太陽、月、大地の神獣姫をエッチで懐柔させたイヴァンは、
更なる力を求めて双子の星の神獣姫、アリス&エリスに迫る!
妹・エリスの無垢な肉体に快感を教え込み、中出し射精で絶頂を!
法悦へと導かれているその瞬間、姉・アリスの膣奥でも快楽の炎が……
感覚を共有する姉妹に交互に一物を突き込み、俺のものに!
星と獣の調教ファンタジー、双子同時服従編! 特典SS収録!
第一話:トーテムがいっぱい
第二話:双子の女神
第三話:仮住まいと仮の関係
第四話:生存戦略
第五話:感覚の共有[アリス&エリス]
第六話:エリスとの約束
第七話:アリスへの提案
第八話:開発の時間[エリス]
第九話:空を飛べる機会
第十話:為すがまま[エリス]
第十一話:双子の喧嘩
第十二話:妹の感覚[アリス]
第十三話:エリスの時間[エリス]
第十四話:アリスの告白
第十五話:悪い子だから[アリス]
第十六話:破瓜以上、契約未満[エリス]
第十七話:根掘り葉掘り
第十八話:知りたい感覚[アリス&エリス]
第十九話:双子の頼み事
第二十話:体の快感と心の快感[アリス&エリス]
第二十一話:待ち人
第二十二話:我慢のご褒美・前半[エリス]
第二十三話:我慢のご褒美・後半[アリス]
書き下ろしSS:お薬時間は二人の初めて
本編の一部を立読み
第一話:トーテムがいっぱい
イヴァンは悩んでいた。
目の前にずらずらと並ぶのは、鳥を模した形の小さなトーテム。
その数、しめて十二個もあった。
「この中に本物はあるんだろうか……?」
星の神獣姫を探すべく、ひとまず近場にある祠があったらしき場所を一通り巡ってみた。
しかし、どこにもなかった。
一泊程度で行き来できる近隣の町や村にも足を伸ばすが、やはり祠らしき跡はどこにもない。
思った通り、小さすぎる遺跡など現代には残っていないのだろう。
そんな中見つけたのは、ある日行われていた蚤の市だ。
気分転換も兼ねて、神獣姫三人を連れて見て回っていると――。
「うん? これは……!」
なにかを見つけたルナが足を止める。
「あったぞ。これこそまさしく、星の神獣姫のトーテムではないか!」
店先には、様々な古めかしい石工品が並んでいた。
「うん? とおてむ? お嬢ちゃん、これは工芸品だよ」
ニカッと笑ったのは店主の老人。
「工芸品? いやいや、この形はトーテムではないか。店主よ、これがなんなのか知らないのか?」
ルナが手に取ったのは鳥の姿を模した小さな石像だが、同じものがずらずらと四体も並んでいる。
「知っているとも。ようするに置物さね。そいつは鳥の魔除けだ。勉強部屋に飾ると、合格祈願になるんだぞい」
「ちょっと、ルナ」
ルナの横へ行って商品を見回したあと、くいくいと肘でつついたのはソルだ。
「見てよ、こっちはキミのトーテムじゃないの」
ソルが手に取ったのは、狼の姿を模した小さい石像だった。白色にペイントされている。
「おお、そっちは狼の魔除けさね。玄関に飾っておけば悪しき来客を退けられる」
「ほうほう。私の姉妹は、なんと素晴らしい神力を持っているのだ!」
ルナが目をキラキラと輝かせている。
「ちょっと!? キミに姉妹がいるわけないでしょうっ!? 月はひとつなのよ。目を覚ましなさいよ!」
ソルに叱られ、純白の神獣姫はハッとした。
「むむむ……た、たしかに! 私は一人だ。これはどういうことなのだ……?」
戸惑うルナの隣にやって来たのは、テラだった。
「それは『縁起物』ですね」
そう言って彼女は手を重ね合わせて、朗らかに笑った。
「トーテムを模した置物が縁起物として流行った時代があったのです。最も盛んだったのは千年も前なのですが、ほんの百年ほど前までは、その文化も続いておりましたから――」
「おお、お嬢ちゃん、詳しいじゃないか。獣人奴隷さんなのに博識なんだねえ」
にこにこと老人が笑っている。
「え? ……ええ、そうですね……」
テラは曖昧な笑みを口元に浮かべ、イヴァンを振り返った。
イヴァンは彼女たちの後ろに立って、並んでいるトーテムらしき石像を眺める。
