【安眠】がハズレスキルなわけがなかった。

寝取り外交で女貴族を孕ませても国際交流だよね?

著者: イナリリュウ

電子版配信日:2024/06/14

電子版定価:880円(税込)

異世界転生者・ガトーの【安眠】スキルが催眠能力に覚醒!
王女たちをエッチで手籠めにし自国を制圧したあとは、
戦闘態勢の敵国へ、女貴族を寝取りにいく旅に出発だ!
「絶頂するほど好きになる」催眠にかけ、魔法少女・キトゥン、
神官テロリスト・カタリナにつぎつぎと中出しして快楽堕ちに!
魔力なし平民・ガトーが征く、世界を股にかける孕ませ漫遊記!

目次

九章 貴族ぶち殺し正義の魔法少女キトゥン

第61話 魔法少女キトゥン、見参!

第62話 孤児院を襲う怪人

第63話 戦うヒロイン敗北凌辱開始

第64話 戦うヒロイン処女喪失

第65話 戦うヒロイン悪堕ち

第66話 たいざい


十章 テロ教唆神官カタリナ

第67話 『カラミティ』

第68話 トゥイエ王国からの旅立ち

第69話 イヤな顔しながらパンツ脱いでもらいたい

第70話 昼下がりのおもらし

第71話 真夜中の情事

第72話 好意と憎悪

第73話 台無し

第74話 破滅

第75話 展望


十一章 王のお務め ターナー王城孕ませ行脚

第76話 ターナー王城孕ませ行脚1 アルセリア

第77話 ターナー王城孕ませ行脚2 オル

第78話 ターナー王城孕ませ行脚3 ヴィヴィアンヌ

第79話 ターナー王城孕ませ行脚4 エトワール

第80話 ターナー王城孕ませ行脚5 ケルン&コレント

第81話 ターナー王城孕ませ行脚6 イザベラ

IF『もしも』の未来


書き下ろし特別番外編 聖女カタリナの聖女試練

本編の一部を立読み

九章 貴族ぶち殺し正義の魔法少女キトゥン


第61話 魔法少女キトゥン、見参!



 キトゥンは魔法使いである。
 爵位はない。
 ある日、平民のキトゥンがいつものように貴族にいびられていると、唐突に現れた女の子が素敵なコスチュームといっしょに魔法を教えてくれたのだ。
 平民にだって魔力は全然ないでもない。だから魔法を使うことはできる。けれどそれは『指先に火を灯す』という【種火】だったり、器の端っこにちょっとついた汚れを落とせるぐらいの水を出す【水滴】だったりという、貴族の魔法とは全然別物だった。
 ところが女の子からもらった衣装を着ると、手から火球を出したり、火炎の柱を離れたところに出したりということができる。
 なんとキトゥンがその衣装を着て戦ったら、今まで自分をいじめていた貴族を倒してしまえたぐらいだ。
 キトゥンに衣装を与えた女の子は倒された貴族を念入りに殺して埋めながら、こんなふうにささやく。
「あなたがその衣装を着て活動し、平民であると明らかにしながら貴族どもを倒すことで、平民は希望を持つのです。王侯貴族の横暴のない世界のため、がんばりましょう」
 そこまで大きな話にかかわるのは怖かったけれど、それ以上に、にこにこ微笑みながら過激なことを言う女の子のほうが怖かった。
 それに……
 気まぐれに村に来ては暴力を振るったり、横暴な振る舞いをしたり、少しでも気に入らないことがあれば人殺しまでするのに、誰も逆らえない存在である、貴族……
 その貴族に魔法を放って傷つけ、平民にケガを負わされると思っていなかった貴族がおどろき、悲鳴をあげ、最後には命乞いまでする様子は……
 とても、気持ちよかった。
 だからキトゥンは『魔女』となることを決めた。
 一着しかない真っ赤な衣装を身にまとい、いっしょにもらった目元だけを隠す仮面もつけて、今日も赤い魔女は闇夜を駆ける。
 屋敷を出て夜中にうろついている貴族を苦しめて殺すため。
 そして、今日も……
 兵隊に囲まれながらスラムを進む、貴族らしき男を見つけた。



