06/07 電子版発売

鑑と檻 人妻女教師と未亡人女教師

著者: 霧谷涼

本販売日:2024/05/23

電子版配信日:2024/06/07

本定価:1,056円(税込)

電子版定価:1,100円(税込)

ISBN:978-4-8296-4734-9

「ああっ、いやッ……奥は突かないで……っ」
深々と子宮口を抉られ、可奈絵は紅頬を歪ませる。
文芸部員・舞衣から盗作を打ち明けられた女教師は、
秘密を知った同僚教師・鯨田に性的奉仕を要求される。
疑似恋人プレイ、公園フェラ、中出しセックス……
毒牙は、守ろうとした清純な教え子にも迫り……

目次

第一章 盗まれた受賞作と恥辱の代償

第二章 卑劣な罠に堕ちた人妻女教師

第三章 セクハラ指導で散った処女花

第四章 奴隷娼婦に転落する可奈絵

第五章 緊縛地獄に啼く未亡人女教師

第六章 裏AV撮影で暴かれる牝性

第七章 授業参観中に受ける淫らな調教

第八章 鑑となるべき聖職者が選んだ肉檻

本編の一部を立読み

第一章 盗まれた受賞作と恥辱の代償

「白石先生、わたし……と、盗作……していました」
「へ?」
 文芸部部員の櫻木舞衣が涙ながらに言い出したのは、二学期が始まったばかりのある日の放課後のことだった。
 目と眉の間が狭く、どことなくハーフのような顔立ちの美少女だ。全体的に色素が薄く、儚い印象の女の子である。
 お人形のような上向きの睫毛が縁取る目に、涙の滴が溜まっていた。
 一瞬、何のことだか分からずに顧問の白石可奈絵はぽかんと口を開けた。それから、舞衣が例の受賞作のことを言っているのだと気が付いた。
 ──今年新設されたばかりのJ大学文学賞の学生部門で金賞を受賞したのである。
 もう受賞作は文芸誌に掲載されているし、授賞式の様子はネットに写真付きでアップされていた。そこでの舞衣の美少女ぶり──と、顧問の可奈絵の知的な美貌、らしい。恥ずかしい話だ──が大きな話題を呼んでから、既に四か月が過ぎていた。地元のテレビ局から取材の申し込みも来たばかりだ。
 そんな状況で盗作という言葉を耳にするのは、穏やかではない。
「ちょっと待ってね。どういうことか、少し落ち着いてから聞いてもいいかな。一回深呼吸しましょうか、櫻木さん」
 あまり困惑の様子を見せないように可奈絵がおどけて言うのだが、櫻木舞衣はブルブル震える手で一冊の古い部誌を机の上に開いた。発行は四十年前の日付になっている。
「先生、本当にごめんなさい……わたしが悪いんです……そんなつもりはなかったんだけど、でも、無意識にマネしてたみたいで……改めて見たら、そのまんまで……っ。先生、どうしようっ」
 黄ばんだ紙に印刷された二段組の文章を可奈絵は目で追った。
(ああ、これは……)
 舞衣の受賞した短編小説は、主人公の少女の自慰を連想させるような官能的な表現が評価を得ていた。しかし目の前の古い部誌には、その独特の言い回しがほとんどそのまま掲載されていたのである。
 盗作だ、と言われてしまえば言い訳のできない内容だった。
「なるほど。内容は分かった。良いことではない……けれど、よくあること、だと思うわ」
 文芸部の顧問である可奈絵もまた、かつては大学でミステリー研究会に所属して小説を書いていた経験があった。
 だから、オリジナルだと思って書いた文章が過去に読んだ名作に瓜二つだったりするのは《よくあること》だと、身をもって知っていた。
「どうしよう……もう受賞作も雑誌に載っちゃった。インタビューも受けちゃった。今度、テレビも来るのに……」
 さめざめと泣く少女の肩で、降ろした長い髪がきらきらと揺れている。
 櫻木舞衣は、普段は生真面目で物静かなタイプの生徒である。
 お人形のような可愛らしい容姿に惹かれて入部を希望する男子は後を絶たないのだが、舞衣の淡々とした態度に何人もの生徒が玉砕し、独りぼっちの部活動になっている。
 だからこんな風に舞衣が取り乱しているのは正直意外だった。
(もしかしたら、受賞のプレッシャーでずっと苦しんでいたのかもしれないわ)
 いささかの同情を込めて、可奈絵は少女のブレザーの肩をポンと叩いた。
「よしよし。一回泣いちゃおう。いいわよ、胸を貸すわ」
 そう言うと、たった一人の文芸部員の少女は目にいっぱいの涙を溜めてわっと泣きつき、女教師の豊満なバストに顔を埋めてきた。

