その母、魔性につき

著者: 懺悔

本販売日:2024/07/23

電子版配信日:2024/08/02

本定価:825円(税込)

電子版定価:880円(税込)

ISBN:978-4-8296-4741-7

「どんどんあそこがカチカチになっていくね」
白い手指で導かれ、甘い唇で優しく愛撫され、
蕩ける女膣で締めつけられ、一線を越える奇跡の瞬間。
禁忌と知りつつ、僕はなぜ母さんに惹かれるのだろう?
生みの母の子宮に放つことをなぜやめられないのだろう?
次世代エースにしか描けない、ナンバー1官能ロマン!

目次

プロローグ 幸福な現在

第一話 しちゃおうか、お母さんとセックス

第二話 お母さんが一から教えてあげようか?

第三話 まだ精子出せる?

最終話 今日もお母さんと赤ちゃん作りたいの?

エピローグ 幸福な未来

本編の一部を立読み

プロローグ 幸福な現在

 今日は倫理の授業で幸福の定義について先生が論じていた。昔の哲学者の言葉を引用したその説諭は少し小難しくて、今の僕には上手く噛み砕く事ができなかった。
 それでも自分は幸福だと確信している。
 何でも語り合える友人が居るから。
 互いに淡い恋心を向け合う恋人が居るから。
 部活に切磋琢磨して汗を流し合うライバルが居るから。
 それらの要因はもちろん大きい。
 一般的にはそれだけで十分に幸せだろう。
 しかし僕が自分を幸福だと疑わない一番大きな理由は別にある。それは尊敬してやまない父親であった。
 父さんは知性と品性が歩いているような人間だ。
 何も特別驚かれるような学歴を持っているわけでもないし、有名企業で働いているわけでもない。
 世間から見たら普通のこざっぱりとしたサラリーマンでしかないのだろう。
 しかし僕はそんな父さんを幼少の頃から慕い、そして今ではその敬意は心酔の域にまで達している。
 父さんのようになりたい。
 確固たる道標がある。
 僕のような青二才にこれ以上の幸福があるだろうか。
 常に父さんの一挙手一投足を観察する。
 紳士的な振る舞い。綺麗な食事の仕方。センスの良いスーツの着こなし。清潔感のある髪型。
 僕はその全てを模倣しようと日々努力していた。
 母さんはそんな僕を笑う。
「そんな肩肘を張らなくても、一樹はお父さんにそっくりよ」
 よく言われる言葉だ。
 僕はその度に反論する。
「まだ父さんの背中も見えないよ」
 母さんはクスクスと笑った。
「そうやって堅苦しい物言いをするところも似てる」
 僕は父さんという理想像を追い続けている。なので息子ではなく求道者としての視点で母さんを見る。
 母さんの容姿や物腰から連想されるのは月や梅雨だ。控えめながらも秘密めいた光を放ち、それでいてしっとりとした雰囲気を纏っている。
 何故父さんはそんな母さんを選んだのか。
 その理由にとても関心があった。
 僕も人並みに思春期で恋愛を経験して、そして今交際している女の子も居るが母さんとは似ているかわからない。
 別に女性の趣味まで合わせる必要は無いのだろうけど、どうせなら父さんと同じような道を歩き続けたい。
 一体どういった経緯で父さんと母さんが出会い、そして僕が生まれたのか。興味がつきない。
 いつか聞いてみたいと思う。

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