2度目の青春は、神様からもらったエロチートでリスタート!?
だったら、自分を振ったクラス一可愛い千島エリカを手に入れたい!
美人モデルの宗谷美希、彼氏持ちの同級生・沖野あみ、
妹系女子・八重山メイを攻略し、エリカとの距離を縮める俺。
だがエリカには、ずっと誰にも言えなかった「秘密」があって……
投稿サイトの人気作を加筆改稿、2024年eブックスの大本命、登場!
1 エロチートを授かった
2 美人モデルをビジネスパートナーにした
3 教室で決意を新たにした
4 友人の彼女を修学旅行で寝取った
5 クラス一の美少女にアタックした
6 クラス一の美少女を追い詰めた
7 クラス一の美少女を抱き潰す
8 美人ビジネスパートナーの胸に顔を埋めた
9 クラス一の美少女に図書室で悪戯した
10 妹系女子をシャワー室に連れ込んだ
11 クラス一の美少女を魔の手から救った
12 クラス一の美少女をただひたすら抱き潰す
13 クラス一の美少女を快楽漬けにした
本編の一部を立読み
1 エロチートを授かった
高級シティホテルの一室に、俺はクラスで一番の美少女・千島エリカを呼び出していた。
「エリカ、よく来たじゃん」
ドアを開け、彼女を室内へ引き入れる。
セミロングの黒髪がふわりと舞い、芯の強そうな瞳が俺を睨んだ。相変わらず息をのむような可愛さだ。
エリカは、夏だというのに長袖のチェックシャツとロングデニムという暑苦しい格好だった。
これからされることに少しでも抵抗しようという意思表示だろう。
だが、汗で張り付いたシャツが彼女の魅惑的な胸のふくらみを際立たせている。小柄で華奢な体つきのわりにそこそこある美乳がエロい。
俺の舐めるような視線に気づいたのか、エリカが悔しそうに下唇を噛んだ。
彼女の背後でゆっくりドアが閉まる。
次の瞬間、俺はエリカの唇にむしゃぶりついた。
「んむッ……んっ、いやっ、あむっ……む、ぅっ、んんッ……」
彼女の苦しげでどこか色っぽい声が室内を満たしていく。
やっとこの日が来たのだ。
今日は土曜日だから、明日の夜まで抱き潰してやる。
俺は、「神」が与えてくれた2度目の人生に心から感謝した。
◇
1度目の人生。
その日も俺は、夕方近くまで布団に潜ってスマホを眺めていた。
根室アラタ、無職。
それ以外に自分を形容する言葉はない。
少し付け加えるなら、三十代半ばに差し掛かろうというのにボロアパートで一人暮らし、会社は四年前に辞めて今は週四日のアルバイトでなんとか食いつなぐ日々。
もちろん、今の今まで恋人なんてできたこともない。
他人からはうだつの上がらないオッサンか人生落伍者に見えるだろう。それが俺だった。
スマホ画面には女性芸能人の薬物スキャンダルのニュースが流れている。
どうやら2度目の逮捕らしく、連行されるその顔には年齢には似つかわしくない濃いシワが刻まれていた。
「みじめなもんだな。いや、みじめなのは俺か」
いくら転落していようが、一度芸能人として成功しているだけ俺なんかよりもはるかにマシだろう。
ため息をつき、気だるさの抜けない体を起こす。そろそろバイトの時間だ。
よれよれのシャツを着て俺は玄関を出た。
はずだった。
「え?」
目の前に、漆黒の闇が広がっている。
上下左右すべてが真っ暗で自分の体さえ見えない。玄関を出た瞬間に意識不明に? なんて物騒な発想が浮かんだ瞬間、誰かの声が響いた。
『──根室アラタさん。今から369日後、あなたの意識を20年前に戻します』
エコーの効いた女性のような声に名前を呼ばれドキリとする。
言われた内容は非現実的なのに、その荘厳な声には「絶対にそうなる」と確信してしまう異様な説得力があった。
『──その際、特異な能力を授けます。しっかりイメージしておいてください』
特異な、能力?