 なんか急に撃ってきたから眠らせちゃったよ。
『私は平民の魔女キトゥン! さあ、あなたの悲鳴と命乞いを聞かせなさい!』とか言いながら火球ぶっぱしてくるやつがいたらとりあえず撃退する。ガトーはそうした。
 トゥイエ王国にもガトーの孤児院はあって、それはもうちょっと城の近くに作りたかったのだけれど、城下町に住む人たちやケルンなんかが『近くに置くのやだ』と抵抗したため、けっきょくスラムに建てることになってしまったのだ。
 ガトーは相変わらずほとんど眠らないので暇つぶしに夜の孤児院に侵入して『捕まったらえっちな目に遭うタイプの鬼ごっこ』とかをしようとしていたのだが、そこで襲撃を受けてしまった。
「同胞、だいじょうぶ?」
 いっしょに連れていたクロエは無事。ガトーも無事。
 コレントがつけてくれた兵士は全員死亡。
 この兵士は少なくとも全員が子爵級だという話だけれど、奇襲とはいえそれを全員一瞬でぶっ殺すというのはただごとじゃない。
 もしも狙われたのがガトーだったら死んでいた。南無。ガトーは手を合わせてご冥福を祈った。なおこの世界に釈迦はいない。
 ガトーが魔抜けなのを見抜いて護衛から削るクレバーな奇襲かとも思ったが、クロエと二人きりになったとたんに正面に立って『悲鳴と命乞いを聞かせなさい』とか言い出したのでたぶんそういうアレじゃなかったっぽい。
「で、なんなんだコレ」
 ガトーの感性で表現するならば、そこの土の地面に倒れて眠りこけているのは、『魔法少女』であった。
 ひらひらふりふりの赤い衣装を身にまとった魔法少女。赤毛に、今は眠っているから閉じているが、たしか目も赤かった。この世界にはピンク髪の人とか普通に存在するので衣装の色を合わせるだけでたやすく魔法少女っぽくなる。
 問題は平民を名乗りつつ子爵級の護衛を奇襲で皆殺しにする魔法を放ったことだが……
 ガトーは魔法少女のスカートをめくった。
 下着も色を合わせてある。ぴったり張りつくような赤いローレグのショーツ。だが今の目的はそれではない。ガトーはショーツの布をずらしてワレメをクパァしながら、クロエに言う。
「クロエ、見えるか?」
「処女膜あるよ」
「今聞いたのはそっちじゃない。スカートの裏に模様はあるか?」
「あるよ」
「あー……」
 魔法と種族特徴により夜目が利くクロエは、たしかに模様を確認した。模様……ようするに『魔力増幅紋』である。
 このヒラヒラの衣装は『ただのワンピースに大量の布がぬいつけてある』という代物だが、その布に、おそらく大量の魔力増幅紋が描かれている。
「やっぱ出回ったか……」
 その推測にいたる根拠はなかったが、ガトーのカンはこの展開を予想していた。
『魔力を増幅する手段は存在する』『それは僻地のダークエルフたちにさえ発見されていた』『ならば街や村で暮らす者が発見してもおかしくない』『発見したら実用化したくなる』『実用化したのが平民なら、貴族に抵抗するために使う』
 すべて『こうならこうでしょ』という連想ゲームなので本当に根拠はない。
 ただ、確率的にどこかしらで発見と実用化はされていそうだなと思っていた。だって魔力増幅紋を描くのに特別な道具や大掛かりな儀式は必要ない。
 だから、これは。
「歴史が変わるなあ、これ」
 平民が力を持つ時代が始まりつつある。
 ……まあ、それはそれとして。
「……まさか剣と魔法のファンタジー世界で魔法少女に出会えるとはな……」
 男なら誰もが思うことがある。
 ──魔法少女を凌辱したい。
 なにせナチュラルに剣と魔法の世界なので魔法少女なんかいないと思っていたが、ここに実在するとわかってしまえば、ヤりたくなるのがガトーのサガだ。
「聞きたいこと聞いて報告だけしたら、あとはちょっと遊ぼう。クロエ、伝言役頼めるか?」
「同胞はどうするの?」
「ちょっと孤児院と魔法少女っていう組み合わせでやりたいことがあるんだ」
 魔法少女は子供と組み合わせてこそだと思う。
 それになにより、キトゥンはガトーが長らく触れていなかったものをお持ちなのだ。
 そのバストは、身長に比してあまりにも豊満であった。
 トゥイエ王国にはいなかった巨乳枠がここに落ちてる。
 というわけで……
 催眠怪人ガトー、出撃します。
第62話 孤児院を襲う怪人