(ああ、しかし……そうか。その可能性があるな……)
顎に手を当てて、考え込んでいたら。
「お兄さんがご主人さまかいね? 金はたんまり持ってるんだろう? 三人も奴隷をはべらせて楽しそうじゃないか。長年、各地を行商しているワシでも三人も――それも、揃いも揃って、こんな美人を連れ歩いているのを見るのは初めてだ」
店主にそう話し掛けられて、返答に困った。
たしかに――テラとも暮らすようになって以来、イヴァンはますます、目立っている。
ご近所さんに至っては、どこかの高名な貴族が身分を隠して滞在していると思われている気配すらあった。
(否定すればなおさらややこしくなりそうだから放置しているが、最近は近隣住民に様付けで呼ばれて困ってるんだよな……)
とはいえ本題はそこではない。
「その鳥形の石像を四体、全部売ってくれ」
イヴァンは、軒先に並べられた縁起物を指差し、店主に言う。
「「えっ!?」」と、神獣姫たちが反応した。
「ちょっとご主人さま、正気? これは本物じゃないって、さっき話したところじゃないの」
「うむ……たしかにかわいいが、さすがに四体も飾る部屋なんかないぞ?」
腕組みをするルナに、「えっ、かわいい……?」とソルが怪訝そうな目を向ける。
「ん……ああ、そうですか――たしかに、それもそうですよね」
唯一、察した様子のテラがぽんと手を叩いた。
「テラは察しがいいな?」
思わず声を掛けると、「恐れ入ります」と彼女ははにかんだ。
「しかし、たしかに可能性はゼロとは言い切れません」
「ゼロじゃないって?」
「なにがだ?」
食いつく黄金と白銀の神獣姫に、黒髪の神獣姫はやんわりと説明した。
「本物が混ざっている可能性です。特に、こういった古物商は、どういった経緯で入手したかも不明なものばかり扱っていますから、本物が紛れることがあってもおかしくないでしょう?」
「ほうほう。そうなのか!」
ルナが大きく尾を振った。
「ならば、こういった古物商を見つけて、片っ端から買い付けていけば……!」
「……いつかは本物にたどり着くかもしれない、ってことね?」
「ご名答です」
二柱に対し、にこにこと微笑むテラ。
彼女たちがそんなやりとりをしているうちに、イヴァンは鳥形のトーテムらしきものをすべて買い付けた。
「他にも、こういうのを扱ってる店があるかもしれない。一通り回ってみるか」
*
こうして、まず手に入れたのは六体の石像だ。
そのあとも、あらためて近隣の町にある古物店を回り、それらしきものを買い付けた。
そうやって手に入れた十二体が目の前にはあるわけだが――。
「主よ、いま戻った!」
ちょうど玄関からルナの声がする。
居間に入ってきたのは、少し遠い町へのお使いを頼んでいたルナとソルだ。
彼女らの手には紙袋が抱えられていた。
「片っ端から買ってきたぞ」
「合計二十一体ね」
二人は、居間のテーブルに並べられた石像の横に、新たに買ってきた像を並べた。
「ありがとう、二人とも」
イヴァンは礼を述べたあと、あらためて腕組みをする。
「これで――全部で三十三体か……」
この中に本物が紛れていればいいのだが。
どれがどれだか見分けがつかない。いずれも古めかしいうえに、造形も似たり寄ったりだ。
こういうことは、神獣姫に聞くのが一番いいかもしれない。
「本物はありそうか?」
目の前にいる二人に聞いてみたら、彼女たちは揃って首を横に振った。
「わからない……ニオイを嗅いでみてもよくわからないな。そもそも、星の神獣姫のニオイなど、かつて私が会ったことのあるプレイアのものしか知らないからな。いくら同じ星の神獣姫といっても、別の女神ならばニオイも異なるだろう」
ルナが申し訳なさそうに耳を畳んでいる。
「ええ、私もさっぱりね」と、ソルまで肩をすくめた。
そのとき、台所にいたテラに「お夕飯ができましたよ」と声を掛けられる。
「しかたない。いったん片付けるか……」
イヴァンは、並んだ石像をまとめて紙袋に入れておくことにした。
(区別がつかないのなら、とりあえず、ああするしかないか……)