『──あなたの心からの望みを叶える能力です』
当たり前のように思考を読まれたが、不思議と驚きはない。
次の瞬間、視界が戻った。
目の前には見慣れたアパートの外廊下がある。視線を下げると、くたびれたジャケットを着た体が地面まで続いていた。
幻覚、ではない。これは紛れもない現実だ。
「やり直せる……のか?」
俺は電話を掛けると、すぐにバイトを辞めた。
便宜上、「神」と呼ぶことにする。
その神は、意識だけを20年前に戻すと言った。意識がどこまでを指すのかは分からないが、記憶は当然持っていけるだろう。
であればやることは、たくさんある。
とりあえず俺は過去の宝くじの当選番号を暗記することにした。数字選択式の宝くじなら確実に当たり番号を購入できる。他にも高騰する株の銘柄や過去二十年分の主要なニュースも頭に叩き込んだ。
会社員時代の貯金や退職金をおろし英会話教室にも通った。経営ノウハウの本を読みまくり、果ては医学論文にも手を出したりして、とにかく「2度目の人生」で無双できそうな知識を詰め込むことにした。
369日後、俺は20年前──つまり学生時代にタイムリープする。
悪くない。
「あの日」をやり直せるなら、悪くない。
学生時代のあの夏、俺は浮かれていた。
クラスの、いや学校中の男子の視線を集める女子──千島エリカと親しくなったのだ。こんな、陰キャぼっちの俺が。
小学校の頃は苦労しなくてもそこそこできた勉強も、中学からは下の中まで一気に落ちた。
運動も、得意でも不得意でもないレベルだったが、ここぞという勝負に弱いせいで体育の授業では何度も格好悪い姿をさらした。
なんとなく、負け癖ができあがっていたのだ。
顔の造りも悪くなかったはずだが、髪型をいじったりオシャレをしたりするのが面倒だったせいか女子の熱い視線を浴びたこともない。
むしろ「あえてモテない方向で行くから」などと自分を納得させていた。馬鹿だった。
バンドや部活、そして恋愛に精を出す男子がいる中、俺はそいつらを小馬鹿にする自分を演じていたのだ。
同じようにひねくれた底辺男子とつるみ、日がなゲームをしていた。
そんな俺だったが、あの夏だけは勇気を出した。
文化祭でうちのクラスはお化け屋敷をやることになり、その実行委員に俺と千島エリカの二人が選ばれたのだ。
どういう流れでそうなったのかは覚えていない。
ただ俺はこの頃、なんとか自意識を満たそうと「心霊マニア」なるキャラを演じていたから、それで抜擢されたような記憶がある。
そして、意外にもオカルトに興味があるというエリカが、自分から実行委員に立候補したのだ。……いや、友達に薦められて渋々やることになったのだったか。
正直、このあたりの記憶は曖昧だ。それくらい俺の心は浮ついていた。
そこからは、まさにひと夏の夢のようだった。
千島エリカは当時の女子の中ではやや小柄な身長で、男子の中ではチビだった俺よりも少しだけ低かった。外国人とのクオーターらしく目鼻立ちが整っていて、いわゆる美少女だ。
体つきは細く、でも胸はそこそこある。
だが俺にとって、彼女の魅力はその容姿だけでなく性格にもあった。気が強いというか、芯があるというか、とにかく真っ直ぐな気質だったのだ。それを表すように部活はなんと合気道部で、端正な見た目とのギャップに俺は密かに萌えていた。
「根室、ここの仕掛けどうするんだっけ?」
「ああ、そこは前言ったじゃん。忘れんぼうだな千島は」
夕暮れ時、二人でお化け屋敷の仕掛けを作る。彼女の発案で、実行委員の俺たちが放課後に居残り準備を進めることになったのだ。
彼女は、俺のことを「君」付けでも、申し訳程度に流通している「ネム」というあだ名でもなく「根室」と呼んでくれた。
だから俺も「千島」と呼んでみたのだ。他にこう呼び合う男はいないだろうと思うだけで、優越感に浸れた。
「根室、文化祭終わったら実行委員で打ち上げでもしよっか」
エリカが額の汗を拭いながら軽い感じで言ってくる。彼女は話すときに相手の目をしっかり見てくるので、女子とまともに話したことのない俺はいつも顔を逸らしてしまう。
「いや、しねえしっ」
恥ずかしくて、つい条件反射的に誘いを断ってしまう俺だが、内心では有頂天だった。
文化祭が終わったら二人で打ち上げだ。
俺は打ち上げで告白する自分を想像して……なぜか根拠もなくイケる気がしていた。
文化祭前日の夜には、念のため近所の神社へお参りに行った。どうか告白が成功しますようにと、生まれて初めて神頼みをする。
神のお墨付きも得た気になり、不思議な万能感が体にあふれた。告白が成功するイメージしか湧かない。このときの俺は、物語の主人公になったような気分だった。
そして7月6日、文化祭最終日。運命の日。
気の急いだ俺はさっそく彼女にメールを送った。
『打ち上げなんだけど、ファミレスでも行って軽く飯食わん? まあ忙しいだろうから、千島の行きたいとこでいいよー☆』
30分かけて打ったメールは今思えば気色の悪い、だが当時の俺としてはフレンドリーかつ適度に明るくてスマートな文面だった。
だが何時間待っても彼女からの返事は来なかった。