「……!」
 キトゥンが目覚めたのは知らない場所で、だから真っ先に『貴族に捕まった』という絶望が頭をよぎった。
 しかしどうにも違うらしい。
 跳ね起きたキトゥンは『ばしゃり』という音を聞く。
 それは人の良さそうな、そしてボロの服を着た女性神官が、水の入ったたらいを落とした音だった。
「目覚めたのですね。よかった……」
 まだまだ年若い、というか幼い、キトゥンより少し年下であろう神官少女は、安心したように言う。
 キトゥンは警戒を完全には解かないまま、問いかけた。
「……ここは?」
「トゥイエ王都南西の孤児院です」
「……私はなんでここにいるの?」
「倒れていたあなたを、親切な方が運んできてくださって、それで……」
「……」
 キトゥンはここまでにあったことを回想する。
 たしか、貴族らしき男を見かけたのだ。
 キトゥンは魔法を使ってもあまり夜目が利くほうではないものの、こんなスラムでフル装備の騎士四人に護衛され、お付きの少女まで従えた男というのは、貴族で間違いあるまい。
 だからキトゥンは奇襲で護衛をまずは焼き尽くし、貴族の男をいたぶるために残した。
 お付きの少女は貴族の場合もあるが、貴族に気に入られているだけの平民の場合もあるのでとりあえず殺さなかった。
 キトゥンはただの快楽殺人者ではない。貴族をいたぶって殺す時しか気持ちよくないのだ。
 ただし魔力感知というのができない。
 だから『なんとなく貴族っぽいな』で襲撃相手を選ぶし、違ったら冥福を祈る感じのゆるふわな活動をしている。命乞いのための嘘かもしれないから『違う! 貴族じゃない!』と言われても見逃せないのだ。
 そういう意味では、そこにいる神官も貴族の可能性はあるのだが……
(倒れていた私を世話してくれたんだから、貴族でもいい貴族よね)
 拘束もされていないし、なにより死んでいない。
 そもそも孤児院経営に金を出す貴族はいても、実際に孤児院に詰める貴族などは存在しない。だからキトゥンは、少女神官のことを『いい貴族』か『平民』ということにした。
 キトゥンの『殺して気持ちいいかどうか』の判定は貴族としての爵位の高さと言動の悪辣さを見ての加点方式なのだ。
「……ありがとう。助かったわ」
「いえ。わたくしはなにも……あなたを連れて来てくださったかたのおかげです」
「……その人は、私が倒れていた状況について何か言ってなかった?」
「特には……道に倒れていたというだけで」
 妙な話だ。
 キトゥンの記憶だと、まだターゲットとその従者が生き残っていた。
 けれど記憶に奇妙な抜けがあるのは事実だ。自分がなぜ倒れたのかがわからない。
 だから必死になった自分が激戦のすえに貴族の男をぶっ殺し、従者の少女あたりに助けられたのではないかな……と予想する。違和感はぬぐえないけれど……
「とにかく、私はご迷惑にならないうちに出ていく──」
 キトゥンがベッドから起き上がったちょうどその時だった。
「きゃあああああああ!」
 幼い子供の悲鳴が耳をつんざく。
 キトゥンが思わず硬直していると、神官が腰を抜かしたようにへたりこみながら、震える声でつぶやいた。
「あ、『あいつ』がまた来たんだわ……子供たちをさらいに……」
「『あいつ』!? それは貴族!?」
「い、いえ……」
「なんだ違うのか……」
「でも、その正体は貴族かもしれません。不思議な術を使うのです。そいつは、どう言っていいのか……」
 神官は言い淀み、絞り出す。
「『怪人』と呼ぶしかないような、存在なのです」