一応、目処ならあった。
「ものは試しだ。明日の朝、近場の森にでも行って、召喚の儀式をしてみよう」
そう切り出すと、彼女たちは頷いた。
第二話:双子の女神
朝日が昇って間もない頃、イヴァンは、三柱の神獣姫とともに町外れの人気のない森までやって来た。
目の前には魔法陣が描かれ、中央部にトーテムらしきもの計三十三体が山積みになっている。
「さすがに一体一体、順に召喚の儀式を試していくのは手間でしかないし時間も掛かる。そこで――こうする」
イヴァンは古文書を開き、詠唱を始めた。
儀式は、人間の体内にあるマナと呼ばれる不可視のエネルギーを使用するため、行えるのは一日一回に限られている。つまり一体一体試していたら一ヶ月以上掛かる試算となる。
(だったら、この手段が一番効率的だ。どうせ元から、あるかないかもわからない本物だし――)
この方法だったら一度で済む。これが最も効率的な方法だろうと考えた。
やがて詠唱とともに魔法陣が輝き出した。きれいな深い藍色、緑色、黄色が混じり合い、ゆらぐような色彩を放っている。それが中央に集まり、人の姿を形作った。
「これは――」
「やったな、主! 本物があったようだな!」
背後でルナのはしゃぐ声がする。
しかし、光の形がこれまでと少し異なっていた。
これまでならうずくまる人の形に収束していったのだが、今回は――。
「ふたつ……?」
やがて光が収まると、そこには、二人並んで座り込む小さな女神の姿があった。
片方は、青と紫色のグラデーションの髪。もう一方は、緑と黄色のグラデーションの髪で、どちらもふわふわとウェーブしている。まるで銀河のような髪だった。
どちらも、黒色の布のような古代の衣をまとっていて、白い翼を背中で畳んでいた。
二人は伏せていた顔を上げ、まぶしげに目を細めつつ、互いに顔を見合わせる。
「エリスも起きた?」
「アリスも起きた?」
二人は互いを確認したあと、いっせいにイヴァンを見た。
「「私(ボク)たちを起こしたのは、おまえなの?」」
長いまつげに縁取られた丸い黒目がちの瞳を、さらにまん丸くさせて、声を重ねて問いかけてきた。
彼女たちは、蝋人形のように美しいが幼い印象で、まったく同じ顔立ちをしている。
「あ……ああ、俺だが」
頷きつつ、イヴァンは唾を呑んだ。
これまでの神獣姫たちと比べて何点も違いがある。
まず、二柱もいることは初めてだ。
(本物のトーテムがふたつもあったということか……?)
なくてもおかしくないとすら覚悟していたから、これは真逆の誤算だ。
それに、一見、二十歳前後の妙齢の女性に見える他の神獣姫と異なり、目の前の少女は。
(見たかんじ、十二、三歳といったところか……?)
ずいぶんと幼く見えた。
といっても彼女たちもまた創世の神獣姫なのだから、実年齢は人間とは比ではないくらい上のはずではあるが――。
戸惑っているうちに彼女たちは互いに手を取り合うと、すっと立ち上がる。
背もだいぶ小柄だった。だぼっとした布のような服で隠れているが、手も足もすらっとして華奢で細いし、体格も幼さが残っていそうな雰囲気だ。
「……アリス」
「うん……エリス」
二人は、イヴァンの周りにいる神獣姫たちに気が付くと顔を緊張で強ばらせた。
「このオス、お姉様の神獣姫を二柱も従属させてる……。それも、太陽と月の」
「そうだね。一柱のお姉様とは契約関係……? 女神の契約は一柱としか結べない」
「つまり……私たちは」
青い髪のほうがアリスなのだろう。彼女は、不安そうな顔のまま自身の首筋を撫でた。
「おまえの望みは神獣姫の……従属?」
警戒した目をして、そう聞いてきたのは、緑の髪をしたエリスのほうだ。
(初っ端から警戒されてしまうのか……。悲しいが、まあ、しかたないよな)
そう思いつつ、イヴァンは頷いた。
「ああ、そうだ。古の神獣姫たち。おまえたちに、俺の従属になることを望む」
一応、きっぱりと告げた。
とはいえ、二柱も必要ない。