やっと返信が来たのは、日付が変わった7月7日の明け方。
『急な用事があって行けないかも。クラスのみんなで調整して決めようか』
断られるとは思ってもみなかったので焦った。しかも二人ではなく、なぜかクラス全員で行くことになっているし。
俺は慌てて返信を送った。
『あーそうしようか。ただその前にちょっと2人でとか無理かな? 笑
ちょっと軽く伝えたいことがあったりして☆』
返信が来ない。
さらに焦燥感に駆られた俺は、もう一通メールを重ねた。追いメールというやつだ。
『実は、オレ千島のことが気になってて、もしよければ遊ぶとかどうかな~と思って。なんか返事くれないみたいだから、メールでごめんだけど 笑』
この時すでに、うまくいかない感じがしなくもなかった。妙に空回りしているような、嫌な実感があった気がする。
3時間ほどして、エリカから返信が来た。
『ごめんなさい、付き合っている人がいます。でも根室君は良い人だと思います。これからも友達として接してくれると嬉しいです』
俺は、自分が世界一恥ずかしい人間だと思った。
後日、同じクラスで高身長爽やかイケメンの浅倉が俺に話しかけてきた。
学校のカースト最上位の男子に近づかれるだけでも緊張するのに、投げかけられた言葉でさらに固まる。
「根室さあ、エリカに告った?」
「へ?」
「……まあ、ドンマイ」
浅倉は本当に勇気づけるような、申し訳なさそうな感じで俺の背中を叩いて去っていった。
エリカと浅倉が付き合っていたのを知ったのは、ほどなくしてからだ。交際についてはクラスで周知の事実だった。
恋愛を小馬鹿にして、興味のない振りをしていたせいで俺だけがそれを知らなかったのだ。
俺が彼女に告白したことは、すぐに学校中に知れ渡った。「無謀なチャレンジャー」「身の程を知らない男」──そんな二つ名が付き、しばらく笑い者になった。
しかし1週間が過ぎるとそんな事実も忘れられていた。
無様だ。
俺は無様な人間だ。
そんな出来事がトラウマになったのかは分からないが、以来俺はもっと自分を卑下するようになった。
挑戦してもどうせ失敗する、行動すればまた恥ずかしい目に遭う。そんなふうにいつもビクビクするようになった。
そこからの人生は、良いものとは言えない。
結局、三十代半ばになっても恋人ができたことはなく素人童貞のまま。数年前に参加した同窓会では多くが結婚したり、出世したり独立したりしていた。
俺だけが学生時代を引きずったまま、周りに取り残されるみたいに怠惰な日々を生きている。
そんな俺に「神」が授けてくれた幸運。
人生を、やり直せる。
そう思った瞬間、俺は2度目の人生での目標を決めた。
千島エリカを手に入れる。
彼女を抱いて、抱き潰して、俺だけのものにする。
◇
そして369日後。
「いよいよ……なのか?」
時刻は夕方前。あの日「神」のお告げがあったのと同時刻だ。
俺はなんとなく玄関を出てみる。
またも、唐突に目の前が真っ暗になった。
『──これより意識を20年前に戻します。授けて欲しい特異な能力をイメージしてください』
「神」だ。
俺はこの1年、何度も何度も練り続けたイメージを頭に思い浮かべた。
『──授けました』
その瞬間、下腹部が火を吹いたように熱くなり、ふっと意識が遠のいた。
◇
気が付くと、俺は実家でシャワーを浴びていた。
鏡には見慣れた自分の──若い俺の姿が映っている。
今、オッサンになった夢を見ていたような……。
いや、違う。俺が若返った。
この下腹部の熱さは夢じゃない。俺は20年後の世界からタイムリープしてきたんだ。
シャワーを顔に当てて思考をクリアにしていく。
ひとまずは授けてもらった能力を確認する必要があるだろう。
体の内側に意識を集中させると、おぼろげながら手に入れた能力のイメージが浮かんできた。
「なんだ、これ」
神に願った能力は、なんというか「エロチート」とでも呼べるような代物だった。
その機能は、主に六つ。
一つ、分泌される精液は女に極上の快感を与える。
二つ、一度精液を体内に取り込んだ女は、その精液の虜になる。
三つ、分泌される精液は任意で避妊モードになる。
四つ、分泌される精液は女にとって美味になる。
五つ、分泌される精液は女の体を活性化させる。
六つ、あらゆる性行為で女に苦痛を与えない。
なんというか。
俺のコンプレックスやら鬱屈した性欲を体現したような、なんともムッツリスケベな能力だ。
「はーあ……俺ってヤツは」
呆れ笑いが込み上げてくる。
もっとクールな催眠系の能力をイメージしたはずなのだが。
まったく、こういうところが俺らしい。
「まあ、やることをやるだけだ」
俺はそそくさと体を洗い終え、何年ぶりかの家族団らんを味わった。
親父の読んでいる新聞の日付、テレビのニュースをチェックして、想定どおりの日時に飛んだことを確認する。
20年前の、1月19日。
さて、あの日──7月7日までの猶予は半年足らずだ。それまでに金と力を手に入れる必要がある。
ほとんど時間はない。
せっかくの2度目の人生だ。時間を有効活用しなければ。