 孤児院経営を任せているシスターちゃんはうまいことやってくれたようで、怪人に扮装したガトーの目の前には怒りに燃えたキトゥンがいた。
「貴族め! こんなスラムに子供をさらいに来るとか暇なの!? 許せない! いたぶっていたぶって殺してやる!」
 怪人だと言い含めるように打ち合わせしていたのに、キトゥンの中では貴族ということになっているようだった。
 怪人というものになじみがないのかもしれない。それか悪いやつを全部『貴族』と呼称しているかのどっちかだ。うーん、後者かな……とガトーは判断した。
 時刻は朝になっていた。怪人は朝の八時ぐらいに出るものだからだ。
 襲撃に遭ったのが深夜の二時ぐらい。そこからとっさに三時間寝かせて五時。起きたあとに情報を絞り出してさらに二時間半ほど寝かせて現在という感じだ。
 絞り出した情報はすでにコレントに届いているらしい。オルが『情報を受け取った』という連絡をよこした。
 オル、暗殺者としてプロなので存在感が非常に薄く、うっかりすると連れてきていたことを忘れてしまう。もっとアピールしてほしい。
 そして孤児院の子らに突貫でつくらせた『布の端切れで作った怪人衣装』を身にまとい、今にいたる。
 この衣装を着たガトーのことはおそろしい怪物に見えるように全員に睡眠学習させているので衣装のクオリティはさほど重要ではなかった。作り込みの甘い部分はみなさんの想像力に委ねます、という感じだ。
 ガトーは「がおー! 子供、さらう。子供、食う」などと言いながら腕を振り上げてのそのそ歩く。
 子供たちは泣き叫び、腰を抜かし、泡を吹いて気絶し、失禁までしておそれていた。どんな怪物を想像しているのか気になる。
 そんな中でもキトゥンは気丈に赤い瞳でガトーをにらみつけており、【貴族滅殺】と呪文を唱えると手の中に火球を生み出した。
 まともに喰らうと死ぬので呪文が出来上がった瞬間に五秒だけ【安眠】させて、〝過程〟を夢で補完して〝結果〟だけを現実で演じる。
「ちぃっ、たいさん、たいさん」
 演技がだんだん面倒になってきたのでそう述べつつガトーは走って孤児院から退散した。
 一回ボロ負けしたあと逆転するから楽しいのだ。
 ガトーが去ったあと、孤児院ではシスターちゃんがうまいことキトゥンに孤児院の警備を依頼してくれる手筈になっている。
 ここまでがお膳立て。
 このあとニチアサルートからR‐18ルートに入る予定です。



「大したことないわね、貴族も。……わかったわ。あの貴族がいなくなるまで、私がこの孤児院のみんなを守ってみせる!」
 キトゥンが神官少女のお願いを聞いて宣言すると、子供たちから大歓声があがった。
 正直なところ、超気持ちいい。
 貴族をなぶり殺すのとは別種の快楽に、キトゥンは大きな胸をいっぱいに張って満足感を噛み締める。
 お姉ちゃんかっこいいー! という力いっぱいの叫びに「そうでしょう、そうでしょう。このキトゥンに任せなさい!」と応える。また大歓声。こういうのだよ、こういうの。
「平民の魔法使いキトゥンはね、貴族なんかには絶対に負けないの!」
 子供たちの大歓声の中で神官少女が「あの、貴族ではなく怪人……」と言っているが、その声はささやかすぎて誰の耳にも届かなかった。

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