「どちらかは見逃してやろう。アリスとエリスというのか。どちらが俺に下るか、そっちで選べ」
イヴァンが、ここまで強気に出られるのは理由がある。
「おっと、変な気は起こすなよ? おまえたちに神力がないことは端からわかっているし、そこは檻の中。そのうえ――こちらには、味方の神獣姫が三柱もいる」
そう。背後に控えている彼女たちあってこそだ。
それを星の神獣姫も理解しているのか、彼女たちは互いに繋ぎ合った手をぎゅっと握り締めた。
「……どちらかなんて、選べない」
「うん……選べない」
警戒した目つきのまま、二人は、各々そう話す。
逆らわれるのは想定のうちだ。イヴァンはため息をつく。
「反発する気か?」
「「……違う」」と、二人は声を重ねた。
「私たちは、二人でひとつなの」
「そう。ボクたちは、創世の双子星の神獣姫。だから――」
「「双子なの」」
異口同音に発される。
「ふ、双子……?」
イヴァンは困惑した。
「じゃあ、もしかしてトーテム二体から出てきたってわけじゃないのか?」
彼女たちはコクッと頷く。
「うん。ボクたちは同じだから」
「私たち、同じなの。だから、トーテムも同じ」
「……そうなのか」
星の神獣姫は山ほどいるとは想定していたが、その中でもさらに複数体いるパターンがあるとは思わなかった。
(二体……。俺に扱い切れるだろうか?)
とはいえ、いま彼女たちを見逃して、あらためてトーテムを探す気にもなれない。
「……しかたない」
イヴァンは意を決すると、古文書をめくりながら前に歩み出る。
「だったら、二人ともと従属契約を結ばせてもらおう」
「うう……やだなあ」
「ボクも。気乗りしないけど……」
案の定、双子は嫌な顔をした。
「でも、勝てる気もしないし……」
「……うん。仮にボクたちが、このオスに逆らったら、月の神獣姫、太陽の神獣姫、地の神獣姫まで敵になることになる。みんなボクたちよりも階位がずっと上。つまり、お姉様の神獣姫だ。勝ち目は……ない」
「エリス。私、どうすればいい……?」
「アリス。残念だけど、どうにもできないよ。これだったら」
彼女たちは困り顔を見合わせている。
「……従うしか、選択肢はないよね?」
怖々とエリスに聞かれた。
外見の幼さも相まって、良心がチクチクと痛むが、ここは頷くしかない。
「あ、ああ、そうだな……」
(というか俺、この子たちと、これまでみたいに神力のためにセックスできるのか……? だ、大丈夫なのか……!?)
色々と不安しかない。
しかし、このチャンスを逃すべきでもない。
(くそっ。やるしかない……やるしかないんだ!)
自分自身を奮い立たせる。
「で、覚悟はできたか?」
本心では躊躇しているが、顔に出ないように努めて聞く。
彼女たちは諦めた顔をして、どちらからともなく、コクッと頷いた。
「よ、よし……。だったら、やるからな……?」
イヴァンは唾を呑み、古文書の長い呪文を詠唱した。
双子は抵抗らしい抵抗をしない。
おかげで、苦しませずに首輪を取り付けることができた。
従属の契約を使ったのは、一回だけ。それで両方に首輪が付いたので、二柱揃ってひとつというのは本当のことなのだろう。
彼女たちは顔を見合わせて、お互いの鉄製の首輪を触り合っている。
「ああ……くっついちゃった」
「うん……くっついたね」
残念そうな顔をしているが、たいした抵抗はなかった。
イヴァンは胸を撫で下ろす。
「……抵抗がなくて助かる」
地面に描いた魔法陣を足で擦って消す。
「ああ、すんなりと終わってほっとしたぞ」と、ルナが微笑んだ。
「ええ。武器を抜かなくて済んでよかったわ」
ソルがそう言って、肩の力を抜く。
「そうですね」
テラが双子のそばに歩み寄った。
「星の神獣姫アリスとエリス……ですか。そなたたちとは、初めまして……ですね?」
地の神獣姫の問いかけに、眷属になったばかりの双子は頷いた。
「そなたたちのご主人さまは、イヴァン・マツェクという人間です。案じなくても大丈夫。彼は優しい人ですから」
そう言って穏やかに微笑むテラに、アリスとエリスは目を瞬くのだった。