 ──事の経緯を、美少女はぽつりぽつりと語り始めた。
 以前から櫻木舞衣は、部室にずらりと並んだ古い部誌を愛読していた。
 そして昨年末、受賞作となる短編を執筆した。今年の五月に受賞の知らせを受け、九月の半ばである今日に至るワケだ。
 しかし受賞をしてから実に四か月の間、当人も過去の部誌から表現を盗んでいたことに全く気付かなかったのだそうだ。
 それがどうして、今さらになって発覚したのか。
「……鯨田先生が言い出したの?」
 少女の口から意外な教師の名前が出てきて、白石可奈絵は思わずおうむ返しをした。
 鯨田甚平。本校で数学を教えるベテランの中年教師である。白髪頭で猫背の冴えない男だが、可奈絵とは比較的親しく口を利く同僚だった。確か、可奈絵の前任として文芸部顧問を長く務めていたはずだ。
 校務分掌は進路指導である。可奈絵は全く知らなかったのだが、受験生である舞衣にJ大の推薦を得るために小説の応募を勧めたのも鯨田だったらしい。
 それで何度か部室にやって来て、審査員の作家が活躍した世代の流行を掴むために部誌を読むようアドバイスをしたのだという。正直、鯨田が部室に来ていたことも可奈絵は一切知らなかった。
 その鯨田が昨日になって突然、櫻木舞衣にこの部誌を突きつけ、盗作だと言い出したのだそうだ。
 ──当時の流行を参考にしろとは言ったが、盗作をしろとは言っていないぞ。
 中年教師は、驚く櫻木舞衣にそんな風に詰め寄ったのだという。
「でも、どうしてこんな古い部誌に載った短編を鯨田先生がご存じだったのかしら……」
 いくら顧問とはいえ、四十年前の部誌まで内容を網羅するのは不可能だろう。可奈絵の当然の疑問に、女生徒はきゅっとスカートの裾を掴んだ。
「鯨田先生が書いたんだそうです。この短編」
「ええっ?」
 素っ頓狂な声を上げる可奈絵に、舞衣は眉尻を下げて続けた。
「……卒業生らしいんです、鯨田先生。文芸部にいたそうです」
「ああ……そうなのね。知らなかったわ」
 四十年前の黄ばんだ部誌には《名無田権平》というペンネームが載っている。これが若き日の鯨田だということか。
「確認だけど──この作品と似通った表現をしたのは、故意ではないのよね?」
「はい。正直、部誌を流し読みした時には、この作品はそれほど印象に残っていませんでした。内容もほとんど記憶にないくらいです……だからこそ、無意識にマネをしてしまったのかもしれません」
 櫻木舞衣はそう言うと、再び泣きそうな顔になって肩を震わせた。
「先生。わたし、どうなっちゃうんでしょうか。あれだけ皆に喜んでもらえたのに、盗作だったなんて言えない……。J大の推薦も決まりそうだったのに……」
「うーん、そうねえ」
 いかにも哀れっぽい涙声で言われると、可奈絵も弱い。細い首を傾げてしばらく考えた。
「……それで鯨田先生は結局、櫻木さんにどうしろとおっしゃったの?」
 鯨田が何を望んでいるのか──受賞の辞退なのか、本当の作者の存在を世間に伝えることなのか、それとも別の何かなのか。そこが今の話では見えなかった。
 美少女は泣きはらした赤い目を何度か瞬かせる。
「〝黙っていてもいいぞ〟って言いました」
「……どういうこと?」
「白石先生がいいと言うなら、黙っててやるって……」
「……私が?」
 可奈絵が自分を指さすと、少女はこくんと頷いた。
「〝秘密にしていていい〟って白石先生が言ってくれたら、鯨田先生も盗作は誰にも言わないでいてくれるそうです」
「んー……そうなのね。なるほど」
 ボサボサの白髪頭の虚ろな目を可奈絵は思い出していた。どうやら事の成り行きは、可奈絵の一存に託されたようだ。その意図がいまいちよく分からない。
 そういう場合、すぐに飛んで行って聞いてみるのが白石可奈絵という教師である。とりあえず櫻木舞衣を帰宅させ、職員室で居眠りをしていた鯨田を捕まえた。
「ああ、例の受賞作のことですか……」
 古い事務椅子の背もたれに寄りかかり、ライオンのような白髪頭をボリボリと掻きながら、中年の数学教師はあくびをした。
「どういうことですか? 私が秘密にしていいと言うなら……なんて。事情がよく分からないのですが」
 可奈絵が小声で聞くと、鯨田はムニャムニャと口を鳴らして笑う。
「いや、まあ、こっちも白石先生の指導方針が分からなかったもんでね」
「指導方針……?」
「そうですよ。そもそも白石先生、あの作品を読んで何かおかしいと思わなかったんですか? 櫻木が書いたにしちゃあ、いささか刺激的過ぎたでしょ」
「それは……」
 そう言われては、返す言葉もなかった。櫻木舞衣は生真面目な生徒で、今までの作品は純文学寄りの青春路線が多かったのだ。それが、今回やけに官能的な表現に偏った作品を出してきた。
 可奈絵はそれを特に気に留めなかった。心の成長著しい年ごろの女の子だから、何か心境の変化があったのだろうと思ったのである。
「やれやれ。誰が見ても不自然なのに顧問だけ何も思わなかったのかよ。それじゃ困るな」
「……申し訳ありません」
 色々言いたいことはあるような気がするが、殊勝に頭を下げるしかなかった。向こうは教師の大先輩だし、盗作の被害者なのである。
 鯨田のデスクで話していると、通りがかった他の教師がチラチラと視線を投げかけて来る。白髪の教師は声を潜めると、可奈絵に顔を近づけた。
「とにかく、大事な生徒の将来に関わる話だ……職員室じゃまずいですね」
 不安そうな表情を浮かべる女教師に、さらに小声になって言う。
「──外で話しましょう。八時にここに来てください。予約は俺の名前です」
 半ば強引にスマホの連絡先を交換させられ、メッセージで居酒屋のURLが送られてきた。
「ちょっと込み入った話になるかもしれません。旦那さんに、遅くなると伝えておいてください。じゃ、よろしく」
 そう言うと、鯨田は気怠いあくびをしながら立ち上がり、可奈絵の肩をポンと叩いて席を立った。

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