生が家主でしたっけ」
以前は保育園の園長の親戚が住んでいたのだが、数年前に一戸建ての家を買ったため、聡美たちが引っ越してくるまではずっと空き家だった。
「じゃあ、いつでもいいんで、聞いておいてください。あと、巧馬がよろしく言っていたとも。僕も、あそこの卒園生なんで」
「あ、そうだったんですね。わかりました、伝えておきます」
巧馬が自分の勤める保育園出身だとわかると、聡美の表情が目に見えて柔らかくなった。
(歳上の女性にこう言っていいかはわかんないけど……可愛いなぁ、この人)
母性と同時に、男の庇護欲をくすぐる、そんな雰囲気が聡美にはあった。
「まあ、どっちの敷地にあるにせよ、いずれ直すって点は変わらないんですけど、勝手にやると色々と問題になっちゃうので」
「……やっぱり、直さないとダメ、ですか? その、お恥ずかしい話ですが、直す費用を今すぐ用意するのはちょっと厳しくて……」
しかし、すぐにまた聡美の顔が曇る。
「へ? あっ、いやいや、大丈夫ですよ、うちの敷地内にあるならうちが、そうでなかったら大家さんが出すもんですから!」
無用な心配をさせてしまったと巧馬が慌てて説明すると、聡美は胸に手を当て、安堵の息を吐いた。
「安心しました。先日の地震で色々と壊れて、正直、余裕がなくって……」
「わかります。うちもエアコンが壁ごと落下したり、棚が倒れたり、あれこれ壊れたりダメになりました……」
「あら。壁ごとですか。それは大変でしたね」
地震という共通の話題のおかげで、少しずつ会話が弾み出す。
「ところで能崎さんは、ずっとあの家で一人暮らしを?」
「巧馬でいいですよ。……元々は祖父母と両親とで暮らしてました。でも祖父母が他界し、両親が少し離れたところに家を買ったんで、僕だけが残ったんです。ここのほうが勤め先に近いですしね」
「なるほど。……巧馬さんは、あんなに広いお家で一人は寂しくないんですか?」
(うわあ、女の人に巧馬さんなんて呼ばれたの、初めてかも……!)
自分からそう呼んで欲しいと言ったくせに、実際に歳上の美女に名前で呼ばれた瞬間、嬉しさと恥ずかしさで巧馬の耳が熱くなった。
「……昔の賑やかな頃を知ってるんで、たまに寂しくはなりますね」
浮かれていると知られぬよう、グラスの麦茶を飲んで誤魔化す。
「そうだ。わたしのことも名前で、聡美と呼んでください。保育園でも聡美先生って呼ばれて、慣れてますし」
「わかりました。では……さ、聡美さんは、どうですか? こっちの生活に、もう慣れました? なにか困ってたりしてませんか?」
名前呼びを許された嬉しさに声を若干上擦らせつつ、ずっと気になっていた点を尋ねる。
「お仕事は、子供たちも、園のみなさんも、保護者の方もみんないい人ばかりで、助かってます。前の職場より、ずっと楽しいですね」
聡美の表情や口調から、嘘は感じられなかった。どうやら、仕事は順調らしい。
「息子もすぐに新しい学校に馴染みました。今日も、お友達の家に遊びに行ってますし」
「なるほど。では、今のところ、大きな問題はない感じですか?」
「ええと……問題ってほどではないんですが、ちょっとした悩みなら……」
聡美は少し迷ったあと、悩みを教えてくれた。
「わたし、こちらでお友達ができてないんです。家に息子がいるときはいいんですけど、今日みたいに一人になると、寂しいかなって」
保育園の同僚との関係は良好だそうだが、年齢差があるため、プライベートで気軽におしゃべりしたり、一緒に出かけたりするのは難しいという。
「それなら、町内会の催しに参加してみませんか? 実は僕、今、ここの班長やってるんです」
「えっ、班長? 巧馬さんみたいに若い方が?」
「面倒なことは若いやつに押しつけられるんですよ。まあ、僕はずっとここに住んでるおかげで住人とは顔見知りですし、みんな協力的なので、意外と楽です」
「ええっ。わたしが前に住んでたところの町内会は、大変だったんですけど……」
巧馬の説明を聞いた聡美は、驚いたように何度も目を瞬かせる。
「ああ、都会だとご近所付き合い、あんまりないそうですね。東京の大学に行ってた幼なじみが前に話してました。でも、あれはあれで気楽でいいとも言ってましたよ?」
「わたしは寂しがり屋だから、都会よりもこっちのほうが好きかもしれません。巧馬さんがよろしければ、是非、町内会の集まりにも呼んでください」
「はい、喜んで。若い人が僕以外にほとんどいないんで、仲間が増えるのは嬉しいです」
町内会の班長としても、巧馬個人としても、聡美のこの申し出は本当にありがたかった。
「ふふっ、若いだなんて。わたし、小学生の子を持つおばさんですよ?」
そう言って微笑む聡美は本人の謙遜とは裏腹に、とても愛らしく巧馬には思えるのだった。